男ゆかた 粋に着こなす 小物アイテム 第一弾!

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仕事、プライベートで使ってもおしゃれ!普段使いもできる小物入れ。また女性からのプレゼントとしても人気の商品をピックアップ!数多くあるアイテムの中から大切な人へのプレゼントのヒントとなるヒストリーをご紹介。

坂庭のロゴ画像
靴鞄修理<坂庭>
革職人・篠田 俊樹が埼玉・川越市の弁天横丁に構える個人工房。靴鞄修理店も兼ねる。培った皮革技術で本革素材を生かしたオリジナル製品を手掛けている。

坂庭/合財袋への思い

「小江戸川越」

小江戸川越の画像

埼玉県川越市。かつては江戸の北西を守る要として栄えた城下町で、今も蔵造りと呼ばれる建築様式の土蔵や商屋が残ることで知られる観光地。平成11年(1999年)に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、江戸の情緒を感じさせるレトロな町並みが広がっています。

川越・弁天横丁に来られた経緯は?

幼い頃から祖父の影響で時代劇や骨董が好きでした。川越の風情ある町並みに惹かれたのはそこが理由でしたね。独立しようと決心して、2016年に川越一番街で最初の店を構えました。それから4年ほど営業を続けていて、面白いご縁がありまして。一番街の北側に弁天横丁という路地があるのですが、そこで「ギャラリー&カフェ 二軒堂」のマスターと知り合いました。当時、弁天横丁は蔵の会(NPO法人)の方々を交えてクリエーティブな方向で生まれ変わろうとしていたんです。それが、なんだかすごく面白そうだなと。職人やものづくりに取り組む人間が集まっていく様子を見て、自分も参加したいと思い店を移転しました。弁天横丁に来て間もなく3年が経ちますが、この辺りも随分活気付いたように思います。

弁天横丁の画像

レトロで雰囲気ある店内

レトロで雰囲気ある店内の画像

靴鞄修理のお店とも伺っておりますが、合財袋を作るようになったきっかけは?

先ほども名前の出た二軒堂というお店で、三越の呉服売り場の方とお会いしたことがきっかけです。靴鞄修理では革靴・革鞄の取扱いが多く、革という素材そのものへの知識・経験を活かせないか、と。きものと合わせる革小物の企画で合財袋を推していただいて、若い方や初めてのお客さまにもお手に取っていただけるよう、革の種類や色を選べるようコンセプトを練り上げました。

革の種類によって違いはあるのでしょうか。

表の革は牛・鹿の2種類からお選びいただけて、内側には豚革を使います。牛と豚は15色、鹿は10色です。メインとなる表革ですが、牛はイタリアのトスカーナ州にて製造された革で、手作業による染色にて仕上げられた自然な色ムラと天然の皺(シボ=表面に細かくある不規則なシワ模様)が特徴です。鹿は色止めの加工などをせず素仕上げにしているので、滑らかな肌触りや柔らかさなど、鹿革が本来持つ素材感を楽しめます。鹿革は古くから足袋や鎧兜・小物用袋など至るところで使用されていて、日本では馴染みのある素材です。豚革は柔らかく摩耗に強いので、物を出し入れする裏地に起用しています。

篠田 俊樹さんが説明している画像
色が記載してある冊子の画像

製作されるうえでのこだわりは?

色を選べるという華やかさと、道具として使ううえで充分な品質であることの両立を目指しました。品質と価格のバランスが取れていて、かつ色のバリエーションが選べる本革というのはあまり多くないんです。革の選考には特に時間をかけました。耐久性を残しつつも革を極力薄くすることで軽く柔らかく仕上げたり、内側の見えない部分にも補強を施すなど工夫を凝らしています。
また、合財袋そのものは昔から伝わるものですが、やはり現代のプロダクトとして口を閉じた姿が花や蝶のような印象になるようデザインに遊び心も加えました。
勿論、革以外の部分にもこだわりがあります。緒締めは「ザ・グラス・スタジオ・イン オタル」の淺原 千代治先生に、正絹紐は「伊賀組紐 くみひも平井」さまにご用意いただきました。どれも素晴らしい品質で、三越コラボ限定の逸品となっています。

制作している画像

すべての工程をこちらで作られているのですね。

当店ですべて製作しておりますので、サイズの変更以外にも、ポケットの数を増やしたいなど、さまざまなご要望に対応させていただいております。

近年は合皮の品質も向上したように感じますが、やはり本革とは違いがあるのでしょうか?

合皮は本革に似た見た目ではありますが、性質が異なります。合皮は防水性があってコストも抑えられる。扱いやすい、作りやすいなどメリットも多いですが、素材にウレタンを使用しているため経年劣化してしまうんです。耐用年数はおおよそ5~6年で、どんなに丁寧に扱っていても加水分解という形での劣化は避けられません。
本革の場合は耐久性があり、経年で「変化」していく。使い込むことで色や艶に深みが増し、次第に味わい深いものになっていくんです。メンテナンス次第ではありますが、一生使っていただける。そういった所が本革の最大の魅力ですね。

説明している篠田 俊樹さんの画像

今回の合財袋も含めて、<坂庭>ならではの強みを教えてください。

特注仕様のオーダーや、修理などのアフターサービスにもすぐに対応できる点はほかにない強みだと思っています。また、今回の合財袋もそうですが、<坂庭>では基本的に本革製品のみを取扱っているので、製品を通して本革素材の魅力・奥深さを伝えられたら嬉しいです。

口がキュッときれいに閉まるのが凄くいいですよね!

必要のないところを取り除くなどして常に改良しています。よりシンプルに、洗練された形、そして使いやすさを追求しています。

商品を説明している画像

今後の新製品の構想などあれば。

革の雪駄や足袋、昔の煙草入れのような小物入れなども製作していきたいなと。合財袋と同じ革を使うことで、コーディネートの幅を広げられたらと思います。

男をあげる和小物

男をあげる和小物の画像
  • 合財袋の画像

    合財袋 表地:牛革、裏地:豚革、紐:絹100%、緒締め:ガラス 各74,800円
    ※オーダーも承ります。(納期約1カ月)
篠田 俊樹さんの画像

篠田 俊樹/職人
千葉県野田市出身。某海外ブランドの鞄修理下請け会社にて5年、靴修理業界へ転職し関東圏を中心に更に5年修業。多種多様な革靴・革鞄と触れ合う中で本革の奥深さに魅了され、職人技術と経験をもとに川越にて靴鞄修理屋「AGHARTA」を開業(2016年)。その後靴鞄製造兼修理を行うショップ「Atelier KUBUKA」を経て弁天横丁に本革創作の個人工房を兼ねた「靴鞄修理 坂庭」をオープン。現在は修理業と並行し、革盆栽やオーダーメイド革小物も手掛ける。

靴鞄修理屋の入り口の画像