伊勢丹新宿店から始まる、
語れるテキスタイルと出会う1日
素材や柄、織り、染めなど、作家やブランドのこだわりが唯一無二の個性を生み出すテキスタイル。
柄を愛するファンたちが待ちわびた伊勢丹新宿店の「柄の祭典」が10月に開催されることから、
デザイナーや伊勢丹新宿店バイヤーにあらためてテキスタイルの魅力を語ってもらいました。
伊勢丹新宿店をめぐって、すてきなテキスタイルと出会ってください。
ファンの熱い声にお応えして
「柄の祭典」が復活
2018年からスタートし、柄を愛するクローバーサイズのお客さまから大好評だった「柄の祭典」。2020年は開催できなかったのですが、復活を望む声を多数いただきました。今回は雑誌「オズマガジン」ともコラボレーション。「柄の祭典」に出店するブランドのデザイナーの方々に、テキスタイルへの想いを語っていただきました。
柄の祭典Vol.5
□10月13日(水)〜10月19日(火)
□伊勢丹新宿店 本館3階 プロモーション
MANAMI SAKURAI

<マナミ サクライ>シャツ 29,700円
※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります。
Textile artist
櫻井マナミさん
<マナミ サクライ>デザイナー。ロンドンでテキスタイルを学び、2019年に独立。作品は展示会とオンライン受注会を中心に販売。
櫻井:「ピースフルなメッセージをテキスタイルにのせて贈る」が、<マナミ サクライ>のコンセプトです。自分が好きなアートや本からインスピレーションも受けながら、そのときの気持ちにぴったりくる言葉で物語を作り、絵を描きます。「We are a piece of the stars」(私たちは星のかけら)が今回のテーマ。現代アーティスト、オラファー・エリアソンのスタジオのレシピ集『Studio Olafur Eliasson The Kitchen』に、リンゴなどのすべての植物は天体エネルギーの産物で、人間も宇宙の循環の一部であり、起源をたどればみんなビッグバンに行き着くという文章があって。みんな星のかけらだと考えたら、目にするものがすべて愛おしく思えて…。このテーマのもと、クレヨンで宇宙や自然と人のつながりを描いた "The Universe"、鉛筆の線と水彩で温かな宇宙を描いた"The Stars"の2柄を制作しました。環境への負荷の少ないものづくりを心がけ、綿や麻、絹などの土に還る天然素材だけを使い、水質汚染の少ない染色法を選んでいます。
Event
櫻井マナミさんのイベントを開催。詳しくは伊勢丹新宿店クローバーショップの公式Instagramにてお知らせいたします。
@clover_isetan_shinjuku

marble SUD

<マーブルシュッド>
ブラウス 22,000円 レギュラーサイズ
ブラウス 25,300円 サイズ 1 (15号相当)[商品を見る]
※レギュラーサイズ(22,000円)は店頭のみのお取り扱いとなります。
Textile artist
川村智也子さん
<マーブルシュッド>ディレクター。アパレルメーカーに勤務後2001年に夫の新中好登さんと共に創業。恵比寿本店など10店舗を展開する。
川村:<マーブルシュッド>の年3回のコレクションでは、その時々のメッセージを発信しています。私を含め6人のスタッフ全員でニュアンスを共有するために短い詩も作るんです。今季は「夕暮れ、そして星空のもと私たちは」がテーマ。「空を見上げると、月が、星が、大きな夜空が私たちを静かに包み込んでくれます。明日がどうか笑顔の日となりますように。星に願いを」という詩を添えました。不穏な空気が続く中で星に希望を願う気持ち。ここからスタッフが発想を広げてテキスタイルにしています。ブランドを始めたころ会話のきっかけになる服を作ることが使命だと感じたことがあり、おもしろいモチーフのものも作り続けています。

