日本を代表するイラストレーター 永井 博氏の個展「Palm Street Songs」が開催
40年以上にわたり日本のイラストレーションの第一線で活躍し、海外からも高い評価を得ているイラストレーター永井 博氏の個展「Palm Street Songs」が、2023年8月2日(水)からイセタン ザ・スペースにて開催。会場では描き下ろしの最新作を含む原画作品約20点をご覧いただけるほか、ここでしか見られない限定グッズも販売・展示いたします。期間中は、永井 博氏ご本人も来場予定。タイミングがよければ、会えるかもしれません!
Palm Street Songs
□2023年8月2日(水)~8月28日(月)
□伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
※本イベントは終了いたしました。
公式Instagram @isetan_the_space
※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
目次
1.永井 博氏インタビュー
出版物として、CBSソニー出版「A LONG VACATION」(1979年)、「HALATION」(1981年)、小学館「NIAGARA SONGBOOK」(1982年)、ぶんか社「time goes by…」(2008年)、復刊ドットコム「CONTRAST」(2019年)を刊行。また、大瀧 詠一のアルバムジャケット「A LONG VACATION」では、CBSソニーより「アルバムジャケット特別賞」として、ゴールドディスクを受賞している。大瀧 詠一のレコードジャケットによって、そのイラストの作風は独自の地位を築き、その他、サザン・オールスターズ、松岡 直也、石黒 ケイ、藤原 ヒロシと川辺 ヒロシ、憂歌団、杉山 清貴など、多くのアーティストのレコード/CDジャケットを飾る。
近年ではAORのコンピレーション『breeze』シリーズ、ikkubaru『Amusement Park』、『brighter』、TEEN RUNNINGS『NOW』、サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』、アメリカのLight In The Attic Recordsより発売されたコンピレーション『Pacific Breeze: Japanese City Pop, AOR & Boogie 1976-1986』の1と2のジャケット・アートワークを担当。また2017年7月に「time goes by…」が復刊された。2020年9月、オーストラリア・シドニーにてエキシビジョンを開催。
──今回の展示タイトルを「Palm Street Songs」とした理由について教えてください。
たまたま昔作った同じ題(Palm Street Song)のLPサイズカレンダーのデザインを見ていて、今あえて原点に返るイメージでタイトルを設定しました。今回の作品たちを音楽に見立てて、タイトルをオリジナルのままではなく複数形にしました。楽曲のジャケットに採用された作品もいくつか出展します。
──今回手がけられた新作アートに関して、構想や制作過程でのポイントがあれば教えてください。
本来はパームツリーのある風景作品をさまざま描きたかったのですが、片目を手術した影響で目の調子が悪く、あまり枚数を描くことができませんでした。そういった自分の身体の状態の中で、これまでの緻密で細かい描き込みの作品だけでなく、モチーフを絞った気持ちの良い抜け感のある作品や、敢えて全体に細かい描き込みをせずにシンプルな構図と色の綺麗さを追求した”unfinished”と呼んでいる作風に取り組んだりもしています。あまりにも削ぎ落としすぎてもただのイラストレーションになってしまうので、どこまで描き込み、どこで止めるかがポイントの作風です。
これまで長く作家活動を続けてきましたが、歳を重ねていく自分の状態に合わせた作品制作を追求したいと思っています。
──音楽への造詣が深い永井さんですが、作品を制作される時にも常に音楽を聴いていらっしゃるのでしょうか?制作時のルーティーンや、制作環境のこだわりがあれば教えていただきたいです。
制作中には音楽はまったく聞きませんが、時代劇専門チャンネルを流して聴いています。時代劇は昔から同じ話を放映しているものが多く作品を描きながらでも話が分かるので、退屈もしないし邪魔にもならず丁度良いんです。池波 正太郎の代表作が元になった「剣客商売」シリーズをよく流しています。
また、同じ考え方で一度見たことのある韓国ドラマを流すこともあります。こちらは一年前に見たものがまた新鮮に見えたりして作業が捗らず、ドラマに集中してしまい、朝になってしまうことも(笑)。
──シティ・ポップ音楽のブームにより、永井さんのアートが更に幅広い層から人気を集めていますね。SNSでの反響や仕事の案件で、若年層や海外層からの注目を実感することはありますか?
