
あっさりとした色使いと江戸っ子らしい粋でモダンなデザイン。東京都の伝統工芸品「東京手描友禅」の女性作家4名が一堂に会する展覧会を開催します。ほとんどの作業工程を一人で行う東京手描友禅は、作家の個性が色濃くあらわれるのが特徴。今回出品する4名の作家の魅力をご紹介します。
アイデアから仕上げまで一人が手がける東京手描友禅
江戸の町人文化を背景に生まれた東京手描友禅。落ち着いた色彩のなかに、江戸らしい粋や洒落が表現されています。構想・図案・下絵・糸目糊置き・友禅の色挿し・仕上げという工程のほとんどを作者一人で行うため、作家ごとの個性を楽しめるのも魅力。今回は、日本工芸会正会員の水橋さおりさんをはじめ、大橋さやかさん、坂井三智子さん、伊藤中さんという、次世代を担う作家4名の作品を集めました。
美しく、大人かわいい世界観|水橋さおり
伝統工芸展などで目にした友禅に魅せられ、2000年から東京手描友禅の道へ。2022年日本工芸会正会員に認定されました。美しい作品、大人かわいい作品をめざして創作を続ける水橋さおりさん。「まだまだ知らない方が多い『東京手描友禅』を知っていただき、手にとっていただけたらうれしい。友禅ならではの遊び心あふれる色柄がたくさんあるので、日常の中にちょっと特別感を味わっていただきたいです」と語ります。


a.染なごや帯「水光」 363,000円(絹100%/帯芯・お仕立付)
b.名刺入れ「セキセイインコ」 17,600円(絹・その他/約7.5×11.5×1.5cm)
c.小銭入れ「ネコに魚」 11,000円(絹・その他/約8×11×2cm)
愛らしい動物柄が得意|大橋さやか
子どもの頃から日本の工芸品が大好きだったという大橋さやかさん。動物柄が好きで、作品にも多く取り入れられています。「作家によってデザインや色づかいも個性があるので、ぜひお気に入りを見つけてコーディネートに取り入れていただきたいです」とメッセージをいただきました。


a.染なごや帯「粲粲」 473,000円(絹100%/帯芯・お仕立付)
b.バッグ「シマエナガ」 49,500円(絹・その他/約20×28×13cm、持ち手高約16cm)
c.がま口「猫」 16,500円(絹・その他/約8×13.5×3cm)
思わず話題にしたくなるデザイン|坂井三智子
「きものを身につける人も、見ている周りの人も楽しくなるようなコミュニケーションツールになれたら」と話す坂井三智子さん。華紋や唐花などのエレガントなデザインから心なごむ動物モチーフまで、さまざまな表現を取り入れています。


a.染なごや帯「市松パンダ」 220,000円(絹100%/帯芯・お仕立付)
b.バッグ「手染めマルチカラー」 99,000円(絹・その他/約26×32.5×11.5cm、持ち手高約14.5cm)
c.名刺入れ「華紋」 17,600円 (絹・その他/約7×11.5×1.5cm)
幾何学的で細やかなデザイン|伊藤中
季節に敏感な大人でありたいという想いから東京手描友禅の道を選んだ伊藤中さん。「自分のつくったものが誰かの心の琴線に触れることがあれば幸せ」と語ります。幾何学的で細やかなデザインが得意。見れば見るほど愛着のわく作品です。


染なごや帯「鶴の恩返し」 220,000円(絹100%/帯芯・お仕立付)
10月28日(土)・29日(日)には、日本工芸会正会員水橋さおりさんによる製作実演とオーダー会も開催。作家自らお客さまのご注文を承ります。ぜひこの機会に、東京手描友禅の世界を間近にお楽しみください。
EVENT
水橋さおり 製作実演・染帯オーダー会
□10月28日(土)・29日(日)各日午前11時〜午後5時
●オーダー染なごや帯 220,000円から(帯芯・お仕立付)
※オーダーをご希望の方は、イメージ写真や資料をお持ちください。
※デザインの内容により価格が異なります。
※デザイン決定から染めあがりまで約2カ月、お仕立てに約1カ月、計3カ月ほどお時間をいただきます。
東京手描友禅 女性作家四人展
□2023年10月25日(水)~10月31日(火)
□日本橋三越本店 本館4階 呉服プロモーションスペース