【フランス展 2023】心ときめく憧れの手芸店<サジュー>の世界

世界中の手芸愛好家の憧れとも言われている、フランスの手芸店<SAJOU/サジュー>。箱を開けるだけで、心がときめくような可愛らしいソーイングボックスや手芸道具は、実用性はもちろんのこと、ラベルやデザインにも力を注ぎ、人々の心を惹きつけてやみません。
フランス展でも人気の<サジュー>の魅力を、マダム・サジューこと、オーナーのフレデリックさんに伺いました。
<メゾン・サジュー>のショールーム
―<メゾン・サジュー>の歴史について、教えてください。
フレデリックさん(以下敬称略):ジャック シモン サジュー氏によって1830年頃<サジュー>は始りました。その当時、刺繍図案は1枚1枚手で彩色され、買える人が限られる高価なものでした。そこでサジュー氏は1色のインクで印刷した安価な刺繍図案集を考案し、これにより誰でもが簡単に刺繍ができるようになったのです。それは当時画期的な事で手芸界に大きな影響を与え、<サジュー>も躍進しました。
でも残念ながらその後1920年代には後継者もなく活動はストップし、1954年に完全に消滅してしまいました。それを知り、2005年新<サジュー>としての新たな一歩を踏みだす事にし、今に至っています。

―独創的な色使いとデザインのインスピレーションの源は?
フレデリック:まだ10代半ばだった頃、私の名前クレスタン ビエと同じイニシャル「CB」と書かれた古い箱を見つけ気になって調べてみると、それは糸メーカー、<カルティエ ブレッソン>の19世紀のものでした。そんな偶然の何でもない出会いから古い手芸関連商品を集め始めました。特に木の糸巻きに巻かれた糸やさまざな色の糸が並ぶ見本帳が大好きでした。そして、19世紀の青いインクで印刷された小さな<サジュー>の刺繍図案集にも出会いました。今から思うとこれが<サジュー>との出会いですね。

―そこから、今の<サジュー>が復活したのですね。フレデリックさんが<サジュー>を手掛けるうえで、大切にされている事は?
フレデリック:<サジュー>を復活するにあたっては、そのものがかつて作られたその場所で今も作ってもらう、つまりはさみならフランスの伝統的なはさみ産地に発注する、糸も同様になど「伝統」にこだわりました。そういうわけで<サジュー>では商品からパッケージまでフランス製です。
デザインは19世紀の本物の素晴らしさを伝えるもの、それは復刻版であったり、当時のものに現代のエスプリを加え私がデザインしたものだったりします。代表的な商品であるはさみの柄は、もちろん当時のようにべっ甲やマザーパールは使えず、アセテート樹脂製ですが、ボタンを押せば一気に戻るのが今は当たり前なメジャーも<サジュー>では当時同様手巻きでカバー部分は今も木製です。

―<サジュー>本社はヴェルサイユにあるのですね?
フレデリック:そうです、本社はヴェルサイユ宮殿のそばにあるので、宮殿にはほぼ月に1回くらいは行っています。年間入場パスも持っているんですよ。皆さま同様、フランス人もやはり宮殿ファンです。もちろん大きな影響を受け、<サジュー>の商品にもヴェルサイユ宮殿に関連するものがいくつもあります。特にマリーアントワネットのデザインのソーイングボックスは、日本の百貨店のお客さま用にデザインしたもので、フランスの<サジュー>でも販売していません。ほかにもヴェルサイユ宮殿、ルイ14世やマリーアントワネット柄の布や、メタル缶、ショッピングバッグなどヴェルサイユ柄の商品がたくさんあるのはこうして普段から宮殿が近くにあるからです。

―古くから続くスタイルを大切にしながら、今の感覚に合うデザインを次々と生み出すフレデリックさんの、インスピレーションの源は?
フレデリック:それはハッキリ言えます。美術館です。フランスにはたくさんの美術館があり身近な存在です。私は美術館が大好きで、本当にあちこちの美術館や古い美術品の残るお城に行きます。何か本物に接してそれを真似する、と言うのではなく、良いものを見ると刺激されて創作意欲がわき、アイデアが出て来る、という事なんです。<サジュー>のオリジナル商品はほとんど私がデザインしています。いろいろな仕事があるのでなかなか創作だけに没頭するという訳にはいかないのですが、皆さまが百貨店でご覧になる<サジュー>の商品はこうしてヴェルサイユの古い建物にあるアトリエでデザインされています。

―最後に、フランス展 2023にメッセージをお願いします!
フレデリック:今ではアメリカやオーストラリアなど世界に商品を輸出していますが、私が<サジュー>を立ち上げた頃から日本のお客さまにはご注文をいただいています。新しい<サジュー>は日本の皆さまと共に歩んで来たと言っても過言ではありません。何年も日本にお伺いする事ができていませんが、今回、約4年ぶりにフランス展に参ります。日本の皆さまとお会いして直接お話ができることをとても楽しみにしています。三越350周年の記念すべきフランス展のために、新作のソーイングセットもご用意して、皆さまをお待ちしています。フランス展 2023会場でお会いしましょう!

マダムサジュー フレデリック・クリスタン=ビエ氏来日!
□2023年10月4日(水)~10月9日(月・祝)午前11時~午後6時
※最終日は午後5時まで
特別ワークショップ開催
「マダムサジューと会話しながら刺繍を楽しむひと時」
開催日時:
①2023年10月6日(金)午前10時30分~正午
②2023年10月8日(日)午後3時30分~午後5時
定員:各回8名さま
参加費:①4,620円、②4,730円
ご予約方法:三越伊勢丹オンラインストアからお申込みください。詳しくはこちら
お申込み期間:2023年10月2日(月)午後6時まで
※先着予約制です。
※中級者向けのワークショップとなります。
※定員になり次第、受付を終了させていただきます。
フランス展 2023
□Part1 2023年9月27日(水)~10月2日(月) [最終日午後6時終了]
□Part2 2023年10月4日(水)~10月9日(月・祝) [最終日午後6時終了]
□日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※<サジュー>は、フランス展 2023 Part1・2に出店いたします。
※掲載情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。
一部の商品は、オンラインストアでも販売しております。
