リネンプルオーバーシャツのある暮らし|大坪洋介さんコラボレーションシャツvol.2

ファッション・レジェンド 大坪洋介さんとタッグを組んだオーダーシャツが好評です。シャツをレイヤードするという業界人でさえ度肝を抜かれた第一弾に続いて登場したのは、リネンプルオーバーシャツ。
大坪さんとともにファッションの造詣も深いフードディレクターの林 綾子さんをお迎えし、“リネンプルオーバーシャツのある暮らし”をテーマに語っていただきました。

前回のインタビューはこちらから
 

──第二弾はイタリア トスカーナ(ポンタッシエーヴェ)でのディナーを想定してつくられたそうですね。

リネンシャツのイメージ

大坪:トスカーナ州のポンタッシエーヴェは世界でトップ3に入るほど好きな街です。ロスに暮らしているころは仕事の関係で年に3回は訪れました。フィレンツェで行われるピッティと取引先のグローバルミーティングに参加していたんですが、その時期のフィレンツェは業界人でごった返します。これが、疲れる。少し離れたところで宿を探して、たどり着いたのがトスカーナ州のポンタッシエーヴェでした。

ポンタッシエーヴェはフィレンツェから数駅の街、いや、村といったほうがいいな。自然が豊かで、ワイナリーもそこかしこにある。人は穏やかで、食べ物はなんでもおいしい。そんなトスカーナの魅力を凝縮したようなレストランホテルをわたしは定宿にしていました。

袖口アップの様子

その中庭で饗されるディナーに着ていきたいと思ってつくったシャツです。中庭といっても民家の庭に手入れをした程度のものです。こじんまりとして、ざっかけないところがわたしの琴線に触れたんですが、だからといってTシャツに短パンというわけにはいかない。丹精込めてつくってくれたシェフに失礼ですからね。

とにかくここの料理は最高です。裏の農園で採れる小麦でつくったパスタなんていまも思い出しただけで涎が出る(笑)。ある日、仕事仲間が市内のレストランを予約したっていうからあわてて断っていただきました。「ぼくはこの宿のメニューを制覇したいんだ。だからほかの店にいっているヒマはない」ってね(笑)。おかげさまで3分の2は胃袋におさめることができたんじゃないかな。

自宅の様子

大坪さんが取材後に、実際にご自宅で着用しくつろぎのひと時をご紹介してくださいました。

話を戻しますと、タイドアップするほどではないけれど、ディナーという空間と時間への敬意はきちんとあらわしたい。とすれば、どんなシャツを着るべきか? その答えがリネンプルオーバーシャツでした。
そうそう、わたしは仕事終わりにはかならずシャワーを浴びます。そうしてあたらしい服に身を包んでディナー会場を訪れます。服選び同様、それは大人なら当然のマナーです。

 

台湾の漢方屋さん巡りをしたい

──ディナーのざわめきが聞こえてきそうなお話でした。

さて、今回は林さんも大坪氏コラボシャツをつくられています。林さんならどんなシチュエーションで着たいですか。

リネンシャツの様子

 

:迷うことなく台湾です!漢方の店で生薬をじっくり品定めしたいですね。

アジアはもちろん、世界中いろんな国を旅してきましたが、一昨年はじめてお邪魔してすっかりはまってしまいました。台湾の料理は甘いものも辛いものも日本人の舌に合う。スパイスが効いていてこれもとっても美味しい。人々は底抜けにフレンドリーだし、アパレルやアートのレベルも高い。これからもっと注目されると確信しています。

大坪さん監修のこのシャツは素材がリネンなのでスーツケースに詰めても大丈夫。バスタブにぶら下げておけば気になるシワもきれいにとれそうです。
 

ロールアップする様子

 

大坪:異国情緒あふれる台湾の街並みにも似合いますね。

──どの街にも溶け込んで、ちょっぴりエレガンスを漂わせる。そのフトコロの深さ、さじ加減には唸ります。

:街だけじゃなく、オンとオフの境界線も取り払ってくれる佇まいです。肌馴染みのいいリネンだし、家でくつろぐときにもつい袖を通したくなる1着になりそう。友達の家へ行くときにちょっとおやつを買ってからなんていうときにも、そのまま出掛けられそうでいいですね。

──いまならどんな手土産を用意しますか。

ライオン像前の様子

 

:たとえば<noix de beurre/ノワ・ドゥ・ブール>。三越(日本橋・銀座)と伊勢丹(新宿)にしか入っていないフィナンシェのお店です。数あるフィナンシェのなかでも圧倒的に美味しい。バターのリッチさにかけては右に出るものがありません。近くに用事があればかならずといっていいほど寄ってしまいます。

このシャツを着ていれば、敷居が高い日本橋三越でも臆せずお邪魔できますね(笑)。

女性こそオーダーを

──敷居が高いですか。
 

シャツを受け取る様子

取材日当日、出来上がったシャツを受け取った林 綾子さん(左)、大坪 洋介さん(右)

:仕事柄地下の食品フロアはそうでもありませんが、はじめて足を踏み入れたオーダーサロンはさすがに緊張しました。そもそもオーダーするという行為自体がはじめての経験でしたから。

──たしかに女性には馴染みのないサービスかも知れませんね。じっさいに経験されてみて、どうでしたか

:さすが日本橋三越といった感じで、スタッフはみなプロフェッショナルで、それでいて親しみもある。細かいオーダーにも優しくアドバイスしていただきました。

衿元の様子

 

