【日本橋三越本店 オンリー・エムアイ】コラボする生産者のみなさまをご紹介!おいしさにはどんな工夫が?

農林水産省が主催する「農業女子プロジェクト」のメンバーである生産者6名と日本橋三越本店がコラボレーション!生産者の方々が育てた食材をもとに、数々のブランドが料理やデザートを考案しました。本記事では、生産者の思いや作物へのこだわりをご紹介します。
食材の背景を知ると、料理の見え方、味わい方もきっと変わるはず。そんな知るほどに奥深い食のストーリーをのぞいてみませんか。
フルーツトマトだけを専門に栽培
<茨城/ドロップファーム>三浦 綾佳さん
<茨城/ドロップファーム>美容トマト(イエローアイコ)(1パック) 680円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
「そのまま食べてもおいしいフルーツトマト」を目標に栽培しているのは、フルーツトマト専門農場の<ドロップファーム>三浦 綾佳さん。水耕栽培の10分の1しか水を使わずに済むアイメック®️栽培を用いることで、トマトの甘みや旨みを引き出しています。
実はイエローアイコは育てるのが難しい品種で、難易度が高いあまり栽培をやめようと考えた時期もあったそう。しかし、その照り映えた色、トロピカルな味わい、加熱したときの驚くほどの甘みや旨みを手放すことは心苦しく、栽培の継続を決断されました。2023年に行われたG7サミットで<ドロップファーム>のトマトジュースを赤・黄の2種類をお出しした際には、なんとイエローアイコのほうが人気だったそうで、その魅力はやはり強力なようです。
就農のきっかけ
出産をきっかけに、子育てと仕事の両立を目指して「農業」で起業しました。農業を始める前は、アパレル販売や広告代理店の仕事をしていたので、その経験を生かせる農業のかたちを模索しています。現在はお客さまと直接つながることを大切にしながら、生産、自社工場でのジュース加工、商品プロデュースをおこなっています。
練馬で350年も続く歴史ある農家
<東京/白石農園>白石 菜保子さん
<東京/白石農園>東京アスパラガス(1パック) 980円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
「練馬大根」が代表するように、根菜が良く育つ肥沃な土地で栽培しているのは<白石農園>白石 菜保子さん。東京の畑という立地を生かし、都市部へとれたての野菜を当日発送しています。とれたてのアスパラガスは風味と瑞々しさが格別。春採れのものは根にたくわえた養分をたっぷり含んでいるので、味も色も濃く、やわらかさや甘み、山菜のようなほんのりとしたえぐみが魅力です。
身近な野菜ですが、アスパラガスは贈答品としてもおすすめ。冬を耐え春にまっすぐ上に向かって芽吹く姿にちなみ、門出を迎える方の行先がまっすぐ上向きに続くようにと願いを込めてみてはいかがでしょう。新緑のように色鮮やかな見た目と、風味の濃い味わいは、大切な方への励みになってくれるはずです。
就農のきっかけ
東京都練馬区大泉で350年続く農家です。結婚し、子育てに追われている最中に両親から誘われて就農しました。続けて弟夫婦や末の妹まで就農してみんなで日々賑やかに働いています。

白石 菜保子さんからメッセージ
コラボレーションの機会をいただきありがとうございます。とれたての東京産アスパラガスのお料理をぜひご賞味ください!<白石農園>では季節ごとに収穫体験を開催していますので、こちらもご興味が湧きましたらぜひ足をお運びください。春はアスパラガス、夏はトマトやキュウリ、秋はさつま芋など、都内で気軽に季節を感じられる畑としてたくさんの方にお楽しみいただけたらと思っています。
野菜づくりと村づくりを両立
<兵庫/Top Field>堤 真名美さん
<兵庫/Top Field>
新玉ねぎ(1ネット) 580円
春レタス(1個) 390円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
淡路島の気候と自然を生かした「土づくり」から手掛けていらっしゃるのは<Top Field>堤 真名美さん。淡路島はもともと畜産も盛んで耕畜連携が深く、上質な堆肥が近場で手に入り、その有機物を畑に還元することで、良質な土壌をつくっています。周りも海で囲まれていることから、浜風によって自然のミネラルを作物に与えることができるそうです。
夏には地力が増進するイネ科を栽培したり、すき込み後に水張りをしたりすることで、生育に良い菌が増えやすい環境へと整えています。安心、安全、おいしいは大前提のもと、収穫後は土も乾かない新鮮なうちの出荷を目指していらっしゃいます。
就農のきっかけ
自動車整備士をしていた夫が就農し、農業や地域の現状を知ったことが転機となりました。看護師として病院勤務をしていましたが、若い人が農業や地域を守っていかないといけないと強く思い、退職を決め、夫婦一緒に農業をするようになりました。

