＜HERILL/ヘリル＞
毎日包み込まれていたいカシミヤセーター。

高級素材を日常的に

デザイナーブランドや大手セレクトショップの企画を経験したデザイナー大島裕幸さんが、2019年、自身で立ち上げたユニセックスブランド＜ヘリル＞。

長い歴史のなかで培ってきた技術を持つ国内工場とともに、素材の開発にコミットして服づくりを行っています。「既視感のある生地は発注しない」と語る大島さん自身が感動し、全て使いたいと業者にお願いしたという素材。それが、カシミヤのなかでも特に希少性の高い「ゴールデンキャッシュ」でした。

アパレルではほとんど使われてこなかった貴重な原料と出会い、大島さんは大胆でした。価格への配慮で薄手を選ぶのではなく、純粋な「いい」を求めて、ふっくらと厚みのある生地のセーターを制作。日々、洗濯機でガンガン洗えて、毛玉はできづらく、使うほどにフワッとしてくる唯一無二のセーターができました。

風が通り抜けるアトリエで

開け放たれた窓から、夏の風が通り抜ける午後。デザイナーの大島さんがふるまってくれたアイスコーヒーを一口飲んでミーティングは始まりました。「ファーストサンプル」といって、構想してきたアイテムが服のかたちになったものを井伊さんが初めて確認する日です。

井伊さん自らニットに着替え、腕を上げたり、下げたり。腕まくりをしてみたり。ズボンにタックインをしてみたときどのように生地がたるむのか、ふくらむのか。さまざまな着こなし方でチェックします。

この日、型を絞って、「作らない」選択をする場面も。手にとってくださる方はどんなライフスタイルなのか。どのようなシーンで着られるのか。高いからいい、安いからいい、ではなく、デザインと価格のバランスを検討します。井伊さんは、大島さんをはじめ、伊勢丹のお客さまを知るプライムガーデンのバイヤーの話も聞きながら、大人の女性に似合うカシミヤセーターを探っていきました。

素材独自の色を活かす“無染色”という選択

今回のセーターのベージュは、「無染色」といって自然のままの色を活かしています。上品で淡い質感は、最高品質のカシミヤである「ゴールデンキャッシュ」ならではの色味と風合い。＜ヘリル＞を代表する素材です。

大島さんは無染色を選んだ理由を、こう説明します。「染めるとして、何色がいいのかよくわからなかったんです。黒でも赤でも、青でもなんでもよかった。けれど、自分なりの理由が見つからないなら、なにもしないのがいいんじゃないか。そうして無染色に行き着きました」。自然体な大島さんの人柄が、そのままデザインのアプローチに直結していると感じられるお話です。

＜ヘリル＞
ボトルネックセーター 
ベージュ 61,600円  ブラック 50,600円 
Vネックセーター 
ベージュ 61,600円  ブラック 50,600円 
※オンラインストアでの受注受付開始は9月27日(火)午前10時を予定しております。
※受注生産により2022年11月末お届け予定

今回新色のネイビーが登場

カジュアルな中に上品さが宿るセーター

ふれるとうっとりしてしまう手ざわりのカシミヤのセーター。ウエストはやや細めに絞れるようにリブの幅を広めに設定しています。それは、パンツに入れたときにボトムスのなかでごわごわしないように、という井伊さんの要望から決まったデザイン。首元はボトルネックとVネックの２種類。ゴールデンキャッシュと呼ばれるベージュに加え、高品質のカシミヤを染めたブラックも登場します。日々最も着やすく必要になるのが黒だけれど、ときどき黒ではない明るい色も着たくなる。そんな井伊さんのリアルな思いを反映したカラー展開です。

「カシミヤと聞くと、デリケートで慎重に扱うべきものだと思うかもしれませんが＜ヘリル＞のセーターは日常使い推薦！洗濯機でざぶざぶと洗ってもいいそう。だんだんふっくらとして艶が出るみたいです。つきづらいとはいえ、毛玉が目立ったり、破れてしまったら、リペアもしてくださいます。アフターケアを受け付けるその姿勢に、信頼ができるブランドだなあと感動しました。良いものを長く愛するという価値観をバックアップしてくれるブランド。こういう方の作る服こそ、これからは着ていたいです」。

Direction & Styling: Yuriko E
Photography (Item) : Masahiro Sambe
Photography (Fashion) : Mitsuo Okamoto
Hair and Make-up：Rumi Hirose
Text and Edit：kontakt