mannine

<マンナイン>シャツワンピース 38,500円
※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります。
Textile artist
岸本万里さん
<マンナイン>デザイナー。英国セントラル・セント・マーチンズのファッションプリント科を卒業後2014年にブランド立ち上げ。
岸本:<マンナイン>のこの秋冬のテーマは 「Let's catch up over a cup of tea?」です。やはり今は制限が多く海外にも行けないし、友達をお茶に誘うのも遠慮してしまう。だから代わりに私の描くキャラクターたちにお茶会で楽しく会話してもらおうと「森のお茶会」をテーマにしました。森に住むウサギや熊など、私が描いたキャラの設定を3人のスタッフと一緒に肉付けし世界観を膨らませています。今回はInstagramのフォロワーの方々にキャラの名前も募集しました。柄ものは「これはなんだ?」という好奇心が入口になりますが、そこに物語があるとさらに親近感を抱いてもらえますよね。
Event
<マンナイン>2021年秋冬コレクション受注会
□10月13日(水)・10月16日(土)・10月17日(日)各日午前11時〜午後6時
□伊勢丹新宿店 本館3階 婦人大きいサイズのクローバー
デザイナーの岸本万里さんが来店。秋冬のデザインを中心に、お好みのシルエットと柄を組み合わせて特別な1点をお作りいたします。
※ご予約は店頭またはお電話にて承ります。
電話03-3352-1111大代表
※ご予約状況によってお受けできない場合がございます。

Seed one style

<シードワンスタイル>プリントブルゾン「TOZAN」31,900円
※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります。
Textile artist
シードワンスタイル
籠谷裕美さんと美桜さん母娘によるセミオーダーブランド。2003年からweb販売を始め12年から兵庫県高砂市にアトリエ開き活動。
籠谷:<シードワンスタイル>のブランドのコンセプトは「happyの種を届ける」です。友人相手に始めた仕立て屋さんからスタートし、ネット販売を経て、アトリエ開設とともにお客さまひとり一人のご要望に対応できるセミオーダー主体に移行しました。2013年頃からオリジナル生地作りも始めて、なかでも「SAKANA」シリーズはその当時から作り続けている私たちの"顔"的なテキスタイルです。デザインは私が、プリントのイラストは主に娘の美桜の担当です。今季のテーマは「SUITABLE FOR ME」(わたしにふさわしい)です。流行の服やサイズに自分を合わせるのではなく、これからは服を自分に合わせるという買い方を選んでいただきたいですね。"私"らしい服を、ご一緒に見つけていただけるよう願っています。
Event
<シードワンスタイル>2021年秋冬コレクション受注会
□10月16日(土)・10月17日(日)各日午前11時〜午後6時
□伊勢丹新宿店 本館3階 婦人大きいサイズのクローバー
通常コレクションや2021年秋冬コレクションから、ご要望のサイズでカスタマイズを承ります。
※ご予約は店頭またはお電話にて承ります。
電話03-3352-1111大代表
※ご予約状況によってお受けできない場合がございます。

