お受験に向けた心構えとオーダー服<アトリエ マダム・ジョウフク>
~5世代にわたるお受験を通して~
オールジャパンメイドの子ども服は格別の一品と定評がある、ラクジュアリーな子ども服ブランド<アトリエ マダム・ジョウフク>。デザインを手がけるのは、数多くのお受験の場面に花を添えるだけでなく、喜びの春につなげてこられた城福 和代氏。自身もかつてお受験し、祖父母の代から孫まで、5世代に渡ってお受験を経験してきたといいます。城福氏の生まれ育った環境からも見えてくる<アトリエ マダム・ジョウフク>にしか作ることができないこだわりの子ども服は、難関・名門校の合格へと多くのお子さまをサポートしてきました。ブランドの背景や大切にしている考えや想い、魅力について、城福氏にお話を伺いました。
日本独自の文化や美しさ、感性に、本物の装いを通して触れてほしい
宮入:<アトリエ マダム・ジョウフク>の子ども服は、お客さまから「独特のエレガントさや上品さ、あるいは懐かしさを感じる」と、大変評判をいただいています。このような子ども服をプロデュースされるには、城福さんを取り巻く環境やご経験がブランドの文化となっていると思うのですが、お洋服作りに興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?
城福:私と服作りの接点は、幼い頃、大阪心斎橋にあった田中 千代さんのデザインルームで、父にお洋服を作ってもらっていたことが始まりだと思います。そのときに生地を選ぶ楽しみや子どもを愛するという親の思い、優しさ、本物を体感することの重要性を学びました。また父の又従兄妹が、京都のデザイナー・藤川 延子さんであったことも、私が着る物の大切さを感じたきっかけのひとつです。藤川さんは藤川学園を創設し、<ワコール>で初めて下着ショーを行った有名なデザイナーでした。お姿だけでなく、人としての生き方やお心がとても美しく、刺激を受けました。ほかにも、曾祖父が現在の<グンゼ>、当時の最大の輸出品であったシルクを生産する郡是製糸を創立し、初代社長であったことも、接点の一つだと思います。
宮入:洋裁関係の方が多いご家系だったのですね。<アトリエ マダム・ジョウフク>は、どのような思いで立ち上げられたのでしょうか?
城福:これから世界へ羽ばたく子どもたちに、日本独自の美しい“センス”を感じていただきたいとの思いでお洋服を作っております。戦後、日本には種々雑多な大量消費の文化が入ってきて、手作りや職人文化を大切にしていた日本の文化が変わってきた中で、生活の大切な一部でもある装いを、本当の意味で大切に思う風潮が薄れてしまいました。ですから、子どもたちに装いを通じて、日本の本物の良さを味わう、体感させないと、素晴らしい力を持つ本当の日本文化は感じられない、わからなくなる、と思うのです。例えば十二単ですが、季節のうつろいに合わせ、色をグラデーションや対比の組み合わせで、12色重ねるというのは素晴らしいことで、平安時代には日本人にその感性がすでにあり、海外から見てもこのような繊細な色彩感覚は日本以外にありません。
城福:またひとえに“黒”といっても、日本には100色ほどあり、その違いを見分けられるのは、日本人とフランス人だけだと言われています。そういう日本人が持っている色彩センスを、幼少期から肌身で感じてもらいたいのです。同じ赤と言っても、このように違う、同じ白でもこのように違うという色に対する考え方を子どもの頃から持っていただくために、<アトリエ マダム・ジョウフク>のお洋服の色や形はとてもシンプルです。長く西洋で着られていた形に日本文化を合体させ、両方の良いところをマージしたものをご提供しています。そして、繊細で、美しくやさしい色やデザイン・刺繍・素材などに、本物の子ども服を通して触れることで、「心ふるえる思い」を経験いただき、日本の繊細な文化の一端を体感していただく機会も、同時にご提供しています。