InstagramやTwitterの海外フォロワーがとても増えていますね。日本に旅行へ来て和モノのレコードを買っているような層をきっかけに自分の認知が広がっていて、海外からの仕事のオファーを貰うことも以前に比べて増えてきました。海外でシティ・ポップが流行ったことで、未だに「LONG VACATION」の影響は大きいと感じます。
自分に関心を持ってもらえるのが嬉しい反面で、何を描いてもウケる感じが、過大評価されていたり、一部分だけを切り取られて自分のスタイルとして確立されてしまっているような印象もあります。
自分が30〜40代のときに描いた作品を今やり直しているような感覚なので、そのイメージを更新したいですね。
──今後の作家活動の展望や、取り組みたいことについて教えてください。
あとは死ぬしかないね(笑)というのは冗談で、ここ数年は仕事を詰め込みすぎたので、一度少し休んで体調を整えたいです。
また、引っ越しをして広いところで制作をしたいです。昔から建築やデザイン家具が好きで、優れた建築家の手掛けた建物に憧れがあるのでそういった物件を探したり、新たに使う家具を考えたりしています。
そのあとはクライアントワークの数を減らして、いつも忙しくて取り組みきれなかった新しいテーマに本腰を入れて制作して展示で発表することに集中したいです。
歳を重ねるにつれて作風を変化させていく作家が多い中で、自分は今も細かく緻密に描くことに取り組んでいるけれど、もっと絵をラフに、自由に描きたいと思っています。モチーフの再現という意味で自分より絵の上手い作家は日本にもたくさんいますが、何を題材に描くかという着眼点が一番作品を面白くするポイントだと思っています。これまでの作風に囚われず、新しい表現に挑戦していきたいです。
2.アート紹介
3.商品情報
話題のポータブルレコードプレーヤーの
スペシャルコラボレーションモデル
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オーディオテクニカ「サウンドバーガー」×永井 博
幅10×奥行き29×高さ7cm 39,600円
※予約販売 2024年2月上旬納品予定
1980年代の美意識をモチーフにしたレトロなデザインと、Bluetooth接続やUSB充電といった現代にマッチする性能を兼ね備えたオーディオテクニカ発のポータブルレコードプレーヤー「サウンドバーガー」。昨年40年振りに復刻し、オーディオファンの間で大きく話題となった本機が、自身も大のレコードコレクターであり現在もイベントでのアナログDJプレイを披露しているイラストレーター永井 博氏とコラボレーション。
永井氏のシグネチャーモチーフであるプールサイドの作品をトップパネルに落とし込んだ限定ブルーバージョンで、スリップマットには永井氏がレコードスタビライザーとして使用しているペンギンを模したモチーフとサインがプリントされた遊び心のあるデザインです。
今回のプールサイドの作品がモチーフとなった、永井氏直筆サイン入りのポストカードが付属します。
クラフトビールメーカー
VERTEREとのコラボレーション缶
奥多摩に醸造所を構えるブリュワリー、<VERTERE/バテレ>のクラフトビール缶と、永井 博氏のアートがコラボレーション。3種類の味とアートをお楽しみいただけます。
画集
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THE JOURNEY BEGINS 5,170円
永井 博氏ご本人のセレクトにより、初期作品から近年描かれたものまで、プールサイド・車・人物・夜景・波打ち・建物、そして代名詞でもある風に揺れるヤシの木・・・など、レコードジャケットや広告、書籍などで誰もが一度は目にしたことのある作品を収録。
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TROPICAL MODERN 3,300円
近年に描かれた、“建物”のある風景にフォーカスした作品集。自身も大の建築・建物好きという永井 博氏。そのフィルターを通すことで、憧れの情景は唯一無二の作品となり、本書全体を洗練された魅力で彩ります。