
1990年以来30年ぶりにリフレッシュオープンした日本橋三越本店6階美術フロアでは、茶道具サロンの規模を拡大し、「千家十職」のコーナーを新設しました。110年以上歴史のある美術フロアにあって、茶道工芸の最高峰の作品に出会える常設コーナーは初の試みです。リフレッシュオープンを記念して、茶道具の魅力や楽しみ方を担当バイヤーに聞きました。
これまで茶道具サロンは、アートギャラリーの一角だけでしたが、リフレッシュオープンを機に、日本が誇る「茶の湯」の文化を国内外に向けて発信していきたいという想いでコーナーを拡大しました。
趣味趣向の変遷とともに、国内の茶道人口も減少しつつあります。私たちは百貨店だからこそできることを考え、その間口を広くしていきたいと考えています。常日頃から茶道具に慣れ親しんでいる方も、これまで格式が高いと感じてこられた方もお気に入りの茶道具に出会えるよう、普段のお稽古で使用するものから、お茶会やお茶事で使えるものまで、フルラインナップでご提案してまいります。
これまでは「千家十職」など逸品のご紹介も、三越内の画廊での展覧会を介していました。新たにアートギャラリーの顔となるセンターステージに、床の間を設けてお客さまをお迎えする私たちの心を表す掛軸をかけ、また「千家十職」のコーナーを設置したことで、常設でご覧いただけるようになりました。アートギャラリーに踏み込んだとき、お客さまの目に一番初めに飛び込んでくる場所ですから、おもてなしの気持ちを込めて、床の間を飾っております。
千家十職とは、表千家、裏千家、武者小路千家の「茶道三千家」の茶道具づくりを生業とした十の職家を表す尊称で、大正時代に三越の美術部が命名したといわれています。これだけ最高峰の茶道具が常設で見られるのは、日本橋三越本店だけ。逸品に触れることで、茶道具の魅力を知っていただく――そんなきっかけになればと思います。
今までは本当に限られた茶道具のみの品揃えでしたが、スペースが広がったことによって、多種多様なお茶会に対応できるようになりました。掛軸のコーナーも新しくでき、豊富な品揃えの中からシーンに合わせてお選びいただけます。
お茶会はトータルコーディネートなので、センスの光るものを取り入れるような、そんなヒントになるものを探しに来ていただければ嬉しいです。
画廊での展覧会ももちろん引き続き開催していく予定ですので、ぜひ足をお運びください。
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