大正ロマン百貨店 ―「素敵」を見つけ、心よ、躍れ!―
色鮮やかな大正ロマン着物のコーディネート術

伊勢丹新宿店限定の特別企画「大正ロマン百貨店」を今夏も開催します。今年のテーマは【「素敵」を見つけ、心よ、躍れ!】。大正ロマンの着物を扱う人気店<Ponia-pon><Wing><暮らし家>と、着物にぴったりのバッグ店<集花>のみなさんが、大正ロマンの世界観を楽しむ、その店流の着物コーディネート術を教えてくれました。みなさん3年間「ロマデパ」に出店しているだけあって、和気あいあいとした楽しい座談会となりました。

  • <Ponia-pon>店主 大野らふ

    東京・根津のアンティーク着物店<Ponia-pon>店主。スタイリスト、ライターとしても活動。8月に共著で「アンティーク着物地でつくるかわいい箱&雑貨」を出版。

  • <Wing>店長 堀江純代

    着物コレクター 田中翼氏がオーナーを務める、2005 年開店のアンティーク着物店店長。2020年6月、東京・銀座から原宿に店舗を移転。

  • <暮らし家>着物部門担当 前野未悠

    暮らしの遊びをテーマに生活骨董を扱う東京・八王子のアンティークショップ<暮らし家>にて、2003年にスタートした着物部門を担当。

  • <集花>バッグデザイナー shuca

    1998 年、活動開始。昭和初期の着物に魅せられ、着物とさまざまな生地を組み合わせたアンティーク素材のオリジナルバッグを製作している。

3店の個性あふれる着物セレクション

大胆で鮮やかな着物をシックな帯で少し抑えて大人かわいく ―<Ponia-pon>

 

大正ロマンの着物といっても扱っている商品はそれぞれのお店で違いますか?

大野さん

一つひとつの商品は近いものもありますが、3店が並ぶと商品構成が違うので印象も異なります。私たち自身が自分の目で、ある意味「眼鏡にかなった」ものを仕入れているので、それぞれの店の個性が出るんでしょうね。

 

<Ponia-pon>では商品は、どんな特徴があるんですか?

大野さん

私は自分の「好き」を大事に仕入れていて、何が売れるか?という情報で買うものを変えないようにしています。昭和初期の着物の柄は生き生きしていて、本当におもしろいんです。色も柄もバランスよく収まるのではなく、ちょっと過剰な…。そんな楽しい着物を仕入れたいと思っています。

物語性のある着物と帯の組み合わせで大人のコーデに ―<Wing>

 

<Wing>ではどうですか?

堀江さん

オーナーの田中と私で商品を仕入れるのですが、いちばん大切にしているのは<Wing>らしさですね。

大野さん

<Wing>さんの着物はカッコいいのが特徴ですもんね。

堀江さん

仕入れる着物の主軸は「モダンと粋」。「面白柄」やアールデコ柄など、個性的でマニアックな着物が<Wing>らしさかな?でも、シンプルな着物も美しく着てほしいというオーナーの信条もあるので、縞や幾何学模様などさらっとした着物も扱っています。コーディネートをするときに映えるのでお勧めです。

かわいい古典柄の着物に薔薇の帯を合わせて古典ポップな装い ―<暮らし家>

 

<暮らし家>の着物は“かわいい”が特徴ですよね。

前野さん

そうですね。ポップで爽やかなコーディネートや、「古典ポップ」なかわいらしい雰囲気が得意です。<暮らし家>は、私の両親が骨董全般を扱っていて、私は着物部門の担当。「道具」の雰囲気ともマッチするような、ウサギ、チドリ、玩具、昔話など、古典的なモチーフが多いのも特徴ですね。

 

お手頃な価格帯の商品も多いと伺いましたが...。

前野さん

はい。アンティークファンだけではなく、初心者の方や昭和初期の着物になじみのない方にも手に取っていただきやすい価格設定を心がけています。

 

<集花>のバッグは、冬の「ロマデパ」でもオンラインで注文をたくさんいただいたと聞きました。

shucaさん

遠方にお住まいの方からもご注文をいただき、嬉しかったですね。私は、着物にも洋服にも合わせられる、和洋ミックスのバッグをつくりたいというのがポリシーです。ただ、最近つくるバッグの傾向が変わってきたような気がします。

前野さん

そんな感じしますよね(笑)!

 

どう変わったんですか?

shucaさん

数年前に着付けを習ってから、催事の時には着物で接客する日を設けるようにしたんです。そうしたら扱いたいと思う着物地も変わってきて、より大正ロマン着物と仲良くなったような気がします。それで、作品も少しパワーアップできたかなと(笑)。

コーディネートでは、その店の個性にそった足し算、引き算をします

 

3店のコーディネートが並ぶと壮観ですね!今伺ったお話がよくわかるような気がします。<Ponia-pon>の着物は、色がポップですね。

大野さん

着物というと、しっとりしたものという印象があると思いますが、昭和初期は大胆な色合いのものも多いんです。固定観念をちょっとだけはずしたいと思うので、楽しい色柄の着物に、百合とあざみの柄を染めた名古屋帯を合わせました。大胆な柄の着物ですが、かわいいだけじゃなくて大人っぽさもプラスしたつもりです(笑)。

 

<Wing>は秋を意識したコーディネートですね。

堀江さん

着物は、円窓から外を覗くようなデザインで、涼しげだなと思って選んだものです。合わせたのはカブトムシ柄の紗の名古屋帯。半衿は団扇と秋草が刺繍されたものです。暑い夏の部屋で涼しい秋を待つというシーンをつくりました。着物にはいろいろな意匠が描かれているので、コーディネートで物語をつくってみるのも楽しいと思います。

 

涼しげで素敵ですね。<暮らし家>のコーディネートは?

前野さん

着物はかわいらしい色合いですが、扇面に秋草が染められた古典的なモチーフです。だから、子どもっぽくならずに合わせられると思います。ただ、古典的な雰囲気になりすぎないように、帯でポップさをプラス。薔薇の刺繍帯を合わせて、抜け感とカジュアルさを演出しています。

ポップな着物地と異素材の組み合わせの面白さがshucaバッグの特徴 ―<集花>

shucaさん

<暮らし家>さんがコーディネートされているバッグは、私がつくりました。スクエアトート型の籠バッグで、内側からちらっと緑の葉の模様が見える涼しげなデザインです。着物地で作った巾着袋を縫い付けています。

前野さん

かわいらしい着物なので、さわやかな色合いのバッグで少しクールダウンしたんですよね。

 

みなさんに出展いただく夏の「ロマデパ」はもうすぐ開催です!楽しみですね。

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