
2018年の初回から3年ぶり2回目の開催となる『Dear Friend, Department ー minä perhonen in ISETAN SHINJUKU ー』。<ミナ ペルホネン>が伊勢丹新宿店のなかに、小さなデパートをオープンします。出店準備も佳境をむかえたデザイナーの皆川明さんにお話を伺いました。
今回も前回と同じタイトル『Dear Friend, Department』にされましたが。

『Dear Friend, Department』という名の通り、今回も前回と変わらず「大切な人を思う気持ち」をコンセプトにしています。ご家族やご友人のことを考えながら選ぶ、日々の暮らしに寄り添う物、衣食住にまつわる幅広いアイテムを揃えます。
協業でご一緒させていただくブランドやメーカーの方々は今回も、物作りに対する姿勢や確かな品質に、私自身が共鳴し、日常の中で愛用し、大切に使っている物の作り手の皆さんです。
前回との違いや今回の新しさについて教えてください。

前回の『Dear Friend, Department』でも物作りをご一緒させていただいた方々とは、前回からの進化や発展をお客さまに感じていただけるようにアイデアを出し合いました。今回初めてご一緒させていただくお取り組み先との協業からは、調理器具、ヘアケア製品、靴、食品などが登場します。
また今回はイートインスペースがあって、お買物の合間に温かいスープをお召しあがりいただけます。私がスープの名前を提案してイメージを伝え、それがより美味しくなるようなレシピを開発してもらっています。何度も試食を重ね、美味しさを追求しています。

コロナ禍の影響で、皆川さんに心境の変化などはありましたか?

そういった短期的な事案に影響を受けることはなく、基本的に表現したいことは変わりません。「100年続くブランド」を目指しているので、これからの暮らしを長い目で見ていく、そんな視点を大切にしています。
ただし、感染対策を考慮して今回の『Dear Friend, Department』では、前回よりも広い会場に、人数制限もしてお客さまをご案内させていただきます。こんな状況なので、お客さまができるだけストレスを感じないように、ゆったりと商品をご覧になって、ゆっくりとした時間を過ごしていただけるようにと、準備しています。
昨年のステイホーム期間中はどのように過ごされていましたか?

いつもより図案に向き会う時間が多くありましたので、とにかくひたすら手を動かして、たくさんの線を描いていました。細い線が集積したような、細かい図案です。
いつも図案を考えるにあたって、私はとくにリサーチという手段はとりません。普段の生活の中で、偶然に出会ったこと、好奇心を抱いたこと、日常のなにげない会話などから、アイデアが集積され、図案にする時にはすでに頭の中で景色になっている。それを手で紙に写し出すのです。
この春夏の洋服の図案は、ちょうどステイホーム期間中に描いたものですが、曇り空から陽が差して、やがて雲はどこかに去り、空が明るくなる。そんな、近い未来に希望を感じられるような図案を自然に描いていました。
皆川さんはいま、近い未来をどうお考えなのでしょうか。このインタビューの続きは3月3日(水)公開予定。どうぞお楽しみに。
Interview:Mari Terasawa
ISETAN MITSUKOSHI
Text:Noriko Hashimoto
Photo:Hiroko Sasaki
Coordination:Kana Touhuku
STUDIO UNI