宮入:城福さんご自身も、お受験をご経験されたのですよね。
城福:私の祖父が教育を大事に考える人でしたので、私自身も小学部から受験をしましたし、私の子どもたちも幼稚園から受験を経験させました。祖父自身も受験を経験し、父も明治の時代ですが、幼稚園受験を経験しておりました。そしていつの時代でも変わらず、お受験という出会いの場での服装というものが、それぞれの家庭の文化のひとつの現れであるということも、肌身で感じて育ちました。今はお受験ブームでなんとなくお受験される方も多いかもしれませんが、本来お受験というものは、「親や家庭がどういうふうに子どもを育てていきたいか」という思いを示すものです。そしてそれぞれの家庭の文化や、先程お話ししましたような、今いる日本の繊細な文化をしっかり持っているということを、アピールする場でもあると思うのです。そのような、子どもへの思いと学校の思いが合致したときは良い結果を生むし、例え良い結果にならなくても、人を大切に思う心や、生活文化を大切にする思いを育むことになり、子どもの将来に繋がると信じております。
宮入:お受験が当たり前だった環境にいたということも、お洋服作りへの思いに反映されているのかもしれませんね。
城福:そうですね。お受験は家族の愛情の現れでもあります。せっかく日本らしいお受験という独特の風習があるので、そのお受験を通して私のような歳のものがお役に立てるのはとても嬉しいことです。それにお受験は単に「子どもを良い学校に入れたい」いうことではなく、子を思う気持ちを皆さんがお持ちであるという心の現れだと思うのです。お受験服は、ご家庭の文化や愛情の現れであるとともに、子どもの生涯にわたる感性を育む最初のきっかけであり、大変に重要です。そのような思いでお子さまとご家族の幸せな人生を思い、デザインをし、刺繍を施しています。
宮入:城福さんが手がけられるお刺繍は、とても細かく綺麗ですよね。
城福:これは襟に小花を刺繍していますが、ヨーロッパのイニシャルを入れながらも日本的なアレンジを加えています。薔薇とレンギョウなど実際にある花を思い浮かべながら刺繍をし、子どもたちが日本にはいろいろな花があることを知り、それを愛で、春になったら桜を見て心が弾むように自分の心が豊かになっていく。そういう体験をしていただきたいですし、そういう気持ちになることによって、お受験というものも突破できるような気がします。
宮入:<アトリエ マダム・ジョウフク>のお洋服は、生地や仕立てが素晴らしいだけでなく、子どもたちに対する想いがたくさん込められたお洋服なのですね。
城福:桜が終われば緑の美しさがあり、夏の海を見て秋になり、紅葉が終われば落ち葉になる。そうして寂しくなりながら冬になるという四季が、日本のいろいろな物の色合い、センスや文化に出ていると思うのです。そういう日本の美しさや文化の輝きを、お受験というきっかけを通して広めていきたいとも思っております。お受験はそれぞれの学校が大切にする文化と、お子さまに対するご家族の愛情とを結びつける出会いの場です。<アトリエ マダム・ジョウフク>は、学校の文化に対する尊重とご家族のお子さまに対する愛情、お子さまの輝く個性、このすべてを大切にするブランドであり続けます。
共働きを歓迎する学校が増加している、昨今のお受験事情とは?
宮入:<アトリエ マダム・ジョウフク>はもともとお受験服として始まったブランドではなく、ノーブルなお品物のラインナップが学校の先生方の望まれているご家庭像に合致していたため、お受験服として選ばれることが多くなったのだと思います。ブランドの発足以来約20年、4,000組以上のお客さまがそのアドバイスに多くの信頼を寄せ、お受験成功の実績と経験を重ねていらっしゃる、プランナーの夏目さんにお伺いしたいと思います。コロナ禍でお受験はどのように変化しましたか?
