日常に溶け込む“余白”。小川郁子が魅せる、江戸切子の新たな魅力

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2016年に開催した日本橋三越本店での初個展以来、多くのお客さまから支持を集め、今回で3度目のご紹介となる小川郁子さん。伝統的な江戸切子の技を受け継ぎながら、独自の感性でガラスの魅力を引き出す注目の切子作家です。江戸切子との出会いや、暮らしの中での取り入れ方などをうかがいました。

江戸切子の魅力と出会った大学時代

小川さんと江戸切子の出会いは大学入学時。地元江東区(東京)で開催されていた江戸切子教室に通いはじめたのがきっかけでした。そこで講師を務めていたのが、後の師匠となる小林英夫さん。江戸切子の第一人者といわれる名工です。 「週1回の教室がとても楽しくて、友達からの飲み会の誘いも断っていたほど(笑)。大学在学中ずっと通いつづけ、就職活動の時期には切子を極めたい気持ちが強くなっていました。小林先生に何度も弟子入りを志願しましたが、断られつづけて…。大学卒業を迎えたとき、先生から『遊びに来てみるか』と仰っていただき、工房に毎日通うように。通いはじめて2年ほど経って、ようやく弟子として紹介していただけるようになりました」

職人イメージ
※制作風景の作品は今回の出品作ではありません。

技法にとらわれず、ガラスの魅力を引き出す

江戸切子の伝統を継承する小林英夫さんに師事し、その技術を学びながら、薩摩切子など多様な表現を取り入れた作品を生み出す小川さん。「江戸切子はこうあるべきという考えにとらわれ過ぎるのではなく、いまはガラス自体の魅力を引き出すことを目指しています。江戸切子らしいくっきりとした色のコントラストも好きなのですが、薩摩切子のボカシの表現もとても美しいので、少しずつ色のグラデーションを取り入れていきました」

小川郁子 瓶(金赤ウス)
小川郁子 瓶(金赤ウス)
※価格・サイズは店頭へおたずねください。

日常になじむ、“余白”のある切子

菊つなぎのような伝統文様と深いカットの大胆な曲線を組み合わせるなど、どこか“余白”を感じさせるデザインが小川さんの作品の魅力。親しみのあるやわらかさが、日常にしっくりとなじみます。

小川郁子 被硝子切子瓶「静夜」
小川郁子 被硝子切子瓶「静夜」
※価格・サイズは店頭へおたずねください。

「ちょっとした記念日や気分転換したいときにももちろんですが、日々の暮らしの中でどんどん使っていただきたいです」と小川さん。今回の個展では、花瓶やグラス、帯留などの装身具まで幅広くご用意。ますます進化を重ねる作風を一望いただける内容となっています。伝統的な切子から、いまだからこそ生み出せる作品まで、創造力あふれる切子作品をお楽しみください。

小川郁子 帯留
小川郁子 帯留
※価格は店頭へおたずねください。

小川郁子
PHOTO by Keisuke Osumi

小川郁子ガラス展
□2023年6月28日(水)〜7月3日(月)最終日午後5時終了
□日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊
詳細はこちらから

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