料理研究家 宮澤 奈々さん流 おせち作りとハレの日のテーブルコーディネート

今年も残すところあと少し。クリスマスの準備も大詰めですが、そろそろお正月の準備もしなきゃな・・・と感じていらっしゃる方も多いのでは。バタバタしがちな時期だからこそ、空いた時間を上手く利用して、事前の準備をしっかりしたいところ。
料理研究家 宮澤 奈々さんとの5回目の連載は、“おせち料理のひと工夫”と“一年をスタートするハレの日のテーブルコーディネート術”のご紹介です。
1.おせちは事前準備が肝心
おせちと言えば、黒豆・数の子・ごまめ・煮しめ・酢の物・焼き物に加えて、お雑煮・お刺身など家庭によって種類や味付けはさまざま。一年のスタートであり、せっかく皆が集まるからこそ、腕によりをかけたいですよね。
大晦日の日に一日がかりでおせちを作る方も多いと思いますが、今回は保存容器を上手く活用することで事前に準備を進めておき、当日は出来る限り盛り付けるだけ!そんな内容でご紹介していきます。
2.“調理” 兼 “型”として使えるガラスコンテナ
双子マークで人気のドイツブランド<ツヴィリング>が開発し、21年春に発売された真空保存バキュームを愛用している奈々さん。気に入っているポイントは?
―今までさまざまなブランドの真空保存機器を使ってきましたが、サイズが大きくて出し入れが面倒だったり、操作に手間取るなど、あともう少しこうだったら使いやすいのに・・・となかなか納得のいく商品を見つけられませんでした。そこで知ったのがこちらのアイテム。すっごくコンパクトで、ワンタッチの操作性も抜群です。
今回はパテドカンパーニュの調理で登場します!
―テリーヌ作りの際オーブンで焼き上がった後に、肉汁や旨味をパテに戻すために重石をして冷蔵庫で味を馴染ませる工程があります。いつもは型に合うように板を作りその上から重石を載せていたのですが、今回は同じガラスコンテナを二つ重ねて使用し、上に重石を載せて使いました。電子レンジ・オーブンの調理の後、そのまま型として成形できるので無駄がありません。Sサイズでも、6人分のパテが作れますよ。
そのほか、お出汁・煮込み・油分が多いものは、プラスチックだと傷つき・匂いや色移りがどうしても起こってしまうので、ガラス素材は少々重くても、それらを解決してくれます。
―サーモンのマリネなど水分の多いお魚では、バッグタイプよりもガラスコンテナが断然おすすめです!
3.冷蔵庫の中がスッキリ片付くバッグタイプの真空保存バッグ
おせちで使うお野菜たちは、事前にカットしてこちらの保存バッグで真空保存しておきます。
―カットしたお野菜は切り口から乾燥してしまうので、バッグでぴっちりと真空に保存できるのが◎。お正月に余ったお餅はラップで個別に包んで、真空&冷凍保存しておくと、保存状態良く長く食べることができます。

カットしたお野菜を、バッグに入れて真空にすると、キュ~っと薄くなるので、冷凍庫もかさばることなく、綺麗に沢山保存できるのが特徴です。
―ほかにも、例えばブイヨンは調理した後に製氷の容器で小分けに冷凍し、凍ったら型を抜いてバッグで保管すると、都度使いたい量だけ解凍し、時間の無駄も省くことができます!
4.軽くて扱いやすい、プラスチックコンテナ
黒豆・煮しめ・ごまめ・数の子などは調理が終わったら、こちらのプラスチックコンテナへ。酢の物は、ニオイ移りが気になるので、ガラスコンテナでの保存がおすすめです。また、秋に発売された、浅平型コンテナ“フリッジボックス”を使って奈々さん流の一工夫。
―汁気をよく切って、器に盛り付けておくと、当日はそこから取り出してセッティングするだけです。慌ただしい当日には、少しでも時間の節約をしたいので、この使い方がおすすめです。ほかにも、お魚のみそ漬けは、フリッジコンテナに何枚も並べやすいのでお料理教室の仕込みには大活躍。

―ガラス・プラスチックコンテナ共に、冷蔵庫で綺麗にスタッキングできるので、開ける度にスッキリとした冷蔵庫を見ると、食材が迷子になったり、余分に購入したりの無駄が省けて嬉しいですよね。
一度開けてしまったパンやお菓子などの保存のほかに、電子レンジも使用できるので残ったご飯をそのままレンジで再加熱もおすすめですよ。
5.プレゼンテーションプレートにもなるHIRABACHI+cold plate
みんなが集まるお正月には、手巻き寿司のメニューを選ぶご家庭も多いのではないでしょうか?お刺身の保存状態が少し心配・・・との方にはHIRABACHI+cold plateをご提案します。事前に冷蔵庫でcold plateを冷やし、さらに保冷剤を忍ばせておけば、冷た~い状態を一定時間はキープできます。
―大皿使いができるHIRABACHIは、cold plateをセットしてお刺身に使うだけでなく、今回はローストビーフや酢飯の盛り付けにも使用しました。
ローストビーフにはcold plateをセットせず、中央に豆苗のサラダを盛り付けて彩りよく。クルっとローストビーフで巻いて食べると、とってもヘルシーです。