夏目:学校関係者の方々にお伺いしたところ、コロナ禍から出願数が増えたそうです。その背景には、文科省による英語教育の義務化やギガスクール構想がコロナによって格段と進めざるをえない状況になり、そうなってくると歴史ある伝統校、私立小学校の恵まれた環境でICT教育や英語教育を我が子には学ばせたい、と思う親御さんが増えたことが理由にあると思います。またコロナ禍を経て、受験する学校に対する考えにおいて以前とこだわる点が変わってきたように感じます。
宮入:学校側の状況も親御さまの意識もコロナ禍で変化が起こっているのですね。試験についてはどのような変化がありますでしょうか?
夏目:昨年からはマスクオフとなり、秋の面接、本試験などは通常の内容に戻りつつあります。都内の私立小学校では試験日程が集中することにより試験日が重なり受験生の複数校受験が難しくなっている状況があります。本来であれば第一志望校のために準備をすれば良いわけですが、力を十分発揮出来ない可能性も考え、場合によっては5校~6校に願書を提出し予定を組まれるご家庭も増えているそうです。受験する学校の日々更新される学校ホームページを確認し、学校説明会に足を運び情報収集し、願書作成に大いに活かして面談、本試験の時に自信を持って臨めるようされていると聞いております。
宮入:ライフスタイルの変化ということでも、お受験をされる方が増えてきた傾向はありますか?
夏目:15年ほど前と大きく違うのは、共働きのご家庭が増え、ダブルインカムの親御さまの受験がとても増えたことです。学校側も共働きのご家庭が増えることによって放課後にアフタースクールのようなお預かりの時間を設け、午後5時以降にお迎えがきても大丈夫なようになさったり、と、20年前くらいには考えられなかったような取り組みが始まった学校もあります。
宮入:以前のお受験というと、お母さまがお家にいてしっかりと子どもの勉強を見る、というご家庭が多かったですよね。
夏目:そうですね。以前はお受験が済むまではお仕事を控えていたお母さまも多く、たとえお仕事をなさっていても、ご家族のご協力をいただいてお受験に臨まれる方が多くいらっしゃいましたが、今はお母さまがフルタイムのお仕事をなさっていても働き方改革もあって企業側の理解、そして学校の先生方のご理解も深まり、共働きでもお受験をするご家庭が増えてきたのかなと思います。
「お受験」は子どもの将来についてご家族で考え、一丸となって向かう心構えが大切
宮入:お受験を挑戦するにあたり、通塾の必要性や家族の関わり方・役割などで大切なことは何でしょうか?
夏目:たとえば、幼稚園のお試験では、それまでどのような日常生活をお子さまが過ごし、成長してこられたかなどを先生方はご覧になります。忙しい日常の中でも四季折々の変化をお子さまと共に楽しみ、丁寧に生活をする、お家のお手伝いなどを通じて学び躾けることなど、昔はそういったことを大家族で一緒に行うことの出来たご家庭の方は通塾しなくても合格されることがありました。ですが今は核家族化でそういった環境ではない場合が多いので、多くの方が塾に通いながら学ばれています。小学校受験では、少子化とはいえ小学校をお受験するご家庭の熱意からも通塾して臨みたいと思う方がほとんどという現状です。
宮入:まだ小さいお子さまですから、塾に通うときにご家族みなさまの関わり方というのは大事になってきますよね。
夏目:そうですね。塾の先生方のご指導は確かに大切なのですが、まずご家族がよく話し合い、塾の先生のご指導を受けていく、塾の先生のご意見の前にご家族の考えがきちんとまとまっていることが大切です。私どもの経験ですと、塾の先生のアドバイスには耳を傾けるけれどもその言葉に振り回されることなく、ご家族の考えが秋に向けて徐々にまとまっていき最後にはブレることのないご家庭の方が難関校も突破されている傾向にあるように思います。
宮入:ご家族が一丸となってお受験に向かっていく考えや家庭力が、合格につながっていくのですね。
夏目:はい、子どもに将来どのような人になってほしいかなど、しっかりまとまっていることが家庭力に繋がると思います。私が心がけているのは、どこの学校に入るためにはこのお洋服、という考え方ではなく、まずご家庭のお考えをお聞きすることです。ご家庭のお考えを受けて、お受験される学校とのマッチングをこちらの方で誠意を持ってご対応し、アドバイスをさせていただくというのが私の役割だと思っています。デザイナーの城福が作るお洋服をお召しいただいた時にお子さまにスポットライトがあたったように、先生方に目を留めていただけるよう心がけております。
お子さまの顔映りが綺麗に見え、個性が引き出される受験服選びを
宮入:お受験の傾向は変化があるとのことでしたが、服装の傾向に変化はありますでしょうか?例えば、面接での子ども服はネイビーが良いとされていますが、それは今も変わらないのでしょうか?
