＜CASA PICONE/カーサ ピッコーネ＞のクリエーティブディレクター、そして自身のブランド＜NAOKO TAKAI/ナオコタカイ＞も手がける高井 直子さん。今年2月にイセタンシード＆リーフで開催したポップアップショップでは、完売アイテム続出の大好評をいただきました。9月に開催する2回目のイベントを前に、担当バイヤーの橋本と高井さんが再び対談。“はたらくママ”という共通点のある二人が、いま感じていること、今回のイベントで届けたい想いについて語ります。

※イベントは終了いたしました。

好きなことを趣味にして、趣味を特技にして、特技をモノにする

橋本バイヤー(以下 橋本)：前回の対談でとても印象的だったのが、ジュゼッペ・ピッコーネの原画に夢中になって、眠れなくなるほど興奮したというエピソード。それから何百枚、何千枚と原画をご覧になって商品づくりに反映していると思いますが、すごい集中力で仕事をされていますよね。人にはみんな平等に24時間しか与えられていないけど、時間にとらわれることなく働くことってできるんだな、と自分も子どもを産んでさらに実感するようになりました。抱っこしながらでもミルクをあげながらでも、いろいろなことを考えられるし、濃縮したアウトプットができるようになったような気がするんです。高井さんもふたりのお子さんを育てながらお仕事されてきたと思いますが、いかがですか？

高井 直子さん(以下 高井)：わたしは昔からいくつも同時進行で考えるクセがついているから、自然とできているかもしれないですね。せっかちなのかな？(笑) ボーッとしている時間とか、止まっている時間とかあまりないかも。

橋本：すごい！(笑) わたしにとって一番じっくりアウトプットできる時間は子どもを保育園に預けている時間ですが、その間にぐっと集中することでフルタイムと変わらないくらいの働き方ができているんじゃないかと感じています。

高井：わかります。わたしも時間を無駄にしたくないという想いは強いですね。例えば、韓国ドラマを観るんだったら、ただ観るだけじゃなくて韓国語も勉強しようとか、子どもの頃からピアノを習っているんですが、どうせ習うなら検定をとろうとか。「好きなことを趣味にして、趣味を特技にして、特技をモノにする」というのがわたしのモットー。子育てでも大切にしています。

橋本：モノにするというのは、それが仕事につながるくらいのレベルにするということですか？

高井：そうですね、ピアノも教えられますし、お花の先生も、ナンタケットバスケットの講師もできるところまで突き詰めました。小さい頃から、どうせやるならお免状をとるまでやりなさいと言われてきたので、その影響かもしれません。

橋本：高井さんは自分のブランドでお洋服までつくってしまいますもんね！

高井：それも母親の影響かも。子どもの頃はずっとわたしの服をつくってくれていたんです。トラッドなお洋服。だから今でもトラッド系のスタイルが好き。ファッション好きが高じて自分のブランドをもったというのも「好きなことを趣味にして、趣味を特技にして、特技をモノにする」の一環かもしれないですね。

子育てとクリエーティブな活動を実現できる幸せ

橋本：やっぱり、好きなことを考えている時間ってすごく幸せなんですよね。わたしも子どもにミルクをあげながらでも仕事のことを考えるのがやめられなくて。無理してがんばってるというより、逆に仕事をすることがストレス解消になっているくらい(笑)。

高井：好きなことを仕事にできているとしたら、こんなに幸せなことはないですよね。わたしは専業主婦からビジネスをはじめたので、最初は夫の理解や応援にすごく助けられました。いま、子育てとクリエーティブな活動を実現できていることがすごく幸せです。

橋本：そういう高井さんの生き方に共感する方が前回のイベントにもたくさん来てくださいましたが、このトートバッグは特に人気でしたよね。すぐに完売してしまって・・・。

高井：そうでしたね。とにかくザクザク物を入れて使ってほしいと思ってデザインしていて、とくに用途を設定してはいないんですが、マザーズバッグとして使ってくれた方も多いみたいで。

橋本：わたしもそうなんですが、いわゆる「マザーズバッグ」というのを選ばない方も多いんです。哺乳瓶を入れるところ、おむつを入れるところと、細やかに設計されているんですが、子育てが落ち着くと使わなくなってしまいそうで。＜カーサ ピッコーネ＞のトートは容量が大きいので、ポーチが4つくらい余裕で入りそう。自分で使い勝手よく工夫して使いたいですね。とにかく軽いので、それもうれしいです。

高井：今回は新柄にあわせてお揃いのポーチもつくってるんですよ。これを一緒に持っていただけたらちょうどいいかも。

サステナブルなだけでなく、ファッションとしてワクワクすること

橋本：今回も司祭さまのイラストがかわいいですね。すごく人気が出そうです。ほかにはどんな新作を用意しているんですか？

高井：＜BRING/ブリング＞というブランドとコラボレーションしたウェアをつくっています。ここは、回収した古着からもう一度服の原料を再生するという取り組みをしているブランド。以前はエコをうたったファッションは一部の意識の高い人にしか支持されていなかったように思いますが、いまはかなり幅広く認知されていますよね。やっぱり「いいことをしよう」というだけでなく、ファッションとしてワクワクするとか、楽しいと思えるかどうかも大切。その部分を＜カーサ ピッコーネ＞で表現できればと思っています。

橋本：すごく楽しみです。地球環境のために何かしたいとか、人の役に立ちたいとか、子どもを産んでからさらに想いが強くなったのですが、自分でできることはペットボトルを買わないようにするとか、そういう小さなことなんですよね。でも、それをビジネスの視点で考えると、わたしはバイヤーとしてできることがきっとある。ただプロダクトにフィーチャーするのではなく、それを紹介することで誰かの助けになったり、地球の未来につながったり。そういう企画を軸にしていきたいと考えています。今回のポップアップショップでも、高井さんのクリエーションや生き方を感じていただくことでパワーをもらえる方がたくさんいらっしゃると思います。

高井：そうだとうれしいです。今回もたくさんの方とお会いして、いろいろお話ししたいですね。

橋本：わたしも、たくさんのお客さまに楽しんでいただけるようにしっかり準備したいと思います！今日はありがとうございました！

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