選び方!着せ方!新生児衣料徹底解説【三越伊勢丹こそだてコラム#03】

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妊娠から出産まで、ママになるまでの「トツキトオカ」をサポートするための情報をお届けする【三越伊勢丹こそだてコラム】。バイヤーの渡邊 千尋による「出産準備セミナー」と、ベビー子供フロアの現役ママスタッフ3名による「トツキトオカ体験記」を交互に連載します。第3回目のテーマは「新生児衣料」について、バイヤーの渡邊がお伝えします。

1.何を準備する?新生児衣料アイテム別解説

生まれたての赤ちゃんは、体温調節機能が未発達。とっても汗っかきです。そのため、新生児衣料に使われる素材のポイントは「通気性」「吸水性」。必然的に素材は天然繊維が選ばれ、その中でも使い勝手の良い綿がメインで使われています。 そして肌着選びのポイントは、季節に合ったものを選ぶこと。同じ素材でも「編み方」の特徴によって使用に適切な季節が変わりますのでご注意ください。

フライス編み
ゴム編みともいわれ、伸縮性の高さが特徴。赤ちゃんの体に優しくフィットします。通気性があり、1年を通してオールシーズン使用可能な肌着の定番です。

天竺編み
平編みによる薄さと軽さが特徴。伸縮性はフライスに劣りますが、さらっと涼しい着心地です。通気性もあり、春から夏にかけての着用がおすすめです。

接結天竺(ニットガーゼ)
天竺を2枚重ね、所々を接結しているため、その空気層による保温性が特徴です。ふんわりと柔らかく、寒い冬におすすめです。

メッシュ
その構造より通気性があることから、暑い夏におすすめ。お洗濯時の速乾性もママには嬉しいポイントです。

といったように、生地だけでも種類が豊富です。メジャーで使い勝手の良いフライス・天竺をメインに、お生まれの季節に合わせて選びましょう。それではアイテムごとに見ていきましょう。アイテム名の後に、準備する目安枚数を記載いたします。※アイテム名称は、ブランドにより異なります。

■短肌着(5枚~)
赤ちゃんの肌に直接着せる肌着。そのため縫い目は外側に出ているものが一般的です。汗を吸収する役割があるので、赤ちゃんの体にフィットさせるよう紐で調節が可能になっています。中には留め具が紐ではなくスナップや面ファスナーのものもありますが、調節機能を考えると紐仕様のものが良いでしょう。

■コンビ肌着(5枚~)
短肌着の上に重ねて着せます。短肌着で汗を吸い取り、コンビ肌着で保温をする役割があります。足が分かれているので、動きが活発になってもはだけにくい仕様です。

ちなみに足の動きが少ない新生児期用に、足の分かれていない長肌着というアイテムもあります。着用できる期間は短いですが、おむつ替えが簡単というメリットもありますので、お好みに合わせて準備しましょう。

■兼用ドレス(3枚~)
肌着の上に着せます。2WAY仕様で、新生児期にはドレスとして、足の動きが活発になってきたらスナップを付け替えてカバーオールとして使用します。

■アフガン(1~2枚)
おなかの中で羊水に包まれていた赤ちゃんは、何かにくるまれると安心します。中わた入りで保温性があるので、退院時や寝かしつけの時にもおすすめです。

■フード(1枚~)
赤ちゃんの頭を保護するためにかぶせます。冬は防寒、夏は日よけとしても必要です。

■ミトン(2組~)
爪でお顔を引っかき傷つけるのを防ぐために使います。

■ソックス・ブーティ(1~2組)
寒い時のお出かけやクーラー対策の必需品。足の保護にもなります。伸縮性の高いものを。

以上が通年利用に必要なアイテムです。上記に加え、夏はノースリーブ肌着、冬はベストなど・・・季節ごとに必要なものを買い足しましょう。

2.どう選ぶ?人気ブランド別解説

各アイテムについて解説したところで、次はブランド別の特徴を見ていきましょう。ブランドによりこだわりどころやバリエーションが違い、知る程に選ぶのが楽しくなりますよ。ここでは、新生児衣料で特に人気の3ブランドをご紹介します。