夏目:まず、なぜ制服にネイビーが多いのかというとある私立の伝統校の制服が海軍の制服を手本に作られたということや紺色は汚れが目立ちにくいこと、また日本人が着たときに大変シックにキリッとして見えるので受験のご挨拶の場面でもお洋服のお色目はネイビーが多いのではと思っております。しかし、ネイビーにしておけば良いというわけでもありません。
いちばん大事なのは、それぞれのお子さまのその素晴らしい個性を引き出す色を選ぶことです。幼稚園のご準備に関しては、お身体も小さいですし、堅い印象のネイビーではなくお子さまの心が華やぐようなピンク色・スカイブルーなど、明るい色をお召しになる方も多くいらっしゃいます。また私ども<アトリエ マダム・ジョウフク>では同じネイビーでも黒に近い紺色、明るめの紺色、生地の厚さやつや感など、素材によっても紺色の見え方は異なりますので、お客さまにご覧いただきご相談しながら、それぞれのお子さまに合ったご提案をできるようにしております。
宮入:男子校・女子校・ミッション系の違いや、私立・国立の違いなど、学校によってお洋服の傾向は違いますか?またスクールカラーを取り入れたアピールの必要性はあるのでしょうか?
夏目:「<アトリエ マダム・ジョウフク>のお洋服は、試験会場で大勢の中に立った時にも埋もれてしまわず、先生方に目を留めていただくことができた」というお客さまからのお声をいただくことが多いです。それは、お洋服を選ぶ時に学校の系統やスクールカラーなどに合わせるのではなく、お子さまが上品に大勢のなかでもアピールできるお洋服をご提案しているからだと思っております。もちろん、各学校の試験内容によって服装を考えることは大切ですが受ける学校によってお洋服を変えるという考えではなく、大切な日にその子の個性が映えるお洋服を選ぶことが大事だと思います。
宮入:まわりがネイビーばかりなので、ネイビー以外はダメなんじゃないかと思ってしまう方も多いですよね。
夏目:<アトリエ マダム・ジョウフク>にいらしてくださったお客さまは、あふれるさまざまな情報に振り回されるのではなく、アドバイスを踏まえつつも、最終的にはご家族で、お子さまの個性が一番引き出されるお洋服は何か、ということをしっかり自らが考え、信念をもって、「このお洋服でよかった」と思ってくださる方が多いです。明るく健康的な顔映りをすることが大切で、何よりも、ご本人の良さが引き出されていること。要は、本当にご本人に似合っていることをご家族自らが判断され、信念を持たれていることが、学校側にも伝わることが、大切です。
宮入:きちんとしたお洋服に慣れる重要性について、何かアドバイスがあれば教えていただけますか。
夏目:オーダー服に慣れておくことは、将来に向けて羽ばたく上でもとても大切だと思います。小さい頃から良いものに触れていると、将来の感性の豊かさに繋がります。きちんとしたお洋服で過ごすことにより、自然と美しい所作や動作、立ち居振る舞いを身につけることが出来ます。
心のこもった子ども服を装うことは、学校の文化を尊重しているというメッセージ
宮入:改めて、ラクジュアリーなオーダー子ども服ブランド<アトリエ マダム・ジョウフク>の一番のこだわりは何でしょうか?
