私の産後の過ごし方~男性の育休編~|「トツキトオカ」体験記Vol.4【三越伊勢丹こそだてコラム#08】

私の産後の過ごし方~男性の育休編~|「トツキトオカ」体験記Vol.4【三越伊勢丹こそだてコラム#08】のメインビジュアル

妊娠から出産まで、ママになるまでの「トツキトオカ」をサポートするための情報をお届けする【三越伊勢丹こそだてコラム】。バイヤーの渡邊 千尋による「出産準備セミナー」と、ベビー子供フロアの現役ママスタッフ3名による「トツキトオカ体験記」を交互に連載します。第8回目は2020年4月に出産、2021年4月に育休明け職場復帰したばかりの現役ママスタッフ、山下が「私の産後の過ごし方~男性の育休編~」についてお伝えします。

そもそも男性でも育児休業をとれるの?

我が家は、産後すぐに夫が3カ月の育休を取得。新米パパ・新米ママ業同時スタート・二人三脚の子育てでした。今はコロナ禍ということもあり「実家に帰りづらい」方や、ご両親の定年延長により「両親が仕事で忙しく産褥期のケアを頼めない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか(私はまさに後者のパターンでした!)

まだまだ取得率の低い「男性の育休」ですが、メリットはたくさん!今回は、育休制度についてやパパの育休取得にあたっての体験記をお話しします。産後の過ごし方に関して迷っていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
※約1カ月後のトツキトオカvol.5では「私の産後の過ごし方~里帰り編~」をお届けします!

「そもそも男性でも育児休業をとれるの?」
結論から申しあげますと、とれます!育休制度自体は女性だから取得ができる制度ではなく、性別関係なく取得可能な制度です。そして実は、「日本の男性育休制度」は世界一!(注1)
名だたる先進国を抑え、堂々たる1位を獲得しています。日本は、父親に認められている育児休業の期間が41か国中第1位(最も期間が長い国)。6カ月以上の父親育休制度を整備している唯一の国として評価されています。
(注1)参考:ユニセフ2019年「先進国における家族にやさしい政策」

とはいえ、まだまだ馴染みの薄い男性育休。よく知らないからこそ取得検討されない、かつ誤解も多いのが現状です。体験記に入る前に、特に多い誤解3点と実際の制度に関して、簡単ですが説明します。

誤解 1「会社に制度がなくて取得できない・・・」
⇒育児休業の取得は法律で定められています!
育児・介護休業法第五条では「労働者の申し出により、育休を取得できること」、第六条では「申し出があった場合は、それを拒むことはできないこと」が明記されています。育児休業は、企業の規模・就業規則・性別に関係なく労働者なら誰でも取得が可能な、法律で保障された権利です。
※正社員・非正規社員ともに就職した会社に1年以上在籍が必須、など事情により取得が困難な場合もあります。

誤解 2「長期間休むなんて金銭面が不安・・・」「会社に金銭的負担をかけたくない・・・」
⇒休業中の6カ月間、休業開始時の賃金の67%が雇用保険から給付されます!

6カ月以降~1歳の誕生日の前々日までは50%給付されます。
※受給には用件を満たす必要あり
※支給限度額には上限あり

加えて、育児休業取得期間中は、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。育休6カ月以内なら、収入の8~9割は確保できます!給与から天引きされている雇用保険から捻出されるので、会社側の金銭的負担はありません。(男性社員が育休を取得し、一定の条件をクリアした企業が申請した場合、「両立支援等助成金」が支払われることもあるようです!)

誤解 3「共働きじゃないと男性育休をとれないのでは・・・」
⇒専業主婦家庭でも取得が可能!

ママの就業の有無に関係なく、育休は取得できます。専業主婦であろうと会社員であろうと、出産前後のママは「家にいる」状況であり(会社員の場合でも産前6週間は任意で休暇取得、産後8週間は働くことが法律で禁止)、出産直後の家事育児タスク量に差はありません。産後うつのリスクも同じです。
※もちろん専業主夫家庭におけるママも、育休取得は可能です。

また、これは男性育休ならではの制度ですが子の出生後8週間以内にパパが育児休業を取得した場合(かつ育児休業を8週間以内に終了している場合)、育休を2回取れます!通常、育児休業の取得は原則1回までですが、上記要件を満たしている場合は特別な事情がなくても再度育児休業が取得できます。産後2カ月以内に1回目を取得し、ママが復職するタイミングで再取得も可能なのです。

そもそも男性でも育児休業をとれるの?の画像

パパの育休取得のきっかけ

では我が家はどんなきっかけで取得に至ったのかをお話しします。

きっかけは友人の実体験
我が家は両実家に産後頼ることが難しく、妊娠が発覚した直後から『産後の体調って相当大変だと聞くけど、頼れる実家もなしに実際どう過ごせば・・・?』と漠然と悩んでおりました。そんな妊娠2カ月頃、夫から「育休を取得しようと思う」という相談を受けました。ちょうどその頃、夫の友人で実際に育休を取得したパパがいたのがきっかけです。そちらのご夫婦も両実家に頼ることができなかったため、「それならパパが育休をとって産褥期のママと新生児のお世話しよう!」とパパの育休取得に至ったようです。

「パパ育休」を思いつかなかった我が家は目から鱗。状況がまったく同じだったこともあり、その友人に実際取得してみてどうだったかの話を聞き、前向きにパパの育休取得を検討し始めました。「男性でも育休取得は可能」とは知っていましたが、身近に取得した人がおらず、自分たちには程遠い制度だと思ってました。実際に取得した人から話を聞くことで、やっと「自分たちも使える制度」として認識できたと思います。

