<天童木工>TENDO IN JAPANESE MODERN

<天童木工>TENDO IN JAPANESEMODERNのメインビジュアル

無垢材では表現が難しいデザインを実現する技術「成形合板」のパイオニアとして、日本の家具ブランドで存在感を放つ<天童木工>。かねてより、剣持 勇をはじめ、さまざまな建築家やデザイナーらクリエイターとコラボレーションを重ね、日本の“住まい”と“暮らし”に新しい風を吹き込んできました。
2024年夏、伊勢丹新宿店で開催した「SHAPE OF TENDO かたちにする。」にて、サカナクション・山口 一郎氏の想いを形にした特別なアイテム『YIスツール』が誕生。
今回、“黒”を纏った『YIスツール』の登場とともに、剣持 勇デザインの美意識に深く共鳴する山口氏の想いに応える形で、この度の『デスク Revival Edition: Isamu Kenmochi Design』の製作が実現しました。<天童木工>が可能にする木工技術と、山口氏のこだわりをかけ合わせた魅力あふれる作品をぜひご覧ください。

<天童木工>TENDO IN JAPANESE MODERN

店頭会期
□2025年2月19日(水)~2月25日(火)
□伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク

三越伊勢丹オンラインストア 販売会期
□2025年2月19日(水)午前10時~3月18日(火)午後11時59分

現代のクリエイターと<天童木工>の共演

2024年夏、伊勢丹新宿店にて開催した「SHAPE OF TENDO かたちにする。」は、現代のクリエイター4名と<天童木工>がコラボレーションし、それぞれの想いや願いを新たな家具づくりに反映させる試みでした。

その中で、サカナクション・山口 一郎氏が望んだのはフレキシブルな用途を持つ“スツール”という家具に、ジャパニーズモダンのエッセンスを織り交ぜたもので、彼の想いを形にした特別なアイテムが『YIスツール』でした。何度もやり取りを重ねる中で、カラーリングは材料であるチーク材の美しさを最も活かす形で仕上げられました。
この度の企画では、新たに“黒”を纏った『YIスツール』が登場します。実のところ、“黒”は山口氏が「自分用に欲しい」と希望したカラーリングでした。間違いなく良いものになると確信した<天童木工>の担当者が、ぜひ販売させて欲しいとリクエストしたことで今回の企画が実現しました。

  • YIスツールの画像

    YIスツール

  • YIスツールのクロースアップ画像

  • YIスツールのクロースアップ画像

“黒”に塗装しながらも材料の質感が感じられる仕上がりです。
サカナクション・山口 一郎氏の世界観を“色濃く”表現した『YIスツール』、ぜひ会場で直接ご覧ください。

剣持 勇の「デスク」リバイバルに対する山口 一郎氏の熱い想い

『YIスツール』開発の打合せの最中に山口氏がふと語ったこと、それはかつて剣持 勇によってデザインされた「デスク」に対する熱い想いでした。
ジャパニーズモダンに傾倒し、家具の収集を通して山口氏は、剣持 勇のデザインが放つ美意識に深く共鳴していました。ジャパニーズモダンに強く惹かれる山口氏が長年探し求めている家具の一つで、装飾を入れない直線的で合理的なフォルムは、当時のモダニズムムーブメントを彷彿とさせます。この「デスク」は元々個人向けに販売されたものではなく、市場に出回るヴィンテージ品も極めて少ないため、彼にとって“発見”すること自体が一つの夢だったのです。
山口氏の想いに応える形で、<天童木工>は現在の剣持デザイン研究所と協議を重ね、この度の「デスク」製作が実現しました。ヴィンテージ品にはない輝きは、使い手が家具とともに新たな時を刻み、その価値を育てる悦びを与えてくれます。