<赤ちゃんの城>
新生児衣料・寝具を専門に扱ってきた、日本では数少ない「レイエットメーカー」。半世紀にわたり沢山のママたちの出産をサポートしてきた実績があります。<赤ちゃんの城>の魅力は、医療分野での使用により培われたノウハウが製品に活かされているところです。実は<赤ちゃんの城>の衣料・寝具は、全国約700の産婦人科、そして大学病院においてはその8割に及ぶ施設で使用されています。病院の先生や助産師、看護師の方々と新しい商品の開発も行っていたりと、医療現場の知見が生かされた製品づくりが特長です。

そのなかの一つがこちら。低体重児用肌着です。 

2,500g以下でお生まれになった赤ちゃんのために開発した小さいサイズの肌着です。この肌着の柄は「麻の葉柄」と言い、日本の伝統的な文様です。昔から麻は成長が早い植物として知られており、それにあやかり「赤ちゃんがすくすく育つように」という願いが込められた素敵な柄です。

それ以外にも、特徴的なアイテムとして「ナーシングウェア」があります。

  • <赤ちゃんの城> ナーシングウェア の画像

    赤ちゃんの城
    ナーシングウェア 4,730円 ※店頭のみ取扱い商品

産まれてすぐに着る「産着」から発想を得たウェア。前開きが面ファスナーで着せ替えも簡単。秋から春まで3シーズン使えるスムース素材です。<赤ちゃんの城>は、福岡県久留米市に本社工場があり、病院へ卸すアイテムもそこで作られています。病院からのさまざまなリクエストに応え、それが製品として具現化するまで現場で管理されていること、すごいですよね。 

<ファミリア>
昨年、創業70周年を迎えた老舗<ファミリア>。朝ドラ『べっぴんさん』のモデルになったことも話題になりましたが、有名な手刺繍等に見られる「ものづくりへのこだわり」に多くのファンが魅了されています。

<ファミリア>肌着の魅力は、生地そのもの。まさにその「編み立て」の工程にこだわりが詰まっています。 

<ファミリア>のフライスを編み上げるには、一般的なフライスと比べると6倍の時間が掛かると言われます。スピード生産ではなく、小幅の編み機で低速で丁寧に編み立てることで、柔らかく肌触りの良い生地に仕上がります。これはぜひプレママの皆さんにもショップでサンプルをお手に取っていただきたい一品。ふっくらとした肉厚の生地は、優しく赤ちゃんを包んでくれます。襟ぐりのパイピングもしっかり。繰り返しの洗濯で型崩れしないところもママには嬉しいポイントです。

そして<ファミリア>の特徴的なアイテムと言えば「カバーオール型肌着」。

いわゆる「コンビ肌着」のことですが、ご注目いただきたいのは足元。足首のリブがあることで、裾がずり上がりにくくなります。成長に合わせた運動量を考慮したデザインですので、長肌着からのステップアップとして使用するのにおすすめです。

<ミキハウス>
新生児衣料からトドラーウェア、シューズまで幅広い商品展開で国内外にファンの多い<ミキハウス>は、今年創業50周年を迎えます。<ミキハウス>定番肌着における魅力はその機能にあります。抗ウイルス加工を施した「ピュアベール」シリーズは、肌着や衣料のみならず寝具までバリエーションがあります。

この抗ウイルス加工に使用されている固定化抗菌成分「Etak®」は、繊維上に付着した特定の細菌に対して増殖を抑制、特定のウイルスにおいては、その数を減少させます。そしてこの加工は生地に浸透、固定されているため、繰り返し洗濯してもその効果が持続します。(※50回家庭洗濯後の抗菌試験)抵抗力がまだ弱い赤ちゃんにこそ必要な機能ですよね。