取得はしよう、じゃあ期間は?
制度に関して調べはしたものの、収入面などで若干の不安が残っていました。(こればかりは実際に経験するまで払拭はされませんでした)そんななか、夫から「育休は3カ月取得で考えてる」と言われ、『そんなに長く?!』と私のほうが驚きました。夫は元々在宅勤務の多い仕事だったので 、『在宅勤務しながらでも子育てできるのでは?』『産褥期はだいたい1~2カ月と言うし、そんなに長く休んでもやることないのでは?』と私の方が夫の育休期間に対して賛成しかねていました。(産後当事者になって初めて分かる、この時の私の考えの甘さ!)最終的には本人の希望に合わせ、我が家はママは1年、パパは3カ月の同時育休取得となりました。

パパの育休取得のきっかけの画像

パパの育休中にできることって?取得してもらえてよかったこと

産後のママに代わってできることはたくさんあります!身も蓋もない書き方になりますが、授乳以外全部!です。ママにしかできないことは授乳以外ありません。オムツ替えもミルクも沐浴も家事も全部パパがやっても問題ないのです。(だからこそ代行職が存在するわけですね!)
赤ちゃんのお世話なんて夫婦共々初めて。たとえ育児書や両親学級でいろいろと学んでいても、想定外のことが起こり続けます。赤ちゃんのお世話は、人手が多くて困ることはないなと実感しました。
 
我が家は「共倒れしないこと」を大前提とし、
・夜勤交代制の導入
・産褥期はママの家事負担0、育児はシェア

の2点を産前に話し合って決めました。

夜勤交代制
以前のコラムでも触れておりますが、新生児期の赤ちゃんは小刻みに睡眠⇔起きる(泣く)を繰り返します。3時間(以下のときも多々あり)おきに泣いては授乳、オムツ替えをし、寝かしつけに奮闘するもなかなか寝ず・・・というお世話する側の体力が削られる生活サイクル。「赤ちゃんと別室で寝られる時間を双方確保」できるように、夜勤交代制をとっていました。


午後8時 授乳が終わり次第、ママは別室で集中入眠。パパはリビングにいる娘の側で待機しながら、寝かしつけや家事など。
午後11時 一旦ママ起床、授乳。その後再度ママ睡眠、パパは引き続き待機。
午前2時 授乳後、娘はママと寝室へ移動。パパは別室で集中入眠。

どちらかがお世話に集中し、どちらかが集中して休む(寝る)ことができるようにしていました。(入院中は母子同室で常に赤ちゃんと一緒だったので、赤ちゃんと別室で寝るだけでこんなにぐっすり眠れるのかと感動しました)交代制にあたり、育児記録共有アプリを活用。アプリ上でオムツ替えや授乳・睡眠時間の共有などの引き継ぎができるようにしていました。

産褥期はママの家事負担0、育児はシェア
私は産後の経過は良好な方でしたが、産前の体力まで回復するには、やはりかなりの時間がかかりました。産後1カ月は娘のお世話以外はひたすら寝させてもらい、体力の回復に努めていました。きちんと寝られたおかげで徐々に体力も回復していき、大きなトラブルもなく産褥期を終えることができたと思います。ただ、そんな万全のサポート下でも、産後うつは他人事ではないなと思うことも多々ありました・・・。体力が回復してきたあたりから徐々に家事や運動(散歩)も始め、パパの育休が終わる頃には産前と同じ生活を送れるようになりました。このような形で3カ月間夫婦二人三脚の育児をしていました。

パパの育休中にできることって?取得してもらえてよかったことの画像

育児は育休終了後も勿論続くもの。育休によって夫婦で育児に完全集中できたのは3カ月ですが、同じ目線で子育てをした3カ月があったからこそ、その後も子育てに対する考え方、捉え方が夫婦対等になれたと思います。夫自身も、娘と新生児期から一緒に過ごせたことにより娘に対する愛情が増していました。娘の日々の小さな成長を夫と一緒に見守ることができてとても嬉しかったです。冒頭で「二人三脚の子育て」と書きましたが、二人三脚は今でも続いていると思っています。

前述したユニセフ報告書でも、男性の育児休業制度はパパと赤ちゃんとの絆を深め、乳児・子どもの健やかな成長、母親の産後うつ症状の軽減、ジェンダー平等の促進に貢献すると述べられています。ママの負担軽減だけでなく、パパ自身にもメリットの多い男性育休。ただ、制度が整っていてもメリットが大きくても、まだまだ取得率が低いのが現状です。我が家も身近に育休取得した友人がいなければ、取得に至ってなかったかもしれません。もしこの体験記を読んで、パパの育休取得をされた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、次の世代につなげていってほしいなと思います。

外出もままならないマタニティ時期、子育て真っ最中のお客さまに、お家にいながらお店にいるようなお買い物体験が叶う三越伊勢丹リモートショッピングアプリがおすすめです。

次回の【三越伊勢丹こそだてコラム】は、ベテランバイヤーによる出産準備セミナー「心と体の出産準備」をテーマに妊娠期間中のママの体の変化やおなかの中で育つ赤ちゃんの様子についてお伝えします。

※個人の体験記です。

伊勢丹新宿店ベビー&キッズInstagramでは、パパママに向けたマタニティ・ベビー・キッズまでの幅広い情報をいち早くキャッチアップ!おすすめのアイテムやギフトに関する情報を毎日発信しています。

マタニティから出産準備の商品やサービスについてのご相談は三越伊勢丹リモートショッピングアプリ内チャットにてお問い合わせください。