城福:お子さまには、それぞれ輝く個性があります。お子さまがお洋服を実際に着て、どのように見えるか。そのお子さまの個性が一番綺麗に輝いて見えるようなお洋服づくりを大切にしています。また<アトリエ マダム・ジョウフク>の特徴としては、使っている布の量がとても多いことです。子どもたちが実際に試着して「これにする」とおっしゃるのは、布をたくさん使い、ゆったりと仕上げているからだと思っています。またノーブルなことも特徴です。ノーブルな服を着ることで身のこなし方が備わり、将来大人になったときに海外だけでなく、どのような世界でも自信をもって立ち居振る舞いをすることができるようになると思います。小さい頃からノーブルに触れて感覚を養い、ご家族揃ってそういう感覚を持っていただきたいと思っております。
宮入:オーダー服によるオンリーワンの演出は、お受験にはどのように影響するのでしょうか?
城福:お受験では、ご家族が揃って子どもに一生懸命になっておられるという家庭の姿を、学校は見ています。ネイビーが良いとかは関係なく、お洋服でお子さまがいかに品良く健やかに見えるか、ということが大事です。グレーの方が合う方もいますし、白いブラウスをはさんでネイビーのジャンパースカートが似合う方、それぞれの個性があり、いろいろいらっしゃいます。それをご家族が一緒になって見極めるという、その家庭の姿勢や考え方が学校側に伝わり、輝く将来を掴まれることとなると思います。心のこもった子ども服を装い受験することは、学校が大切にしている文化や考えを尊重しているという、お子さまやご家族の学校に向けての大切なメッセージにもなるのです。店頭ではお子さまも喜んで何着か着ています。それも私は大切かなと思っています。私もそうでしたが、幼少期に自分で選ぶ楽しみを経験することができるということが、オーダーの良さです。
夏目:良い素材のお洋服にお子さまが手を通したとき、「気持ち良い」と思うことはとっても大事です。ただでさえ受験会場は緊張しますので、せめて良い素材で気持ち良く過ごせるということが、最終的に購入の決め手になっているように感じます。一枚でも誂えを経験したことのあるお子さまの感性と、一度も経験がない場合では、感性もまったく違うものになると思います。その点をお客さまにお伝えすると、「確かに受験はきっかけだけど、良いものをひとつ作ってみて、お写真を撮って残そうか」とおっしゃる方が多いです。受験の合否は悲喜こもごもに必ず出ますが、「トライして良かった」と言っていただけるよう、心を込めてご対応しております。
城福::お受験自体が目的のすべてで、通らないといけない道だと思っている方もいらっしゃいます。でもそうじゃないと私は思います。子どもたちが仕立ての良い、素敵なお洋服をいっぱい着てみて、ご本人が「これが良い」と自ら感じ選ぶ経験をする。それがお受験の意義となり、オーダーの意味になると思うのです。着るものによって、人は動きまで変わりますから。
夏目:<アトリエ マダム・ジョウフク>を着ていただくと「プリンセスマジックにかかったよう!」と言っていただくことも多いのです。お子さまご自身がちょっとお行儀を良くしなくては!という意識を持ってくれると。
城福:そうなんです。お値段が高価だということからではなく、着て歩いたときに自分の肌に合う感覚。それを経験することで、今3、4歳のお子さまたちが、それぞれの素敵な将来に向けてどれだけの種を蒔いてくれるか。私が2、3歳の頃にしてもらっていた経験が、今に生きていると思うように、お子さまたちにも感じていただけたらと思います。
生涯にわたっての大切な経験にもなる、伊勢丹新宿店でのお受験服オーダー会
宮入:今年も<アトリエ マダム・ジョウフク>のお洋服を着たお子さまが難関・名門校にたくさん合格されましたが、気になる傾向などありましたか?