  • デスク Revival Edition: Isamu Kenmochi Designの画像

    デスク Revival Edition: Isamu Kenmochi Design

  • デスク Revival Edition: Isamu Kenmochi Designのクロースアップ画像

サカナクション 山口 一郎氏のプロフィール画像

山口 一郎/Ichiro Yamaguchi
「サカナクション」として、2007年にメジャーデビュー。
文学的な表現の歌詞と、幅広い楽曲のアプローチは新作をリリースするたびに注目が集まり、第64回NHK紅白歌合戦に出場、第39回日本アカデミー賞にて最優秀音楽賞をロックバンド初受賞するなど、その活動は高く評価されている。

2021年11月に行ったオンラインライブでは、2日間で5万人の視聴者を集めた。2024年には15万人規模の全国アリーナツアー「SAKANAQUARIUM 2024 “turn”」を成功裏に終え、2025年1月から全国ホールツアー「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」を開催中。

2015年から音楽とさまざまなカルチャーが混ざり合うコンテンツを企画するプロジェクト「NF」をスタートさせ、2023年には作り手とコラボレーションし、製造背景にもフォーカスをあて発信するプロジェクト「yamaichi」を発足。同年3月には初の単著『ことば 僕自身の訓練のためのノート』、2024年に同シリーズ2作目を刊行するなど、多様な活動を行う。

「デスク」リバイバルへの想い

新しさを感じる時、なぜか同時に懐かしさが僕に覆い被さってきます。
その「懐かしさ」を探求し、その根本となるプロダクトを見つけた時、いつも絶望するのです。
「もう手に入らないんだなぁ」と。

音楽であれば、またそれを聴くことができます。
レコードや、インターネットで。
だが物はそうはいかない。
実際に手に入れなければ、使えないからだ。

使わなければ、部屋にそれを置いてみなければ、そのプロダクトを知ったことにならない。

<天童木工>の歴史上、幾多と生まれてきた名作。
今は当時のカタログの中でしか知ることができない家具たち。

それを今の<天童木工>の技術や感覚でリプロダクトし、僕らの空間へ戻したい。

それによって、オリジナルのプロダクトの素晴らしさ、<天童木工>の歴史、デザイナーのルーツをもっと知ることができると、そう思っちゃったんです。

今回、<天童木工>、剣持デザイン研究所の協力とご理解を得て、この企画を実現することができました。

ほかにもこの時代に戻してみたい作品がたくさんあります。
どうかそれも実現しますように。

サカナクション
山口 一郎

  • サカナクション 山口 一郎氏の画像

剣持 勇のジャパニーズモダン

1950年代、日本の近代インテリアデザインを切り拓いた剣持 勇はデザイン理念としての『ジャパニーズモダン』を掲げ、日本の文化・伝統・生活様式とモダニズムを結びつけた新たな価値を見出しました。時代に応じた工法や材料にクリエイターたちの日本的な感性を加えたデザインを、彼は「日本における今日のよきデザイン」とあらわし、世界が共鳴する美意識にまで高めました。
この理念は家具だけにとどまらず、日本の居住空間の在り方や、後のデザイン界に大きな影響を残しました。それらは後進のデザイナーたちに受け継がれ、日本のデザインの国際的評価へとつながる道筋を切り拓く原動力になったのです。

デザイナー・剣持 勇と<天童木工>

剣持 勇が生み出すデザインは工業デザイン的な視点と建築的な視点を兼ね備えています。また、時にはグラフィックデザインも手がけ、またある時にはプロジェクト全体のアートディレクションまで担うこともありました。こうした幅広い視野を持つ剣持は同時代のデザイナーの中でも際立つ存在でした。
例えば、彼が手がけた家具は、空間との調和だけでなく、使う人の動作や触感への配慮がディテールにまで行き届いていると言われています。そんな剣持と<天童木工>は、多くのプロジェクトを共に手がけ、深い信頼関係を築きました。剣持からの難しい要求に応える中で、職人たちは挑戦を重ね、彼の理念を具現化する重要なパートナーとして数多くのプロダクトを世に送り出しました。

