<フリッツ・ハンセン>×baanai
反復する文字の強さが、家具をアートに。

photo by TAKEMI YABUKI
「ARIGATOUGOZAIMASU」という言葉を描き続けているbaanaiさん。アートの世界において、そのアプローチは独特です。<フリッツ・ハンセン>とのコラボレーションでも、反復し、対象を埋め尽くす文字の強烈さが、ひときわ心に残ります。

1977年、神奈川県藤沢市鵠沼生まれ。baanaiさんのアーティストとしての経歴は、2015年に<コム デ ギャルソン>の川久保 玲氏にポートフォリオを送り、作品が採用されたところから始まっています。一躍注目されるようになった後、多くのブランドに起用され、次々に個展を成功させました。一方、baanaiさんはひたむきに、愚直に、自身のアートを追求しました。執拗なまでに反復された文字によって画面全体を埋め尽くした作品は、何層にも塗り重ねられ、観る者を奥へ奥へと引き込みます。そこには、かつて抑圧された作家のアートへの欲動、そして現在も活動の拠点とする藤沢市鵠沼のサーフィン文化、数々のコラボレーションなどが反映されているのです。<フリッツ・ハンセン>とのコラボレーションでは、アルネ・ヤコブセンの椅子をキャンバス代わりに独自の筆致でぎっしりと文字が描かれました。<フリッツ・ハンセン>というブランド名に加え、キーワードである「EXTRAORDINARY DESIGN」や創業年の「1872」などのフレーズが見えます。
※本企画は、終了いたしました。
FRITZ HANSEN 150th Celebration
三越伊勢丹オンラインストア先行販売
<フリッツ・ハンセン>×baanaiのコラボレーション商品の、三越伊勢丹オンラインストアでの先行販売はございません。
店頭販売に先がけ、一部商品詳細をデジタルカタログにてご覧いただけます。
※詳細はこちらをご覧ください。
店頭イベント情報
□2023年6月7日(水)~6月13日(火)
□伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
今まで家具に作品を描いたことはありましたか?
自宅にある廃材でつくったテーブルに描いたくらいで、今回のようにきちんとした家具は初めてです。ただ、家具は以前から好きで、そのテーブルの経験もあり、漠然といつかやってみたいと思っていました。
<フリッツ・ハンセン>のどの家具にするかは、どうやって決まったのでしょうか?
<フリッツ・ハンセン>のショールームに行って、いろいろとお話を聞いて、名作と言われるものにしようと思いました。最初は自分の作品をもとにつくったファブリックを椅子の張り地にすることも考えましたが、家具でありアートでもあるものがつくりたくなって、直接描くことにしました。
アルネ・ヤコブセンの「スワンチェア」や「エッグチェア」といった椅子を選んでいますが、どれも曲面が特徴ですね。
前・後ろ・裏側と全面に文字を描いているので、大変なところもありました。スワンの座面の奥のあたりは、普段の描き方だと腕が届きません。ドロップチェアのような形は描きやすくて、横にするのも簡単なんですが。描くときはアクリル絵具を使い、定着しやすくヒビが入りにくいようにメディウムを混ぜています。
このような文字は、いきなり描き始めるのでしょうか?
50号のキャンバス1枚を今回のために用意して、毎日、同じ言葉を繰り返し何回も重ねて描き続けました。僕の場合、手に慣らさないと描けないんです。今回限りの特別なものにしたくて、文字はまずブランド名の「FRITZ HANSEN」を決め、バランスを考えて他の文字も欲しいと思い、ブランドのキーワードである「EXTRAORDINARY DESIGN」や創業年の「1872」も加えました。最初は文字が整列するように描いていましたが、ちょっとズレるほうがかわいいなと思えたり、徐々に変化していくんです。「d」は小文字がいいとか、横向きの字があるほうがいいとか・・・。
キャンバスで繰り返すのは、単に試し書きではなく大切なプロセスなんですね。
下書きはしないタイプなので、思い通りに描けなくても直すことはできないし、時間的なリミットもあり、緊張します。ただ集中しすぎて間違っちゃうこともあるんです(笑)。今回も間違えている文字があるかもしれません。

実際に家具に描いてみた感想は?
曲面に描く大変さはありましたが、エッグやスワンのレザーは描き心地がすごくよかった。絵の具がスーッと伸びていく感じがキャンバスとは全然違って、なかなかできない経験になりました。「ドロップチェア」などの小さめの椅子と、エッグチェアのような大きい椅子で、向かった時の気持ちは同じです。どう置いて、どう描くかといった技術的なところが違うだけです。
以前から<フリッツ・ハンセン>はご存知でしたか?
詳しいわけではないのですが、いつか欲しいと思っていた家具ブランドでした。家具は昔から大好きなんです。ショールームに行った時に新しいスペース用の家具も選ぶことになりました。「アルファベットソファ」と、今回の題材でもあるアルネ・ヤコブセンの「グランプリチェア」です。

使い心地はどうですか?
外のグリーンが見えるように、ソファは窓に向けて置いています。その配置にすると、後ろから見た時のシルエットがとても美しく見えます。もちろん座り心地も気に入っています。グランプリチェアは、ヴィンテージの丸い木のテーブルに合う椅子を探していて、あのフォルムがぴったりだと思いました。脚が木なのもいいですね。
これから欲しい家具はありますか?
今回、描くために送られてきたエッグチェアをリビングの真ん中にしばらく置いていたら、欲しくなってきました。なくなるのが寂しいですね。
協力:MAKI Gallery
FRITZ HANSEN 150th Celebration
<フリッツ・ハンセン>×baanaiのコラボレーション商品の、三越伊勢丹オンラインストアでの先行販売はございません。
店頭販売に先がけ、一部商品詳細をデジタルカタログにてご覧いただけます。
□2023年6月7日(水)~6月13日(火)
□伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
※事前の入場予約・購入についての注意事項・イベント案内などの詳細は、2023年5月24日(水)から、特設ページにてご案内を予定しております。
※掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。