<リヤドロ>70周年インタビュー|これからも伊勢丹新宿店に寄り添える創造的な作品を

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2023年に創業70周年を迎えたスペインのポーセリンアートブランド<LLADRÓ/リヤドロ>。バレンシアにある工房で一つひとつ手作業で作り上げられており、伝統的な技法を守りながらも革新的な作品にも積極的で、伊勢丹新宿店ではアーティスティックなコレクションへの注目が年々高まっています。この春から<リヤドロ>の新担当となったバイヤーの木屋 龍太があらためて感じたのが<リヤドロ>のこれからの可能性。伊勢丹新宿店のお客さまに提案したいこと、70周年の記念作品についてなど、リヤドロジャパン社長のシュウ ホイローン コリンさんに語っていただきました。

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    左:周 凱樑コリン (Colin Chow)
    リヤドロジャパン代表取締役社長
    1978年生まれ、香港出身。2000年香港科技大学(HKUST)卒業後Célineフランス本社、Alfred Dunhillを経て
    2018年S.T. Dupont Japon代表取締役社長に就任。2020年よりLladró Japan代表取締役社長を務める。
    香港・パリ・日本と国際的な経験を元にリヤドロのいろいろな可能性に挑戦し続けている。

    右:木屋 龍太
    伊勢丹新宿店 本館5階 ホームファニシング・キッチンダイニングバイヤー
    2008年(株)伊勢丹入社。婦人領域やプライベートブランド開発、ライフデザイン領域のセールスマネージャーを経て2023年4月より現職。趣味は読書、野球観戦。


<リヤドロ>の作品は職人によるハンドメイドが基本

木屋:2023年は<リヤドロ>にとって70周年という節目の年ですね。歴史あるブランドということで伊勢丹新宿店でも作品そのものが醸し出すクラフトマンシップに惹かれるという声はとても多いです。

コリンさん:<リヤドロ>の作品はすべてハンドメイドが基本です。創業以来の技法や技術は守り続けていますが、それと同じぐらいここ数年は現代のライフスタイルにマッチするモダンなデザイン性というのも大切にしています。さまざまなクリエーターやアーティストとのコラボレーションにも積極的なのは、これまでに<リヤドロ>にはなかったような新しいモチーフの作品を生み出すためです。

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木屋:<リヤドロ>の作品が完成するまでにはどのような工程があるのでしょうか。

コリンさん:<リヤドロ>の作品は分業制で制作されています。まずはスケッチを起こして、それをもとに彫刻家が粘土でマスターモデルを作ります。それから鋳込み型を使っての成型やパーツの組み立て、絵付け、焼成などを経て完成させるのですが、それぞれの工程にプロフェッショナルが携わっています。ひとつの作品には多数のパーツが使用されていて、絵付けのためのカラーパレットは4,000色以上あります。作品が製品として世の中に出るまでには2年から3年を要します。

木屋:個人的に<リヤドロ>といえばオリジナリティあふれる彩色も魅力だと思っていましたが、4,000色以上から生み出されると聞くと納得できました。

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コリンさん:<リヤドロ>はスペインブランドということで色使いは独特だと感じています。個人的な解釈ですが、地中海特有の美しい自然に触れることで優しく、温かみのある色彩感覚が養われるのかなと思っています。「Firefly」のランプなどは灯りを点けなくても穏やかな色彩に癒されますよね。

木屋:伊勢丹新宿店では「Firefly」に代表される卓上タイプからシャンデリア、スタンド式までライティングはすごく人気が高まっています。インテリアとしてのおしゃれさもありながら実用的というところが支持されている理由のようです。「Firefly」などはデザインやカラーも豊富なので、ひとりのお客さまが色違いで複数購入されるというケースも少なくありません。

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コリンさん:「Firefly」は世界的に見ても日本の売り上げシェアがダントツです。場所を選ばない充電式というのもご好評いただいていて、ディナーの際にテーブルに置いたり、バルコニーでゆっくりとお酒を嗜むときに持ち運んだり、お客さまはいろいろな楽しみ方をされているようです。「Firefly」はホタルという意味で、その名の通り柔らかく、温かみのある光はポーセリンならではだと思います。シェードもポーセリン製なんですよ。

70周年記念で発表された777体限定のドラゴン作品

木屋:コリンさんが個人的に好みの<リヤドロ>の作品はあったりしますか?