<ミキハウス>もう一つの特徴は、上質素材のバリエーションが豊富なこと。「シルクシリーズ」や「オーガニックコットンシリーズ」のほか、“繊維の宝石”とも呼ばれる貴重なコットンを使用した「海島綿シリーズ」も各種アイテム取り揃えております。

3.どう着せる?赤ちゃんのお着替え解説

最後に、肌着やお洋服をどのように着せるか?です。順を追って写真と共に解説いたします。
※短肌着:白、コンビ肌着:水色のストライプ、兼用ドレス:柄ありのクリーム色

  • 肌着・兼用ドレスを重ねて事前準備の画像

    1.肌着・兼用ドレスを重ねて事前準備!

    お着替えの際に何度も袖を通すのは赤ちゃんにとって負担になります。ですので事前にお洋服を重ねて、一度の腕通しで済むように準備します。下から「兼用ドレス」→「コンビ肌着」→「短肌着」の順で重ね、お袖もきちんと重ねておきます。
  • 迎え袖で腕を通す画像

    2.迎え袖で腕を通します。

    重ねてセットした肌着の上に赤ちゃんを寝かせます。そして肌着・兼用ドレスが重なった袖口から、ママ・パパの手を入れましょう。赤ちゃんの手全体を包み、肌着を引いてお袖を通します。この時、赤ちゃんの手を引っ張らないようご注意ください。動かすのは肌着側です。
  • 両手を通したら、短肌着の紐から結ぶ画像

    3.両手を通したら、短肌着の紐から結んでいきます。

    外側と内側、2か所の紐を結びます。汗を吸収させるため、きちんとフィットしているか確認しながら紐の結び位置を調整します。この時背中の生地にシワが寄らないよう、赤ちゃんを寝かせる前にチェックしておきましょう。
  • コンビ肌足のスナップを留める画像

    4.次はコンビ肌着の紐を結び、足のスナップを留めます。

    コンビ肌着は一般的に内側に1か所、外側に2か所紐があります。こちらも赤ちゃんの体に沿わせながら結んでいきます。ぴったりとフィットさせたいあまり、おなかを締め付けないように気を付けましょう。コンビ肌着は、紐を結んでから足のスナップを留めていきます。
  • 肌着の着せつけ終盤の画像

    5.肌着の着せつけが終わったら、次は兼用ドレスです。

    スナップを上から留めていきます。新生児期のうちはスナップを直線にまっすぐ留めて、ドレス型に着せます。足の動きが活発になってきたら、スナップの留め方を変えて、カバーオール型で着せます。
  • お着替え完成の画像

    6.お着替え完成です!

お着替えに慣れないうちはどうしても気を張ってしまいますが、実は大切な赤ちゃんとのスキンシップの機会です。着せつけのたびに顔色を見てあげたり、成長具合に気づいたりと、嬉しい発見も沢山ありますよ。 

そして新生児肌着・衣料については、使用前に必ず水通しをしましょう。水通しは、出産の入院準備と同様に妊娠30週を目安に済ませておくと安心です。量が多くて大変ですが、水通しが「世界一幸せな洗濯」と言われるように、小さなハンガーに干されたかわいい赤ちゃんのお洋服を眺める時間は思い出に残る瞬間ですので、楽しみながら取り組みましょう!

次回の【三越伊勢丹こそだてコラム】は、本日のテーマと同じ「お洋服選びについて」。現役ママ社員3名が「我が家のお洋服買い方・選び方」の体験談をお伝えします。

渡邊 千尋さんのイラスト画像
渡邊 千尋
ベビー&キッズ バイヤー
2007年入社以来ベビー子供領域を担当。子供服やマタニティ新生児ショップのバイヤーとして品揃えやプロモーションの企画に携わる。2020年に保育士資格を取得し、現在は児童発達支援について勉強中。

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