  • チェントロ イージーチェア/ハコ イージーチェア/柏戸イスの画像

    ハコ イージーチェア/柏戸イス/チェントロ イージーチェア

デザイナー・豊口 克平と<天童木工>
~スポークチェア ブラック×ラフ・シモンズ~

本企画では、“黒”の『YIスツール』や、『デスク Revival Edition: Isamu Kenmochi Design』のほかにもジャパニーズモダンを彩る名作家具が登場します。
剣持 勇がかつて在籍した国立工藝指導所の同僚に豊口 克平がいました。剣持と同じくブルーノ・タウトに師事し、日本のデザインの礎を築いてきたデザイナーのひとりです。人の身体的な特徴や行為を研究し、日本人が使いやすいデザインを追求した豊口が集大成として発表した椅子が「スポークチェア」でした。広くゆとりのある座面は座る体勢を決めつけず、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
イギリスのウィンザーチェアをベースに、そのエッセンスは日本の暮らしに融合し、和洋さまざまな空間にマッチします。現在ではジャパニーズモダンを象徴するプロダクトのひとつに数えられています。

  • スポークチェア ブラック×ラフシモンズの画像

    スポークチェア ブラック×ラフ・シモンズ

  • スポークチェア ブラック×ラフシモンズのクロースアップ画像

本企画では、特別仕様として意匠上のポイントでもある“スポーク”がより際立つ黒色モデルを販売します。黒色に仕上げられたことで、モダンデザインとしての特徴を際立たせています。また、今回限りの限定仕様として、デンマークを代表する張地ブランド<KVADRAT/クヴァドラ>と<RAF SIMONS/ラフ・シモンズ>のコラボレーションによる張地を使用した特別なモデルを用意しました。<クヴァドラ/ラフ・シモンズ>のテキスタイル「Vanir」と「Sonar3」を採用。60年の歳月を経たスポークチェアに現代的な価値を落とし込んだ新たな世界観がご覧いただけます。

<天童木工>のものづくり

<天童木工>は、家具づくりをスタートさせた1940年代から現在まで、多くのクリエイターと協働を続けてきました。理想に燃えるクリエイターたちからは、実現不可能とも思える要求が投げかけられることもしばしば。職人たちは、決して「できない」とは言わず、挑戦を続けてきました。
たとえば、<天童木工>を象徴するプロダクト、柳 宗理の「バタフライスツール」は、完成までに3年もの月日を要しています。
また、丹下 健三のイージーチェア(T-7304)、通称『ダッコちゃんイス』は、その豪快なフォルムから、盟友である剣持 勇にも「無理だ」と言われたという逸話が残っています。このような難題を克服したのは、職人たちがデザインと技術に真正面から向き合い続けた結果でした。
『ジャパニーズモダン』の名作たちは、職人たちが愚直に目の前の仕事を黙々と繰り返すことによって生み出されてきたのです。

  • 職人のイメージ画像

世代を超える<天童木工>の家具づくり

<天童木工>は1940年に地元の職人たちによって結成され、創業当初は軍用の木製弾薬箱などを製作する小さな組合でした。大戦末期に“おとり飛行機”の製作指導を剣持に仰いだことをきっかけに深い協業関係を築くこととなります。
剣持 勇が提唱した『ジャパニーズモダン』は、日本の文化や伝統をモダニズムと結びつけ、新しい価値をもたらすものでした。この理念は<天童木工>のものづくりに深く根付き、今なお職人たちの手仕事に活かされています。細部まで配慮が行き届いた家具づくりを重ね、今日も天童の地では世代を超えて愛される家具が生み出されています。

  • 治具置き場の画像

店頭販売のご案内

TENDO IN JAPANESE MODERN
□2025年2月19日(水)~2月25日(火)
□伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク

【会場限定特典】
本企画商品を、税込110,000円以上ご購入のお客さまに<天童木工>オリジナルペントレイを差しあげます。商品お届け時に同送させていただきます。

三越伊勢丹オンラインストア販売のご案内

□2025年2月19日(水)午前10時~3月18日(火)午後11時59分

※各商品ページの「ご購入に関する注意事項」を必ずご確認ください