バイヤーたちが思わず語りたくなる
テキスタイル
気分華やぐ色や柄、心地いい肌触り。思わず語りたくなるテキスタイルは、愛着もひとしお。そんな布モノを、伊勢丹新宿店のバイヤーがピックアップ!
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定番モデルの素材アップデート版。カラフルなシューレース材を編み込んだ柔らかな生地は1点ずつ柄の出方が違い、100%リサイクルポリエステルの構成も魅力。重くなりがちな秋冬の装いの足元を、軽やかな印象にしてくれます。
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ビンテージスカーフの魅力を伝えたいとの思いから生まれたブランドで、すべてのスカーフやストールは熟練の職人による手捺染(ハンドプリント)。手作業でしか表現できないディテールや発色で絵画をまとう気分に。
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桐島かれんさんがクリエイティブディレクターを務める<ハウス オブ ロータス>。生産量は極めて少ない希少な素材を使用した上質なキャメルジャケットは、保温性はもちろん、吸湿性と放湿力も高い優秀な冬のアウターです。
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デンマーク出身の井上兄弟がクリエイティブの力で社会問題を解決したいと作ったブランド。ボリビアの貧困問題に向き合い生み出した手織りストールは、現地の上質なテキスタイルと<ザ・イノウエブラザーズ>のデザインが融合しています。
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<プランテーション>の「BIZEN Autumn WAVE」シリーズは、岡山のデニム織機でタテ糸に綿、ヨコ糸に綿麻を用いて織り上げ製品加工を施したウェーブが特徴。巾を変えたストライプとともに表情に動きを添えてくれます。
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オリジナルの柄と独特の色合いのコンビネーションが新感覚のデザイナーのChiekoさんが手描きで生み出す<キワンダ>のレッグウェアデザイン。クッションに優雅に寝そべる猫柄のソックスは、シンプルなワンピースのアクセントにぴったりです。
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洋服に響きにくいライン、色柄の豊富なバリエーションが世界中で愛される下着ブランド。独自製法のシグニチャーレースの柔らかさと伸縮性は、履いていることを忘れてしまうフィット感。フラワープリントにも気分が上がる!
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<ムーンバット>による、日本の傘の技を伝えるブランド。ユニークなテキスタイルを生み出すイタリアブランド<ディエッフェ・キンロック>とコラボしたこの傘は、タンザニアの市場を描いた色鮮やかな柄を生地を裁断しない「一枚張り」で表現しています。
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毎年少しずつ進化している<バトナー>のシグネチャーシリーズ。2021年秋冬シーズンから「SOLIDWOOL」という新しい糸を使用することで、暖かさや耐久性、肌触りがさらに向上しました。
今回セレクトしたのはこちらのバイヤー
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新宿宝飾時計・雑貨営業部 婦人靴 スーパーバイザー
赤木謙社歴11年中10年間婦人靴を担当。最近お気に入りの布モノは「many's shop」のシュールで愛くるしいぬいぐるみ、ノミボーイ
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新宿婦人営業部 クリエーターズ・コンテマーチャンダイザー
佐藤文建2008年に入社し、婦人服の販売やアシスタントバイヤーを経て現職。伊坂幸太郎などの本を読んだり、映画を観るのが好き
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新宿宝飾時計・雑貨営業部 セレクトショップ担当 イセタンリーフバイヤー
小林嵩2008年の入社以来婦人雑貨一筋。食、コスメ、雑貨など全館のえりすぐり品を集めた新ショップ「ISETAN Seed & Leaf」を担当
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新宿婦人営業部 ブランドショップ担当(肌着・靴下)スーパーバイザー兼セールスディレクター
髙田裕子1997年の入社以来婦人服に携わり、今春から肌着・靴下担当に。ソックスを紹介した<キワンダ>はカップ&ソーサーも愛用
日本ならではのテキスタイルの
楽しみ方とは?
日本に伝わる染織の技術や文様、雑貨。テキスタイルの深い魅力と楽しみについて
<ヌノワークス><壺草苑><むす美>に聞きました。

<ヌノワークス>スカート「オーナメント」44,000円
□伊勢丹新宿店 本館5階 インテリア
※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります。
テキスタイルは人にいちばん近い素材
日本の伝統的な布の産地と協業し、新しいテキスタイルを生み出す<ヌノ>の須藤玲子さん。「私たちの布はすべて国内生産。北は山形、南は鹿児島まで約50の産地の職人さんと協業しています。先進国でこれほど布の産地が残る国は世界でもまれなのですよ」と須藤さん。日本のテキスタイルの文様は意味を持つものが多く、そんな先人に倣い「今の私たちが思いを込めた文様があってもいいのでは」と考案したのが写真のスカートの柄。「世界各国のお守りや魔除けをモチーフに。コロナ禍で気分が沈みがちだから、幸運を運び災いから守ってくれるようにと願いを込めた柄なのです」と微笑む。テキスタイルの魅力は"パターンと色と風合い"のバランスが決めるといい、中でも重要なのが手触りと話す須藤さん。「皮膚と布との相性は人によって異なり、化学繊維が合わない人もいれば、ケバの出る天然繊維が合わない人もいる」。布は日常に近い存在だからこそ、上手に付き合うことで暮らしが快適になると教えてくれました。


