日本橋三越本店で買える、初夏の訪れを告げる和菓子「若鮎2025」

日本橋三越本店若鮎イメージ

夏の訪れを告げる和菓子「若鮎」。その名の通り、川魚の「鮎」に見立てたお菓子で、カステラ生地に焼きゴテで表情が描かれているのが特徴です。小麦粉と卵のほんのり甘いカステラ生地の中には、もっちりした食感の求肥が入っています。

2025年も日本橋三越本店に、さまざまなブランドの若鮎が揃う季節が到来しました!

初夏を告げる和菓子「若鮎」とは?

岡山県発祥の和菓子「調布」をルーツにしていると言われるこの「若鮎」。本物の鮎漁が解禁されるのは6月以降の地域が多いのですが、その前の5月頃から販売されることが多いようです。「季節を先取り」する和菓子ならでは、と言えるでしょう。

清流として名高い岐阜県の長良川、京都府の鴨川や桂川の銘菓としても知られ、地域によって「若鮎」という名前のほか、「鮎菓子」「登り鮎」「稚鮎」「かつら鮎」といった名前でも親しまれています。

そこで今回は、和菓子担当バイヤーに日本橋三越本店で買えるおすすめの「若鮎」を教えてもらいました。ブランドごとに、鮎の表情や生地、味わいなどに違いがあるので、ぜひ好みのものを見つけてみてくださいね。

また「若鮎」は、2025年5月中旬より販売が開始されますが、5月末か6月ごろには販売が終了します(一部、7月ごろまで販売するブランドもあり)ので、この機会をお見逃しなく!

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シンプルかつ素朴な若鮎ながら、老舗の確かな技が光る<森八>あゆ焼

<森八>あゆ焼

<森八>あゆ焼(1個)206円(税込) ※販売期間:2025年5月6日(火・祝)〜 6月24日(火)
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 和菓子

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加賀藩御用菓子司として、1625年に金沢の地に創業した<森八>。加賀金沢の茶の湯の文化を支えてきた和菓子店が作る「あゆ焼」は、小麦粉にもち粉と砂糖を加えて焼いたカステラ生地に、求肥を挟んだシンプルなものです。

丁寧に手焼きされた生地に、一つひとつ職人が焼き印を施しています。鮎の表情や背中の模様が少しずつ異なるのも魅力のひとつ。ほんのりとした素朴な甘さは、ぜひ緑茶と合わせてお楽しみください。

ブルーの見た目と、さわやかな生姜風味が初夏を運ぶ<俵屋吉富>の鴨川あゆ

<俵屋吉富>鴨川あゆ

<俵屋吉富>鴨川あゆ(5個入)1,188円(税込) ※販売期間:店頭2025年5月21日(水)~6月10日(火) オンラインストア2025年5月17日(土)午前10時~6月5日(木)午前10時 ※オンラインのリンク先は、2025年5月14日(水)午前10時から表示されます
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 菓遊庵

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創業は1755年、長い伝統を守りながら、新たな京菓子を生み出し続けてきた<俵屋吉富>。そんな<俵屋吉富>の若鮎「鴨川あゆ」は、薄い水色で彩られたビジュアルで、この季節に店頭に並ぶ「若鮎」の中でも珍しい見た目でひときわ目を引きます。

青く澄んだ鴨川を泳ぐ躍動感に満ちた若鮎の姿を創作したという、芸術的な和菓子。インパクトのある姿は、もち米「新大正もち」を使った薄種(うすだね)生地を使って表現しています。

一枚一枚蒸気にあてて成形した生地の中には、やわらかな生姜風味の求肥が入っています。ひと口食べると、もっちりとした食感の求肥から生姜のキリリとした香りが立ち、初夏のさわやかさを感じさせるお菓子です。

<たねや>躍動感あふれる稚鮎は、表情の違いも楽しんで

<たねや>稚鮎

<たねや>稚鮎(1個)162円(税込) ※販売期間:2025年5月7日(水)〜7月末
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 和菓子

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滋賀の豊かな風土で育まれた感性、素材を生かした和菓子作りをする<たねや>の「稚鮎(ちあゆ)」。ふんわりしっとりと焼き上げた生地で、歯切れのよい求肥をたっぷり包んだ若鮎は、職人が一つひとつ手作業で仕上げた躍動感あふれるフォルムが魅力です。とくに尾ひれの立体的な造形は、まるで今にも泳ぎ出しそう。

この稚鮎の愛らしい表情は、焼印ではなく、カカオを使用した食品用プリンターでつけられたものだとか。表情のパターンは全8種類あるそうです。ぜひ店頭で、自分好みのものを見つけてみてください。

