受け継がれるブランドのDNA。ブランド名品図鑑3

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世界で愛され続け、憧れの存在、そしてブランドの象徴でもあり続けるラグジュアリーブランドのアイコニックなアイテムたち。その存在は、「名品」と呼ぶにふさわしいクオリティを備えています。今回は、ブランド創立以来受け継がれてきたブランドのDNAにフォーカス。時代が変わり人が変わっても守られ続けるブランドのアイデンティティをご紹介します。

<Maison Goyard/メゾン・ゴヤール>のゴヤールディンキャンバス

  • <ゴヤール>商品画像

    左から
    アルトワMM 312,400円
    タテ30×ヨコ50×マチ17cm
    クールルバンマーカージュ 71,500円
    サン・ルイPM 199,100円
    タテ28×ヨコ34×マチ15cm
    クールゴヤールマーカージュ 44,000円
    □伊勢丹新宿店 本館4階 インターナショナルラグジュアリー

引き継がれる<ゴヤール>のものづくり

フランスの老舗である<メゾン・ゴヤール>は、どの年代からも支持されているメゾンの一つであり、シンプルなデザインやカラーが人気です。
<メゾン・ゴヤール>の歴史は、トランクや衣装ケースなどを製作していたピエール・マルタンによって<メゾン・マルタン>が創業された1792年まで遡ります。その後、その確かな技術をフランソワ・ゴヤールが引継ぎ、1853年<メゾン・ゴヤール>が誕生し、職人気質のブランドとして「本物」を作り続けます。それから、約40年の時を経てブランドを最も象徴すべきものが、フランソワの息子であるエドモン・ゴヤールにより生み出されることになります。それが、現在もブランドの顔となっている「ゴヤールディン」というシグネチャーです。

変わらないから愛される、愛されるから変わらない

<メゾン・ゴヤール>の代名詞といえば、何といってもYのイニシャルをかたどった「ゴヤールディンキャンバス」です。その特徴は、コットンや麻などの天然素材を使用した耐久性に長けた生地にあります。1900年頃エドモン・ゴヤールによって考案されたこのデザインは、上流階級の人々の間で瞬く間に広まりました。それから現在に至るまで、丈夫な生地と独自のヘリンボーン柄により流行に左右されず、長く愛用できるということから多くの幅広い層から支持を得ています。そしてもう一つ人気を博しているのが、「マーカージュ」。<メゾン・ゴヤール>がスタートした1853年以降今も続く伝統の一つで、ペインターである職人たちが、繊細な手仕事と優れた芸術的な感性により、すべて手描きでイニシャルや好きな数字などを入れてカスタマイズできるサービスです。すべてに「本物」を貫くその姿勢は販売にもこだわり、オンラインストアが主流になっている現代においても世界25都市に置いているブティックのみでの販売にこだわり、そのため入手困難なブランドとしても知られています。日本の正規店は大阪・京都・名古屋・東京のみです。

<ETRO/エトロ>のペイズリー

  • <エトロ>ペガソ ペイズリー クロスボディの画像

    ペガソ ペイズリー クロスボディバッグ

    203,500円

    タテ20.5×ヨコ26.5×マチ6cm
    □伊勢丹新宿店 本館4階 インターナショナルラグジュアリー

<エトロ>がなかったら、今のペイズリーは生まれなかった?

ペイズリー柄は、今ではさまざまなブランドから販売されていて一般的な柄ですが、もしも<エトロ>がなかったらそのペイズリー柄は途絶えていたかもしれません。<エトロ>はミラノ発のラグジュアリーブランドで、一目で<エトロ>と分かるペイズリー柄と大胆な色使い、そして個性あるコレクションが特徴です。一見トラディショナルなジャケットも裏地がペイズリー柄であったり、シンプルなシャツにペイズリー柄が表現されていたり、ペイズリーといえば<エトロ>というのが世界中で認知されています。<エトロ>とペイズリー柄の繋がりは、1968年、ジンモ・エトロがテキスタイルブランドとして創業した時まで遡ります。ジンモ・エトロはアンティークの収集家であり、インドのカシミール紋様を再現したい思いでブランドを立ち上げました。19世紀半ばには既に姿を消していたカシミール紋様に魅了され、独自の技法とセンスで復活させ、テキスタイルブランドとして評価を得ます。

「ペイズリー」のオリジンとブランドの新たなステージ

ペイズリー柄は、<エトロ>を象徴するモチーフです。ナツメヤシの種子を表現しており、生命力の象徴だと言われています。このペイズリー柄は、<エトロ>のさまざまなアイテムにイタリアらしいカラフルな色使いであしらわれています。そして、<エトロ>のもう一つのアイコンが「ぺガソ」。「ぺガソ」とは、イタリア語では「ペガサス」のことです。「ぺガソ」は神話の中に生き続ける最古の動物であり、翼をもつ馬として知られています。空気のように優しく包み、絹のように柔らかな<エトロ>の製品は、「ぺガソ」の自由で美しいエレガンスさを形にしたものと言えるかもしれません。大胆で時代の先端を行くようなアグレッシブさを持ちながら、エクセレントな品も兼ね備えた<エトロ>は、ほかのブランドとは違った魅力を持っており人々を魅了し続けています。2022年、新クリエーティブ・ディレクターにイタリア・シチリア出身のマルコ・デ・ヴィンチェンツォが就任。彼による初コレクションとなる2023年春夏ウィメンズコレクションは、新たな魅力に満ちた世界を創り出していくことでしょう。