夏目:昔は「あの学校が向いていそう」と、見た目の雰囲気でわかるお子さまがいらっしゃったのですが、この4、5年ではお子さまおひとりで、3校も4校も難関校に受かってしまうというご家庭がとても増えています。そんなご家庭に共通しているのが、ご家族の一体感があり、とても感じが良いことです。人の話を真摯に聞こうとする気持ちがあり、でも種々雑多なさまざまな情報には惑わされずにご家族で考えをまとめて、分からないときは周りの本当に物事が分かる方に相談して・・・という、素直に謙虚に一生懸命取り組んでいる姿が、学校の先生が来て欲しいと思うご家族なのだなと思います。お子さまもそんな親御さんの姿を見ているので、「ありがとうございます」ときちんとご挨拶ができるのです。
城福:素直で謙虚が一番かと思います。こちらがすすめても親御さんが「いや」と、お子さまの意見も聞かず、親御さんだけの考えや、どなたかが言っているからだけの理由で決めてしまわれるような、ご家族で意見がバラバラのご家庭はお受験もうまくいかないように見ています。夏目の話も真摯に聞いてくださり、お子さまの話にも素直に耳を傾けるようなご家庭が、お受験に成功されるんじゃないかと感じます。
宮入:毎年<アトリエ マダム・ジョウフク>のオーダー会は大変ご好評ですが、オーダー服はちょっとハードルが高い・・・と思われている方に、何かメッセージはありますでしょうか?
夏目:私たちはお受験をやってみてどのような結果であれ、「経験してよかった」と感じてほしいとの思いがあります。そのためにも、<アトリエ マダム・ジョウフク>の子ども服のオーダーは、生涯の心の財産として残るよう心を込めてご対応させていただきます。機会がございましたら、ぜひ一度足をお運び<アトリエ マダム・ジョウフク>のブランド・フィロソフィーを感じていただければ、と思っております。
城福:私はこのオーダー会で、私どもの子ども服づくりの考えを感じ取っていただくことで、日本の文化を知ってもらえるきっかけになったら良いなと思っております。人生の基盤である衣食住の“衣”の分野で日本の文化を知ることができる。そのような本物のお洋服を着せてもらったという体験をするためだけでも、店頭にお越しいただければと思っております。オーダーはお子さまへの思いを、お子さまに自然に伝えられるまたとない機会で、本当に美しい物、本物に心震える体感を共有する機会でもあります。生涯にわたっての大切な経験にもなりますため、どうぞご家族の幸せな時間の共有の機会として、気持ちを穏やかにお心安く、オーダーを体験していただきたいと思っております。
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城福 和代
<アトリエ マダム・ジョウフク>デザイナー
昭和9年生まれ。小学部から短期大学まで帝塚山学院で学ぶ。帝塚山学院短期大学では服飾科を専攻し、結婚後、家庭での子育てにおいて、お受験も経験するとともに、子ども服をはじめ子ども達、家族の身の回りに心を込める生活を徹底。その後、ニューヨーク一時滞在時に披露した子ども服がニューヨーカーからも高評価を受けたことをきっかけに、平成12年に<アトリエ マダム・ジョウフク>を立ち上げ、平成17年フォーシーズンズホテル椿山荘東京で発表会兼受注会を開催。平成21年より伊勢丹新宿店、平成23年より三越日本橋店で取扱い開始、現在に至る。
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夏目 有利子
<アトリエ マダム・ジョウフク>プランナー
昭和40年生まれ。初等部から大学まで青山学院で学ぶ。大学在学中にFM横浜のラジオ番組のパーソナリティに抜擢されたことをきっかけにアーティストから教育関係者など幅広い分野の方々を取材。平成12年のブランド設立当初よりデザイナー城福 和代氏に師事し、ブランドのプランナーとして企画などを担当、現在に至る。