―HIRABACHIを2枚合わせて蓋代わりに、アツアツの酢飯ができたタイミングで、ご飯をよそえば、ゲストも少しビックリなプレゼンテーションになります。
6.最新の3D技術を駆使して作った、オリジナルのWA「TOSO」
―スタイリッシュかつ機能性抜群のカタチをした屠蘇器って、探し求めたけれどなかなか出会うことが出来なくて。どうしてもその想いを叶えたくて、何度も試作を繰り返して出来たのがこちらです。
通常の屠蘇器は分解して洗えないものが多く、使用後のお手入れができずに困っていました。使ったあとは綺麗に洗って保管したいけど、カタチの構造上それがなかなか難しい。開発するときにまずこだわったのが、ひねって分解ができるということでした。3D技術だからこそ、緻密に計算しつくされてカタチになっています。
屠蘇器と盃は、艶なし・ありのツートンなのが、とってもモダン。蓋を開けた時に、綺麗に見えるように中はツヤツヤにしてあるそうです。セットになっている3サイズの盃は、おつまみを乗せたり、盃に合わせて作った<スガハラ>グラスの茶托や蓋として使ったりと日常使いもできるそうです。
―屠蘇器の脇にひょっこり顔を見せるのは、オリジナルカラーで<ヘレンド>に作ってもらった、カメボックス。可愛いお顔ですが、甘くなり過ぎないように、プラチナカラーを基調としてもらっているので、モノトーンやシックなコーディネートにもワンポイントに。甲羅の部分は、パカっと開けると蓋が開き薬味入れなどにも使えます。
7.maccha椀でお雑煮!?
お正月と言えば、お雑煮。おせち同様、地域によってお味噌の味や具材が異なりますよね。けやきをくり抜いて作っているこちらのお抹茶椀は、アツアツの汁気を注いでも器が熱くなりにくいので、持ちやすく冷めにくい汁椀としてもおすすめです。

―側面に筋を入れて、その上から、漆を塗っています。黒の微妙な色合いも、モダンな雰囲気に仕上げられるようにこだわっていて、佇まいの上品さが出るように意識しました。開発のスタートは“使い心地抜群なモダンな木製のお抹茶椀”だったのですが、いざ完成してみると、日常使いにも多用できる!と思ったのです。
お椀の中を覗いてみると・・・、紫大根とゴマ豆腐で作った菊のお花が。大輪の下には、ちゃんとお餅が出てきましたよ。
8.アタッチメントを取り付けて日本酒の風味も保存
10月に発売したメタルレースが美しいKUMIKAGOバスケット。クリスマスはワインクーラーでしたが、お正月は日本酒を入れてみましょう。市販のアクリルケースに、氷を敷き詰めてサービングすると、テーブルトップが少し華やかになります。今回は菊の花を飾るバスケットとしてもテーブルで使用しています。
―人が集まった時だけでなく、一人飲みの時に意外と困るのが、飲みきれなかったお酒保存。実は、先ほどご紹介した、真空パック機で使用するアタッチメントを変えると、開栓後のボトルの鮮度をキープ。瓶の直径さえ合えば、ガスなしに限りますが、日本酒・ワイン・お醤油・料理酒などのボトルに使用ができ、シーラーとセットしてボタンを押すだけ。操作性も非常に簡単です。
9.おせちの盛り付けは、和モダンにぴったりなプレートを
一般的におせち料理の盛り付けは、お重+取り皿が多いと思いますが、昨今の事情をふまえて、よりパーソナルな盛り付けを好まれる方も増えているとか。保存容器で準備しておいた品々を、一枚のプレートに盛り付けるためのおすすめアイテムをご紹介します。
―いつも敷盆で使用している、nami plateを、今日は盛り皿として使用してみました!ダイニングショップに行くと、さまざまな価格帯や素材の敷盆が販売されていますが、見た目の美しさや上質さ、扱いやすさの三拍子が揃ったものは、なかなかないんですよね。こちらのプレートは、漆塗りに職人が一枚一枚錫紛を蒔き込み、更に波の文様をつけることでそれぞれ表情が異なるんです。かつ、少し高さがあるので、和モダンでエレガントなイメージを演出したい時に活躍してくれます。
プレートと共に発売したGOKUBOSO箸は瓢のカタチをした箸置きとセットになっているので、縁起が良くハレの日の使用にぴったりです。ギフトBOX仕様なので、プレゼントにも。

―盛り付ける際には、小さな蓋付き小鉢を使って高低差を付けたり、食材と食材の間にグリーンのポイントカラーを入れたり一工夫をすると、全体的にトーンが落ち着いたテーブルセッティングがより一層おしゃれに仕上がります。
センターテーブルに、高さと窪みが開いている縦長のトレー“amuse bar(ekubo)”。その名の通りアミューズをセッティングするときに、こちらのアイテムがあるだけで、全体のおもてなし感がググっと上がります。
―このトレーは、直に食材を盛り付けることができるので、エクボに少しソースを敷いてフィンガーフードを置いたり、今回のように小さな蓋付き小鉢(球い子ちゃん)やコフレグラス・アミューズスプーンを置いたりする時に、安定感があるのが良いところです!BLACKは、くぼみ部分とTOP部分が艶の有り無しのツートンカラーで、SUZUはサイドがブラックカラーとのツートンになっているところもこだわりポイント。側面の角度や高さを微妙に調整し、セッティングしたときのスタイリッシュさは、理想的です。
<ツヴィリング>・<ヘレンド>のお品物は、伊勢丹新宿店 本館5階 キッチンダイニングにもお取扱いがございます。