城下町・松江の歴史と文化が薫る<彩雲堂>の若鮎

<彩雲堂>若鮎

<彩雲堂>若鮎(1個)378円(税込) ※販売期間:2025年5月21日(水)~6月10日(火)
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 菓遊庵

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創業は明治7年(1874年)。島根県・松江で和菓子職人の初代・山口善右衛門が暖簾を掲げたことからはじまり、以来150年にわたって続いてきた菓子司<彩雲堂>。城下町ならではの和菓子文化が色濃く残る松江という場所で、伝統と技法を守ってきた老舗です。

そんな<彩雲堂>の若鮎は職人が1枚ずつ手焼きした生地に、柔らかな求肥を包んだもの。熟練の職人技でひねりを入れ、動きのある鮎の形に仕上げています。

スッと入った焼き筋が特徴! 岐阜県<松月堂>の若鮎

<松月堂>若鮎

<松月堂>若鮎(1個)227円(税込) ※販売期間:2025年5月21日(水)~6月10日(火)
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 菓遊庵

栗の里として知られる岐阜県・中津川で1907年に創業した<松月堂>。以来、栗菓子専門店として中津川の代表銘菓「栗きんとん」をはじめとする栗菓子を作り続けています。

そんな<松月堂>の若鮎は、ふんわりと焼き上げた皮と求肥のバランスが絶妙な一品。横に入る焼き筋が特徴で、美しい川の中を自由に泳ぎまわる鮎を表しています。初夏の清流を思い浮かべながらいただきたい若鮎です。

卵に見立てた大納言入りが嬉しい、<菓匠花見>の若鮎

<菓匠花見>若鮎

<菓匠花見>若鮎(1個)270円(税込) ※販売期間: 2025年6月1日(日)~終了未定
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 和菓子

埼玉県・浦和で1912年に創業以来、代表銘菓の白鷺宝をはじめ、季節を感じさせる和菓子の数々で地元に愛されている<菓匠花見>。

<菓匠花見>の若鮎は、なんと「卵」入り!? 職人が丁寧に生地を焼いた皮に、やわらかくもっちりとした求肥と、卵に見立てた大納言の粒が巻かれています。食べて楽しい、一味違う若鮎です。

続いては、岐阜県の<玉井屋本舗>から2種類の鮎菓子をご紹介します。

長良川の鮎を彷彿とさせる<玉井屋本舗>登り鮎

<玉井屋本舗>登り鮎

<玉井屋本舗>登り鮎(1個)195円(税込) ※販売期間:2025年5月21日(水)~6月10日(火)
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 菓遊庵

最初にお伝えしたように、岐阜県は若鮎が銘菓として親しまれている場所の1つ。1908年に長良川のほとりで創業した<玉井屋本舗>は、「川原町」と称され昔ながらの香り高い風情が漂う場所で、岐阜銘菓として愛されるお菓子を作り続けています。

<玉井屋本舗>の登り鮎は、岐阜県では鮎菓子の草分け的存在。小麦粉に卵をたっぷり使ったカステラ生地で求肥を包み、長良川の清流に遊ぶ若鮎を型づくりました。小さな顔立ちにキリッとした容姿、香り高さと、長良川の鮎さながらの味わいを楽しみましょう。

カリカリとした食感と上品でほのかな甘さを持つ<玉井屋本舗>やき鮎

<玉井屋本舗>やき鮎(14枚入り)

<玉井屋本舗>やき鮎(14枚入り)864円(税込) ※販売期間:店頭2025年5月21日(水)~6月10日(火) オンラインストア2025年5月17日(土)午前10時~6月5日(木)午前10時 ※オンラインのリンク先は、2025年5月14日(水)午前10時から表示されます
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 菓遊庵

商品をみる(※2025年5月14日(水)午前10時から表示されます)

手土産に使うなら、少し変わり種のこんな鮎菓子はいかがでしょう? 

<玉井屋本舗>のやき鮎は、小麦粉・卵・砂糖に山芋を混ぜ合わせ、水気を使わずに丹念に練り上げた生地を若鮎の姿に型抜き、丁寧に乾燥させて焼きあげたもの。

カリカリとした食感と上品でほのかな甘さを持つ、素朴なお菓子。日持ちもするので、季節のご挨拶品にもおすすめです。

シンプルなお菓子だけに、菓匠ごとのこだわりが味わいとしてわかりやすいのも「若鮎」というお菓子の特徴。日本各地の若鮎が一同に揃うのは、この時期だけ! 夏の訪れを感じながら、食べ比べてみてはいかがでしょうか?

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