堤 真名美さんからメッセージ
農業をしている女性について発信できる機会をいただけたことにとても感謝しています。みなさんには、食事の背景に広がる食材のこと、テーブルに並ぶまでのストーリーを知ってほしいです。<Top Field>では「野菜と村を作る会社」という理念のもと、今後は生産規模を拡大しつつ、地域の放棄田ゼロを目指したいと思っています。そして開業当初から続けている農育・食育、就農者支援を今以上に強化し、移住される方も含め、農業に関わる人をこの地域で増やしていきたいと考えています。また人口減少や空き家問題を少しでも解決できるように、農福連携など何か新しいことにもチャレンジをしながら、地域の課題解決に貢献していきたいです。
他業種と連携してサワーポメロの魅力を広める
<鹿児島/西果樹園>西 美香さん
<鹿児島/西果樹園>
サワーポメロ(1個) 648円
はるか(1個) 324円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
「鹿児島県いちき串木野市と言ったら、一番に“サワーポメロ”と出てくるようなものにしたい」と話してくださったのは、<西果樹園>西 美香さん。近年では市農政課と協力して、規格外の果実を使ったシロップも開発されていらっしゃるそうです。
果樹園がある場所は、東シナ海に近く、日当たりの良い南面の傾斜地。水はけがよい土壌は果樹の品質に良い影響を与えるため、フルーツのおいしさにもつながっています。4月下旬の花が満開になるころには、大きくて形の良い実になるよう丁寧に人工授粉をされるそうです。
就農のきっかけ
結婚を機に静岡から鹿児島に嫁いできました。夫は農家の長男なので実家を継ぐのは分かっていましたが、「畑仕事はしなくていいからね」という言葉にだまされてきました笑。最初は勝手が分からず、畑仕事時のお茶の用意や出荷時の箱詰め、事務作業などをしていました。農業へのモチベーションが上がったのは、女性農業者育成塾という研修会に行ったとき。いろいろな方の話を伺い、私ももっと頑張らなければと思いました。

西 美香さんからメッセージ
サワーポメロは爽やかな甘みと口当たりが人気の柑橘で、旬になると農家のわたしたちも食後のデザートに食べたくなるおいしい果物です。もっと多くの人に味わっていただきたいので、コラボレーションによって素敵なエッセンスが加わり、知っていただける機会になるとうれしいです。
農薬を使う代わりに七面鳥を飼育する
<熊本/Mr.Orange>永井 香織さん
<熊本/Mr.Orange>レモン 324円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
ビニールハウスで雨や冷気から守りながらレモンを栽培しているのは<Mr.Orange>永井 香織さん。育てているレモンは酸味がまろやかなため、ほのかな甘味も感じ取れます。永井さんが大切に育てたレモンは、皮ごと食べることができます。
園内では七面鳥を飼育しており、除草に貢献しつつ、糞は堆肥として畑に還元するという独自の農法で運営されています。永井さんいわく「農薬を使わないこの栽培方法は、雑草と虫の戦い」。そこにかかる農作業負担をできるだけ軽減し、かつ環境にもやさしい方法がないかと模索するなかで生まれたアイデアだそうです。当初はヒントを得た「合鴨農法」と同じく合鴨や、ニワトリなど数種類の鳥を放し飼いして試してみたそうですが、そのなかで一番適合したのが七面鳥でした。
就農のきっかけ
一般企業で経理をしていましたが、次第に心身の健康に貢献できる仕事がしたいと考えるようになり、両親の提案もあって就農することにしました。当時、食品メーカーへの転職と迷っていたくらい、商品企画・開発への強い思いがあります。初めて手掛けたのは農産物を使ったお菓子のギフトボックス。多くの農家とつながれたことはもちろん、地元のニュースで取り上げられたり、ラジオに出演したり、当時の副知事を表敬訪問するなど、想像もしなかった経験をさせてもらいました。食品メーカーに転職して以来できなかった経験でもあり、私の財産となっています。

永井 香織さんからメッセージ
三越さんの農業に携わる女性たちへの応援や、スポットをあててくださることにいつも感謝しています。<Mr.Orange>では縛りをなくして、自社の柑橘を使った商品から、全く関係のない新しい食品など、自由な発想で開発をしています。今後は社会や地域へ広く貢献できるよう、社会課題に着目した商品開発にもチャレンジしていきたいです。
おいしさのため土づくりから取り組む
<鹿児島/大吉農園>大吉 枝美さん
<鹿児島/大吉農園>春キャベツ(1玉) 380円
[販売場所]日本橋三越本店 本館地下1階 室町万弥
[販売期間]2024年3月6日(水)~3月19日(火)
減農薬・減化学肥料によって、えぐみの少ないシャキシャキとしたキャベツを育てているのは<大吉農園>大吉 枝美さん。夏の時期は向日葵を栽培し、土壌内における後作のリン酸吸収を高めることで、減化学肥料に繋がっています。また。善玉菌を畑にまくことで元気な野菜を育てています。キャベツの品種は数が多く、時期や品種によって表情が変わります。春キャベツはそのまま食べても甘いのでサラダがおすすめですが、火を通すとさらに甘みが増します。鶏がらスープの素とごま油であえてナムル風にしたり、黒豚、生姜と一緒に炒めてもおいしいです。
就農のきっかけ
夫が祖父母の跡を継ぎ、農業で起業したことをきっかけに、夫を手伝う形で就農しました。当時は子どもたちが小さかったので、一緒に種をまいたり、草取りをしたりと子育てしながら作業していました。そんな思い出もあってか、子どもが家業を継ぎたいという気持ちをもってくれた時はとてもうれしかったです。

大吉 枝美さんからメッセージ
大吉農園を知っていただく機会をいただき感謝しています。お客さまにおいしいと喜んでいただける野菜をお届けできるよう心を込めて生産いたします。当農園は、本土最南端の駅(西大山駅)や開聞岳がある観光地のエリアで生産しています。鹿児島県にお越しの際は、ぜひ立ち寄っていただきたいです。今後は、親子での収穫体験やひまわり畑の迷路、菜園で収穫した農産物バーベキュー、キャンプなど、あたたかく自然豊かな地域性を活かしたアクティビティを計画したいと思っています。
三浦 綾佳さんからメッセージ
「トマト嫌いな子どもたち」を増やさないことが私たちの使命です。子どもたちは初めて食べるトマトによって、トマト嫌いになるか、トマト好きになるかが決まるはず。そんな今後を決定づける一口から、「トマト好き」が続々と生まれていくようなトマトを生産し続けることが目標です。近年は農業界の人手不足や異常気象など困難が多いですが、品種の研究や生産の工夫など手間を惜しまず、おいしさにこだわり続けたいです。