<壺草苑>
スリットニット 藍×刈安 47,300円
□伊勢丹新宿店 本館7階 呉服
※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります。
発酵の力で完全循環する日本だけの天然藍染色
青梅市の<壺草苑>は、江戸時代から続く技法の藍染を貫く工房。「工房では藍師さんから購入した蒅に小麦ふすまと日本酒、灰汁(木灰を水に溶いた上澄み液)、石灰を加えて1週間発酵させ、藍染の染液を作ります。これが江戸時代から続く"天然藍灰汁醗酵建て"です」。手間も費用もかかるため、明治以降は化学染料が主流に。それでもこの技法独自のよさがあると、<壺草苑>4代目の村田敏行さん。「天然藍は、染め重ねることで"ジャパンブルー"と呼ばれる深い青が出ます。綿や麻などの天然繊維しか染められませんが、ほぼ色落ちしません。また化学薬品を一切使わないので、使い終わった染液は工房隣の畑に撒いて肥料にしています。世界にも類を見ない完全に循環可能な染料なのです」。洗いを重ねるから着心地が軽くてリラックスできる藍染や草木染め。「これからも天然染色は守りつつ、若い世代も着たくなる商品を充実させていきたい」と話す村田さん。オーガニックコットンなどSDGsの観点での素材選びにもこだわっていきたいそうです。
<壺草苑>Japan origin blue
□2021年10月27日(水)〜11月2日(火)
□伊勢丹新宿店 本館7階 呉服


<むす美>
ふろしき「鈴木マサル FRUIT FARM」1,980円
ふろしきパッチン 2,970円
<フィンレイソン>ふろしき
「CORONNA」660円
「OPTINEN OMENA」1,100円

01.<むす美>
ふろしき「鈴木マサル FRUIT FARM」1,980円[商品を見る]
ふろしきパッチン 2,970円
<フィンレイソン>ふろしき
02.「CORONNA」660円
03.「OPTINEN OMENA」1,100円
□伊勢丹新宿店 本館7階 呉服
※掲載商品の一部は店頭のみのお取り扱いとなります。
海外にも広がっている“魔法の布”ふろしきの文化
「ふろしきは、変幻自在の"魔法の布"なんです」とは、京都発の風呂敷専門<むす美>の山田悦子さん。「サブバッグにしたり、ギフトを包んだりするほか、羽織ったり敷いたりもできる。そのうえ使い終われば畳めてかさばらない。日本古来の文化として今や海外にも広がっています」。<むす美>では現代のライフスタイルに合わせたデザインを追求し、<ミナペルホネン>やテキスタイルデザイナーの鈴木マサルさんなど、クリエイターとコラボしたモダンな柄も発売し人気を集めています。「広げたときと包んだときでは、見えるデザインが変化します。その変化がふろしきならではの魅力でもあります」と山田さん。絹や麻、デニム、オーガニックコットンなど素材もバリエーション豊かで、撥水加工を施したものはアウトドアでも便利。
伊勢丹新宿店でも「ふろしき部」を結成し、その魅力を発信していきます。
ISETANふろしき部
□2021年10月13日(水)~10月26日(火)
□伊勢丹新宿店 本館7階 呉服

OZmagazineってこんな雑誌
「よりみち」で、いい1日を。
オズマガジンは、東京の町のおでかけ情報と方法をご紹介する“よりみち”ガイドブックです。目的地への最短距離を効率的に進むのではなく、知らない路地を歩くワクワクや、ふらりと入った喫茶店の店主との会話、そんな“よりみち”の豊かさを提案しながら、読者へいい1日をお届けします。

オズマガジン11月号(10月12日(火)発売)では、伊勢丹新宿店本館フロアをめぐりながら「テキスタイル」を楽しめる特集を掲載。こちらの雑誌は10月13日(水)〜10月19日(火)の期間中は伊勢丹新宿店本館3階 プロモーションでも販売いたします。
※価格はすべて税込です。
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※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。
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