ホームメイドで楽しむチョコ×ミント、そしてチョコ×ストロベリー 樋口直哉さんの『料理のツボ』

2022.1.20 UP

チョコレートのシーズンです。カカオから生み出されるショコラティエたちのチョコレートは魅惑的ですが、市販のチョコレートの特性を生かしたこんなホームメイドチョコレートはいかがでしょう?家族で素敵なひとときをお過ごしください。

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2月はチョコレートの季節。総務省の家計調査でも2月のチョコレートへの支出額はそれ以外の月の2.8倍に増えるなど、その傾向ははっきり見られます。高級チョコレートもいいですが、家「ならでは」のチョコレート菓子も魅力的です。今回はミント×チョコレートといちご×チョコレートの2つのレシピをご紹介します。

 

チョコレートはお菓子のなかでも難易度が高いと言われていますが、科学を理解すればかんたんに攻略できます。子供の頃、刻んだチョコレートを湯煎にかけて溶かし、アルミカップなどに流して固めた経験はありませんか?そうして出来上がったチョコレートは市販品とは違い、見た目に艶がなく、手に持った瞬間に溶けて指についたはずです。これはチョコレートが「テンパリング(調温)」されていないことが原因。

 

このテンパリングこそ、チョコレート菓子作り最大の難敵です。テンパリングとはチョコレートに含まれる脂肪球を均質にする作業で、具体的には

 

「製菓用のチョコレートを50℃にあたためて脂肪の結晶を溶かす

かき混ぜながら冷まし、結晶の形成を促す

次に31℃〜32℃まで温度を上げ、それまでに形成されていた不安定な結晶を溶かす」

 

という流れで行います。熟練しないとなかなか難しい作業で「チョコレート菓子は難易度が高い」というのはこの作業のため。しかし、科学を理解しておけば、このテンパリングの作業を省略することができます。ポイントは「製菓用ではない、市販のチョコレート」を使うこと。

 

市販されているチョコレートはもちろんテンパリングされているので、それを慎重に温め、そのままの状態で溶かせばテンパリングが不要なのです。まさにコロンブスのたまご的発想。

 

ミントとチョコレート

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(材料)

ホワイトチョコレート 100g

ミントの葉      適量

 

(作り方)

1     ホワイトチョコレートは細かく刻む。

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チョコレートを刻むときは手の温度で溶けるのを防ぐため、触らないようにしましょう。具体的には右手で包丁を持った場合は左手でその背を抑えて細かく刻んでいきます。

 

2     32℃〜34℃の湯煎にかけ、混ぜながら溶かす。

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ステンレス鍋の湯を34℃まで温めたところに火を止めた状態でチョコレートの入ったボウルを浮かべれば32℃〜34℃の状態を維持できます。

 

3     クッキングシートにミントの葉を並べ、溶かしたホワイトチョコレートをティースプーンで落とす

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数分で固まりますが、それからも状態が安定するには少し時間がかかります。冷蔵庫入れて急冷すると結晶が不安定になるので、涼しいところで気長にかためればパリッとした仕上がりになります。

ミントとチョコレートは「好きな人は好き」という組み合わせ。通常はミントリキュールを使うことが多いですが、穏やかな香りのフレッシュミントを使うと懐かしいけれど、新鮮な味になります。チョコミントがあまり好きではない、という人にこそ試して欲しい小菓子です。

 

 

 

いちごとチョコレート

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材料(2人前)

いちご 4個

ビターチョコレート 100g

 

(作り方)

1     チョコレートは刻み、32℃〜34℃の湯煎で溶かす。

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さきほどはボウルで溶かしましたが、ジッパー付きの袋に入れて溶かすのもかんたん。この方法だとチョコレートを効率的に温められるので、早く溶かせます。

 

2     いちごはよく洗い(特にヘタの部分に土ホコリがついているので注意)、キッチンペーパーなどで水気をふきとり、半分に切る。

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作り方の基本はミント&ホワイトチョコレートと同じ。フレッシュのいちごとチョコレートの組み合わせはまさに瞬間の味で、自作しなければ味わえません。今回はブラックチョコレート(ビターチョコレート)を使いましたが、ホワイトチョコレートを使って2色にしてもかわいいでしょう。

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湯煎の温度がポイントなので、温度計が必要です。精度の高い温度計が1000円以下で買えるので、ぜひ使ってみてください。もしも温度が上がりすぎた場合はテンパリング作業をやり直す必要があります。温度が上がりすぎるのが問題なので、作業は慎重に。とはいえチョコレートはそれ自体が完成した製品なので、失敗はほとんどありません。温度にさせ注意すれば誰が作っても同じようにおいしくつくれるので、子どもたちと一緒に挑戦するのも楽しいでしょう。

 

Text & Photo : Naoya Higuchi

 

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