  • <エトロ>ペイズリープリント カシミヤ シルク ショールの画像

    ペイズリープリント カシミヤ シルク ショール

    140,800円

  • <エトロ>ETRO CUBEロゴ キルティング ペイズリー マキシ トートバッグの画像

    ETRO CUBEロゴ キルティング ペイズリー マキシ トートバッグ

    165,000円

    タテ47×ヨコ54×マチ22cm

  • <エトロ>ジャカード ニット ワンピースドレス の画像

    ジャカード ニット ワンピースドレス

    264,000円

  • <エトロ>ペガソ グラフィックモチーフ カチューシャの画像

    ペガソ グラフィックモチーフ カチューシャ

    27,500円

  • <エトロ>ETRO CUBEロゴ ハイネックセーター の画像

    ETRO CUBEロゴ ハイネックセーター

    209,000円

  • <エトロ>ペガソ ジャカード トートバッグの画像

    ペガソ ジャカード トートバッグ

    104,500円

    タテ31.5×ヨコ37.5×マチ15cm

<Roger Vivier/ロジェ ヴィヴィエ>のスクエアバックル

  • <ロジェ ヴィヴィエ>「ベル ヴィヴィエ トランペット」パテントレザー パンプスの画像

    「ベル ヴィヴィエ」パテントレザー パンプス

    102,300円

    □伊勢丹新宿店 本館4階 インターナショナルラグジュアリー

新進シューズデザイナーによる「身に着ける芸術品」

<ロジェ ヴィヴィエ>は、世界中のセレブリティをはじめファーストレディやロイヤルファミリーから愛されるレディースシューズやバッグを中心としたフランスのラグジュアリーブランドで、日本でもエレガントでシックなスタイルを好む多くの大人の女性たちに絶大な支持を得ています。その始まりは、1937年パリのロワイヤル通りにオープンした最初のブティックまで遡ります。
創業者であるロジェ・ヴィヴィエは、名門美術学校エコール・デ・ボザールで彫刻を学んでいましたが、「シューズをドレスやスーツのように身に着ける芸術品として製作したい」という思いにかられ、美術学校を中退し靴作りの世界に飛び込みます。その後、舞台美術に興味を持ち、ステージ衣装なども手がけるようになります。その経験からヴィヴィエは、当時あまりシューズに使われていなかった房飾りやスパンコールなどの素材を取り入れたシューズの製作をし始めました。その華やかなデザインに魅了されたのが、当時ミュージックホールでセンセーションを巻き起こしていた大スターたちで、こぞってヴィヴィエにカスタムメイドのシューズをオーダーしたのです。このことにより、ヴィヴィエは先進的なデザインを生みだすシューズデザイナーとしてその名を広め一躍注目を集めることになります。イヴ・サンローランやクリスチャン・ディオールのためのシューズをデザイン、製造を手がけたほか、1953年エリザベス女王の戴冠式にあたりシューズをデザインしたことで、モード界だけでなく歴史にその名を残すこととなります。1998年、ヴィヴィエの死去に伴う一時休止を経て、2004年にはトッズグループ傘下でフォーブル・サントノレ通りにブティックをオープンし、ブランドは再開を果たします。

受け継がれる女性のためのシューズ

<ロジェ ヴィヴィエ>のシューズの中で、最もアイコニックなシューズといえば誰もが「ベル ヴィヴィエ」を思い起こすでしょう。1965年に登場して以来、<ロジェ ヴィヴィエ>の象徴として長年愛されているこのパンプスは、タイムレスな上品さと女性らしいエレガントな品格を携えています。このパンプスは、1967年に公開された映画『昼顔』で、主演女優のカトリーヌ・ドヌーヴの足元を飾ったシューズとして人々の記憶に残り、その名は瞬く間に世界中に知れ渡ります。その「ベル ヴィヴィエ」を特徴づけるモチーフが、見る人を魅了する印象的なスクエアバックルであり、今では<ロジェ ヴィヴィエ>のアイコンとして認知されています。このスクエアバックルは、ブランド再開の2004年以降も進化を続けさまざまなアイテムにメゾンらしいアクセントを添えています。2018年にはゲラルド・フェローニがクリエーティブ・ディレクターに就任。名だたるファッションメゾンで経験を積み、技術を磨いてきたフェローニのデビューとなる2019年春夏コレクションは、ムッシュ・ヴィヴィエの世界観を継承し、フェローニの独創性と現代性が反映された注目のコレクションとなりました。フェミニンなシューズだけでなく、マスキュリンなローファーやスニーカー、さまざまなオケージョンにもフィットするバッグやアクセサリーなど、モダンな遊び心あふれるアイテムの数々は、多くの現代女性たちのライフスタイルに寄り添い、輝かせ続けています。

  • <ロジェ ヴィヴィエ>「ヴィヴ ラン」ライト ストラス バックル ファブリック スニーカー の画像

    「ヴィヴ ラン」ライト ストラス バックル ファブリック スニーカー

    160,600円

  • <ロジェ ヴィヴィエ>「ヴィヴ ショック」レザー バッグの画像

    「ヴィヴ ショック」レザー バッグ

    407,000 円

    タテ13.5×ヨコ28×マチ5cm

  • <ロジェ ヴィヴィエ>「Viv' Go-Thick」 ストラス バックル パテントレザー ローファー の画像

    「Viv' Go-Thick」 ストラス バックル パテントレザー ローファー

    204,600円