コリンさん:私の立場からすれば、もちろんすべてが好きです(笑)
伊勢丹新宿店のお客さまにはブランドの70周年を記念して777体限定で制作された「Origamiドラゴン」をおすすめしたいです。Origamiコレクションは以前から人気でしたが、ドラゴンはスペシャルエディションです。モダンな雰囲気に仕上がっているので、白を基調としたようなすっきりとしたお部屋のインテリアにもぴったりだと思います。ドラゴンはリヤドロジャパンとしてもずっと本社にプッシュしていたモチーフなんです。

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    リヤドロ
    Origami ドラゴン(Red) 70周年記念モデル=Limited Edition= (磁器 約幅46×奥行25×高さ36cm 重さ約3.4kg)
    264,000円 商品を見る
    □伊勢丹新宿店 本館5階 ウエストパーク/リヤドロ
    □日本橋三越本店 本館5階 リヤドロ
    □三越伊勢丹オンラインストア
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    リヤドロ
    守護龍(Gold) 70周年記念モデル=Limited Edition= (磁器 約幅41×奥行36×高さ62cm 重さ約10.5kg)
    2,200,000円 商品を見る
    □伊勢丹新宿店 本館5階 ウエストパーク/リヤドロ
    □日本橋三越本店 本館5階 リヤドロ
    □三越伊勢丹オンラインストア

木屋:70周年記念ということでは日本を代表するプロダクトデザイナーの深澤 直人さんとコラボレーションした「Mokuren」というシャンデリアも発表されていますよね。

コリンさん:<リヤドロ>のクリエーティブチームは世界中のクリエーター、アーティストを常にチェックしていて、深澤 直人さんも<リヤドロ>からオファーを出しました。深澤さんは家具なども手がけているので実用性というのをすごく重要視されている方ですが、今回の取り組みで印象的だったのが「美しさにフォーカスした」という言葉でした。木蓮の花がモチーフになっているのですが、花びらの成形は一枚一枚が手作業です。

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木屋:「Mokuren」は自分も発表会で目にしましたがライトが点いているときと、点いていないときではまた雰囲気が異なる独特の存在感でした。

コリンさん:コロナ禍という大変な時期での制作でしたが、バレンシアの工房で完成品を見たときに深澤さんも「感動した」と語ってくれました。とても意義のあるコラボレーションだったと思います。

木屋:この秋の新作としてはどのような作品が登場するのでしょうか。

コリンさん:日本のお客さまにも馴染みのあるお雛様、若武者、兜など、節句シリーズがリニューアルされて登場します。これまでよりもカラーがナチュラルで、より現代的な雰囲気にアレンジされ、さらにサイズもコンパクトになっているのでオブジェとしても違和感はなく、シーズンが終わってもそのまま飾っていたくなるおしゃれさですよ。

木屋:伊勢丹新宿店のお客さまも歳時記の楽しみ方というのが変化していて、従来の雛人形や兜飾りのような豪華さよりもモダンなデザイン性を求める方も増えているように感じています。新しい節句シリーズはそんなお客さまに喜ばれそうですね。

伊勢丹新宿店のお客さまの感性に寄り添える作品を

木屋:自分は<リヤドロ>の担当としては日が浅いのですが、知れば知るほどブランドのポテンシャルを感じています。「The Guest」や「Firefly」もこんなにもデザインバリエーションがあったのかと驚いています。<リヤドロ>作品のラインナップの奥深さをお客さまに知ってもらうためのプロモーションをザ・ステージで開催してみたいとも思っています。

コリンさん:それは<リヤドロ>としてもぜひ実現したいですね。スヌーピーやスターウォーズなどのキャラクター作品はコレクターの方たちはチェックが早いので完売することも多いのですが、一般のお客さまには知られていなかったりもします。<リヤドロ>の作品はファッションのように春夏シーズン、秋冬シーズンで新作を発表しています。次々と新しい作品を手がけている<リヤドロ>の想像力、創造力というものをプロモーションなどでお客さまにも知っていただきたいです。

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木屋:伊勢丹新宿店は<リヤドロ>の中でも革新的な作品を揃えているので、インテリアやオブジェもすべてファッションとして捉えるお客さまからは期待されている部分もあります。「伊勢丹新宿店にこの作品は置いていますか?」と三越伊勢丹グループの他店からのお問い合わせも頻繁にあります。

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コリンさん:お客さまの期待に応えるという意味では、<リヤドロ>としてはこれからカスタマイズに力を入れていきたいという考えも持っています。商売繁盛の縁起物ということで<リヤドロ>のダルマは企業の創業記念などでも人気の作品ですが、そのダルマに企業ロゴなどを刻印してほしいという声も多くて、そういうカスタマイズにも対応しています。節句シリーズにはオリジナルの立札を期間限定でプレゼントしており、お子さまの名入れのサービスも受けています。

木屋:<リヤドロ>はこれからも革新的な作品やサービスに挑戦し続けていくと思いますが、伊勢丹新宿店のお客さまにもっと提案していきたいことなどはありますか?

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コリンさん:とにかく審美眼が高いお客さまが多いというイメージなので、伊勢丹新宿店では<リヤドロ>の中でも特に斬新な作品を展開するようにしています。<リヤドロ>の革新性にも共感いただいているからこそ、私たちも伊勢丹新宿店のお客さまの感性に寄り添えるような作品を積極的に発表し続けていきたいですね。

木屋:これからも<リヤドロ>のポテンシャルに期待しています。本日はありがとうございました。