リアルショップだからこそ想いを共有したい!

<Girls Donʼt Cry/ガールズドントクライ>や<Wasted Youth/ウェイステッド ユース>などのプロジェクトをはじめ世界のストリートシーンを語るうえでかかせない存在となっているVERDY⽒。今回2 回⽬となる「VERDYʼS GIFT SHOP」ですが、前回は抽選⼊場の応募は50,000 通を超えたほど、その注⽬度は圧倒的。⼊場できなくても訪れるファンも多く、会場内での撮影はSNS を賑わせました。今回は初めて⼿がけたベビーグッズに注⽬、新たなアプローチなどについて質問。そこにはパパになったばかりのVERDYさんの愛情と優しさが詰まっていました。
VERDY'S GIFTSHOP
□2022年9月20日(火)〜10月23日(日)
□伊勢丹新宿店 本館2階 イセタンザ・スペース
公式Instagram@ isetan the space
掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
これからのモノづくりにも変化が起きるかもしれない初の⼦供服

−「凄まじい反響」のひと⾔に尽きる前回のイベントでしたが、あらためて振り返ってみていかがですか
VERDY:約1 年7 カ⽉前ですよね。その頃はオンラインショップぐらいしかやっていなくてお客さんにも、友だちにも会えないような時期でした。その中で伊勢丹新宿店から声をかけていただいて、⾃分としてはすごくいいタイミングで⾯⽩いことをやらせてもらえたと思っています。ポップアップに合わせてショーウインドーの装飾も⼿がけさせてもらいましたが、海外の友だちからも反応が⼤きかったですね。
−今回のポップアップですがVERDY さんもパパになったということで、メインテーマは「ベビー」です。初のベビーグッズが登場します
VERDY:これまでもベビーウェアのブランドからコラボレーションのオファーはあったんです。でも⾃分としては「今欲しいと思うモノ、必要としているモノ以外は作らない」ということをスタイルとして徹底しているので、⼦供がいないのに⼦供服のオファーを受けることはしてきませんでした。ただ、⼦供ができたことで⾃分がデザインした服を着せてみたいなと思うようになって今回初めて取り組んでみました。

−ベビーウェアやベビーグッズは初めての試みでしたが、これまでのコラボレーションとの違いはありましたか?
VERDY:ベビーウェアに関してはブランドとのコラボではなく、ゼロからオリジナルで作りたい思いは強かったです。⽣地やインクも安全⾯をしっかり検討しましたし、ワッペンも柔らかい素材を選んでいます。あとは⽇本製にもこだわりました。⼦供服の知識があまりなかったので、<SECRET BASE/シークレットベース>のHIDDY さんにスペシャルアドバイザーとして参加していただきました。ロンパースは試作段階ではバックプリントがあって、⼤きなワッペンを背中に付けることも考えたりしたんですけど、HIDDY さんから「背中だと可愛いのが⾒えないし、ワッペンも背中にあったら寝かせたときにゴワゴワして⾚ちゃんも嫌がるよ」(笑)。そんな当たり前のようなこともすべてが勉強でした。⽇常の中でふと感じたことや思ったことを反映していくのが⾃分のクリエイティブでもあるので、⼦供と過ごしたり、⼦供服を⼿がけたことでこれからのモノづくりのアプローチや作ってみたくなるアイテムが変化していく可能性があるのかなって感じています。

いつもの「かっこいい」よりもベビーグッズは「可愛い」を意識
−ベビーウェアだけでなくベビーカーやミールセットのデザインやカラーリングもとにかく「可愛い」という印象です
VERDY:<CYBEX/サイベックス>のベビーカーは⾃分に⼦供が⽣まれたときに欲しいと思っていて予約のために伊勢丹新宿店を訪れたんですけど、お店で貸し出しているベビーカーも<サイベックス>ですよね?伊勢丹新宿店とブランドも仲が良さそうだし、それなら<サイベックス>とやりたいなって。<ガールズドントクライ>では総柄って少ないんですけど、ベビーカーなら可愛いかもしれないっていろいろなパターンを考えて採⽤しました。<ガールズドントクライ>はストリートブランドなので、いつもなら「かっこいい」を優先して考えるんですけど、<10mois/ディモワ>の陶器のミールセットも可愛く仕上げたいなってベビーピンクを選びました。⼦供もちょうど離乳⾷が始める⽉齢なので、⾃分にとっても必要なベビーアイテムのひとつです。

