お家中華の定番に!しっとり系翡翠(ひすい)チャーハンが美味。お手軽チャーシューの作り方! ―樋口直哉さんの『料理のツボ』―

2022.03.15 UP

パラパラ派かしっとり派かで盛り上がるチャーハン談義ですが、樋口流はパラッとしっとり。お米の炊き方とラード使いにご注目ください。

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手早く出来て、おいしいチャーハンはランチの味方。町中華風のこってり味から中華料理店の〆に供される軽いチャーハンまで、味やバリエーションも様々。

 

今回、伝授するチャーハンはほうれん草がたっぷりはいった「翡翠チャーハン」です。タイプ的にはしっとり派に属します。昔、中央線沿線で食べた町中華の名店の味を思い出しながら味を組み立てました。チャーハンの上に炒めた卵がトッピングされている豪華バージョンです。

 

 

翡翠炒飯

<材料> 2人前

卵       4個

ご飯     400g

長ネギ    50g(みじんぎり)

ほうれん草  2束

チャーシュー 50g(角切り)

ラード     大さじ2

塩         小さじ1/4

しょう油     小さじ1

<作り方>

1 ほうれん草は根本を切り落とし、洗ってから水気をよく切る。包丁で細かく刻む。卵は2個分を箸で溶いておく。

 

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2 フライパンを中火で熱し、ラード大さじ1を溶かし、卵を入れる。軽くかき混ぜ半熟状態のうちにご飯を加え、混ぜながら炒める。

 

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3 ご飯をほぐしながら炒め、パラパラになったら、ほうれん草、長ネギを加え、さらに炒める。

 

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4 ほうれん草に火が通ると全体に混ざるので、チャーシュー、残りのラードを加え、塩、しょう油で味をととのえ、器に盛り付ける。

 

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5 フライパンにラード大さじ1(分量外)を熱し、卵1個分を溶いたものを加え、ざっくりと混ぜる。半熟状態のうちにチャーハンのうえに載せる。あればチャーシューのたれを少しかけるとよい。

 

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チャーハンの成功を握る、“硬めのご飯”の炊き方  

チャーハンはベタベタした仕上がりになってしまうと失敗。しっとり系とはいえ、チャーハンらしい米の食感を残す必要があります。そのために必要なのは『硬めのご飯』です。

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チャーハンには「パラパラ派」や「しっとり派」など様々な流儀がありますが、ご飯の粘りがなく、パラッとした仕上がりが理想。そのためにはそもそもご飯の状態を調節しておく必要があります。

 

鍋でご飯を炊くときは浸水させず、洗った米をザルに上げて20分〜30分置く「限定吸水」というテクニックを使いましょう。米を浸水させると甘みと粘りが出ますが、ザルにあげておくと米が中心まで水を吸わないので、ぱらりとした炊きあがりになります。さらに水も通常の1割控え目(2合に対して400ml→360ml)にすると、炒めやすくなります。この炊き方は酢飯を作る際にも使うので憶えておいてください。

 

炊飯器の場合は米をザル上げし、水量を控え「早炊きモード」で炊きましょう。この工程を踏めばチャーハンづくりは成功したも同然です。

 

簡単に作れる、自家製チャーシュー

チャーハンはベタベタした仕上がりになってしまうと失敗。しっとり系とはいえ、チャーハンらしい米の食感を残す必要があります。そのために必要なのは『硬めのご飯』です。

まず「ローストポーク 完全マニュアル」の回と同様に、〈I’S MEAT SELECTION〉で豚肩ロース300g〜400g程度の塊を買ってきます。

 

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鍋に豚肩ロースと1ℓの水を入れ、強火にかけます。沸いてきたらアクを取り除いてから弱火に落とし、45分間、ことこと茹でましょう。

 

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茹でた豚肉はジッパー付きのビニール袋などに移し、しょう油大さじ2と砂糖大さじ2を混ぜたタレに漬け込みます。一晩置くのが理想ですが、1〜2時間でもかまいません。

 

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袋から肉を取り出し、フライパンにタレを移し、中火で30秒〜1分ほど煮詰めます。

 

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タレを塗り、230℃のオーブンで10分ほど焼けばチャーシューの出来上がりです。

 

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豚肉を一度茹でてあるので、食べやすくなっているはず。こうして作ったチャーシューは薄切りにしてそのまま食べてもよく、冷凍もできるので作っておくと便利です。

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さて、町中華風のしっとりチャーハンはどうやって実現すればいいのでしょうか。秘密の材料が「ラード」です。このラードがしっとりとした仕上がりを生むのです。かといって油を足しすぎると脂っこい仕上がりになります。その点、この翡翠チャーハンはたっぷり入れたほうれん草が緩和してくれるので、いくらでも食べられる軽やかな味になります。野菜も摂れて一石二鳥。

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最初に加えた卵はご飯の周りをコーティングして、パラパラにする役割があり、あとから載せた卵は具材としてコクを与えてくれます。卵はとろとろ、ご飯はしっとり&ふっくらというのが理想です。ほうれん草は細かく刻めば刻むほどきれいな緑色が出ますが、あまり細かくしすぎないほうが味はいいようです。休みの日のお昼ごはんにぜひ挑戦してみてください。

 

Text & photo: Naoya Higuchi

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