シャツができあがってからも感動の余韻は続きました。ひとつに、わたしだけの1着が出来上がってきた時の喜びと満足感。
もうひとつに、体験という付加価値が大切な時代ですが、採寸の時間から、できあがってくるまでの時間まで、こよなく贅沢な時間でした。そしてここが肝心なところですが(笑)、日本橋三越のオーダーシャツはけして高くない。下手な既製品より安いくらい。

──シャツの完成度も高いですね。サイズもぴったりなら、テイストもぴったりです。

:わたしにとってシャツは今の自分を素直に表現できるファッションアイテムの1つです。今でも様々な生地やディテールのシャツはたくさん持っているけど、オーダーだったらその気分やニュアンスを素材やデザインディテール、サイズ感で存分に表現できるから満足度はとても高いです。

また、シャツはどんなときでも美しさをキープしてくれるアイテム。わたしにとって、制服みたいなものです。毎日のように袖を通すわたしですが、特にこのシャツを着ると気分が上がります。さすが大坪さんです。
インスタグラムで大坪さんの遊び心の溢れる着こなしを見ていつも刺激を受けています。

──慣れてきたらご自分でいちから考えてみるのも面白いでしょうね。
 

袖口の様子

 

:今回もちょっとだけですが、リクエストしてみました。幅を狭くしてもらったカフスと、そこに入れた刺繍です。仕事柄、袖は折り返すことが多い。幅広のカフスを折り返すとぽってりしてしまって具合が悪い、というのがその理由です。刺繍はボタンホールの先に地色を拾った糸で入れてもらいました。

──そのさりげなさは上級者のテクニックですね。

:少し控え目に刺繍を入れてみたのですが、次はもう少し目立たせても良いかも?と、すぐに次のオーダーの事を考えていました(笑)。

大坪さんの美意識が隅々まで息づく

──最後にこのシャツの見どころを解説していただけますか。
 

畳んだシャツの様子

 

大坪:まず、わたしが普遍と考えるバンドカラーを採用したことが挙げられます。襟付きのシャツは剣先の長さや形状、台襟の高さなどが時代とともに変わっていきますが、バンドカラーに関してはそれがほぼない。

:長く着ていきたいシャツなので、トレンドに左右されないのはうれしいです。

大坪:プルオーバーのAライン、というのもポイントです。前立てが途中で切れるプルオーバー、緩やかに広がるAラインはいずれもプロポーションをよくみせる効果があります。タックアウトがさまになるよう、着丈は少し長めに仕上げました。

:このリネンもすばらしい。ワークベースの着こなしと民族調のディテールが好きなわたしにとって、ネップのあらわれかたはたまらないものがありました。

大坪:それはよかった。このリネンはフランダースリネンといわれるもので、文字どおりフランダース地方で織られています。たしかにスラブ感が見事ですよね。
 

林氏の画像

 

:わたし、リネンが大好きなんです。仕事につかうエプロンから自宅のカーテン、ベッドカバーまですべてリネンです。

リネンはびしょびしょになってもすぐに乾く。そして軽い。エプロンにとっても最高のファブリックなんです。エプロンって1日中首から掛けていると肩が凝るんです。だから軽さはとても重要。

──このシャツはベースになった私物があるそうですが・・・。

大坪:私が所有する<ベビーラクア>のシャツです。1950年にイタリアはトスカーナで創業したシャツの名門老舗です。

──あ、トスカーナつながりなんですね。

大坪:バレましたか(笑)。

シャツを確認する画像

大坪洋介氏プロフィール

大坪洋介
1970年代より29年間、米国カリフォルニア州、ロサンゼルスに在住した経験を持つ。40年以上、アメリカと日本を含むアジア、ヨーロッパにおいて、アパレル領域で幅広く活動。20代よりクラシックカーを運転し自身でメンテナンスするのが趣味の一つ。
現在は、常に、新しいライフスタイルを紹介する役割を担うための、懸け橋になりたいとの思いから活動している。

林綾子氏プロフィール

林綾子(フードディレクター / 料理家)
広告業界から転身し、飲食の世界へ。大手食品メーカーの商品開発、CMや雑誌のフードスタイリング、オーダーキッチンのプロップスタイリング等、食を中心にライフスタイル全般のディレクションを行う。中古マンションをフルリノベしたキッチンドリブンな自宅で料理教室なども開催中。

オーダー詳細
価格:オーダーワイシャツ 大坪洋介氏モデル 22,000円から
お渡し期間:約5週間後

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大坪洋介氏来店イベント

当日は大坪氏が来店し、お客さまのお好みやスタイルに合わせた生地選びなどのご提案をいたします。
□開催期間:2021年3月20日(土)・21日(日)各日午前11時~午後6時
□開催場所:日本橋三越本店 本館2階 パーソナルオーダーサロン
*イベント会期終了後も、コラボレーションモデルのシャツオーダーを承ります。
 

パーソナルオーダーサロン 「STYLES VOL.2」出店情報

□開催期間:2021年3月27日(土)・28日(日) 午前10時~午後7時
□入場料:1,000円
□開催場所:東京都渋谷区渋谷3-26-17 野村ビル1F
*イベントは終了いたしました。


Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:Kei Takegawa

*価格はすべて、税込です。
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日本橋三越本店 本館2階 パーソナルオーダーサロン
03-3274-8319(直通)