−ショーウィンドーでも流れているムービーはベビー⽤品を扱うブランドでは⾒られないVERDYさんらしい仕上がりになりましたね
VERDY:ムービー制作では伊勢丹新宿店にも<サイベックス>にも⾃由にやらせていただいていることを再確認しました(笑)。⾃分らしいムービーを作りたいという思いは強かったので映像も知り合いにお願いして、出演も友だち⼤集合という感じで撮影はとにかく楽しかったですよ。東京のかっこいいストリートという感じを表現できたのかなと思っています。
−パパになったことでVERDY さんも⼼境の変化みたいなものはありますか?
VERDY:これまでも1 ⽇1 ⽇を⼤切にしてきましたが、その思いがより強くなりました。⾚ちゃんが産まれて抱っこするたびに重たくなっていきますし、1 カ⽉、2カ⽉と時の流れを常に感じるようになったので家にいるときはできる限りお世話もしています。話し始めるとそれも楽しいとは思うんですけど、周りからは「⾔葉も発せないような時は⼆度と戻ってこないよ」ってよく⾔われます。なので今をすごく⼤切にしていきたいです。

−<ガールズドントクライ>の新作や新たなコラボレーションアイテムも楽しみにしているファンは多いはずです
VERDY:<ガールズドントクライ>に関しては⽇本で⼤々的に販売したのは前回の伊勢丹新宿店が最後でした。そこから1 年以上も期間があったのでアイデアも産まれていましたし、アイテムも作りためていました。それを今回の伊勢丹新宿店のポップアップで販売します。定番もありますし、ベビーウェアを作ったことがきっかけで⽣まれた⼦供とペアで着られる⼤⼈T シャツもあります。<Steiff/シュタイフ>は前からコラボレーションのオファーをいただいていたんですけど、⾃分が納得できるものができ完成したら販売しようと思っていたんです。それがちょうど今回のポップアップのタイミングに重なったという感じです。⾃分は百貨店でのイベントなら伊勢丹新宿店でやりたいと思うように王道が好きなんで「クマをやるなら<シュタイフ>だろう」と決めていました。333 個限定ですが、その理由は⾃分が好きな数字だからです(笑)。<Budweiser/バドワイザー>とコラボレーションしたビールの空き⽸のオブジェはずっと作りたかったものです。樹脂に閉じ込めている⽸は全部⾃分で飲みました。きれいに洗っているので安⼼してください。もしも販売する数を増やすなら、これからもっと飲まないといけなくなります(笑)。

会場装飾や環境、雰囲気までもリアルに体感して楽しんでほしい
−グリーンのロゴが⽬を惹くポップアップショップは⼤⼈コーナーとベビーコーナーに分かれるなど会場もユニークです
VERDY:グリーンは今回のポップアップのテーマカラーですが、⼦供が産まれてから緑のある公園にも散歩に⾏くことが多くなったので、そこからのインスピレーションというのもあります。前回は広いスペースを広々と⾒せるという会場構成でしたが、今回は広いけれどモノがギュッとガチャガチャと集結しているような⾒せ⽅を意識しました。ひとつのブースでありとあらゆる雑貨が揃う「キオスク」のようなスタイルもアイデアとしてずっと持っていたことです。

−ショーウィンドーではガラス越しですがハートのレリーフも会場で⾒ることができます。壁⾯に飾られたVERDY さんの私物の額装ポスターも貴重です
VERDY:ハートのレリーフは⾃分でイメージしていた通りのものができたと思っているので、実物をぜひ⾒ていただきたいです。より可愛く感じられると思いますよ。<ガールズドントクライ>のグラフィックは同じですが、前回はライトというクリアな質感でしたが、それに⽐べて今回は柔らかくてふわふわです。ポスターは事務所に飾っているものですが、普段はSNS や雑誌でしか⽬にすることができないと思うのでせっかくの機会なので持ってきました。ベビーウェアもハートのレリーフも今の⾃分が抱いている感情や気持ちがそのまま表現されているので、商品や会場装飾を通じてもっと⾃分のパーソナルな部分を共有してもらえたらうれしいです。並んで選んで買って帰るだけならオンラインと変わらないので、リアルショップだからこそゆっくり、じっくりと商品などを⾒てもらって、会場の雰囲気も楽しんでもらいたです。

VERDY
「VK DESIGN WORKS」所属のアーティスト。<ガールズドントクライ>や<ウエステッドユース>などのプロジェクトを⼿がける。