<サイチカ>のニット「いつまでも大切に着ていたいセーター」

洗練された美しいセーターを手芸ファンのために数多くデザインしてきたニットデザイナーのサイチカさん。人気の著書から、おすすめのセーターを伊勢丹限定の編み物キットにいたしました。自分の手で編み上げていく時間と、出来上がった作品を着て過ごす時間、どちらも大切な時間になりますように。

服作りの中でも、なぜニットのデザインをされるようになったのですか?

サイチカさん(以下敬称略):手編みのセーターとの出会いは、子どもの頃。手芸好きな母が姉とおそろいのセーターを編んでくれて、私のためのセーターがとても嬉しくて自慢だったのを覚えています。私も編むようになったら、ウールのセーターを編んでいる時の安堵感、ニットの編みのシンプルで奥深い面白さに魅了されてしまっています。
制作だけではなく、作り方も共有されているのは?

サイチカ:パターン付きのデザインの仕事をするきっかけは、私の作品展をご覧になった編集者がお声をかけてくださったのがご縁です。私のデザインを編んでくださる方と楽しみを分かち合ちあえたらいいなと思いながら、この仕事を続けています。素直に正直に好きなものを編んでいますが、再現しやすさ編みやすい工夫なども意識しています。
デザインと採用する技法について教えてください

サイチカ:デザインはクラシカルだけれど新鮮さを感じられるようなニットが好きです。昔からあったように馴染んでいて、かつ今の気分や空気も一緒に編み込むことができたら嬉しいなって思いながらデザインしています。
技法は特に気にせずに、編んでみて面白いテクニックは読者の方と分かち合いたいから、「よし!このテクニック使うぞ~」って、デザインを考えることもあります。
色について教えてください

サイチカ:よく身につける色はモノトーンの白・黒・グレイッシュ・モカやネイビー。気持ちが落ち着くように感じられて、好きな色です。近著『白い糸で編むセーターの本』(文化出版局)や『アイスランドのロピーで編むノマドのニット』(小学館)は、本当に好きな色だけで1冊のパターンブックにしています。
糸への思いについて教えてください

サイチカ:素材の持ち味が生きている天然繊維の糸が好きです。個性が感じられる糸に巡り合うと、ついクンクン・スリスリ、素材の香り、肌触りを五感で楽しんでいます。
キットを販売いたします
こちらの「ダイヤモンドのアランセーター」は、キラキラとした模様とメリヤス編みの対比が新鮮な軽やかなアランセーターです。基本となるダイヤモンド模様を3タイプにアレンジして配置しました。模様部分は増減目なく、そして、前身頃から後ろ身頃へと編みつづける不思議なパターンをお楽しみください。襟付きの作図をお付けしています。
こちらの「スモッキングのミトン」は、基本となる編みは1目ゴム編み。その編みにちょっとしたアクセントを加えるだけで表情豊かな編み模様が現れてきます。編みやすく、ニットの面白さが詰まったミトンです。
キットをご購入の方へメッセージ

サイチカ:著書『白い糸で編むセーターの本』から、無染色の毛糸、白とナチュラルカラーの2色をご用意しました。ふんわりと肌触りよく、暖かなセーターが編み上がります。編みやすいように、糸のつなぎ目が少なくて済むコーン巻きにしてお届けします。そして、ご自身のサイズのセーターに調整しやすいように、サイズ調整ガイドの解説書を同封いたします。どうぞ穏やかな編み物時間をお楽しみください。