インドの手仕事が現代に映える|伝統的なテキスタイルで仕立てた<ガヤ>のオリジナルウェア

インドの手仕事が現代に映える 伝統的なテキスタイルで仕立てたガヤのオリジナルウェアのメインビジュアル

「インドの手仕事の素晴らしさを広めたい」。そんな母の思いとともに、主に天然染めのテキスタイルで仕立てたウェアや工藝品を取扱う<GAYA/ガヤ>を引き継いだ姉の福田 亜紀子さんと妹の赤坂 瑠生子さん。数百年続くインドの伝統的な手仕事で生み出された布を使い、現代の日本人にフィットするオリジナルウェアを届けたいとふたりは話します。伊勢丹新宿店にも日本橋三越本店にも何度も出店いただいている<ガヤ>は九段で店を構えて36周年。店のこと、インドのこと、さまざまな想いを語っていただきました。

<GAYA>インド更紗の伝統を紡ぐ夏

□2024年7月10日(水)~7月23日(火)
□日本橋三越本店 本館5階 スペース#5


※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

「日本に本物のインドの手仕事を」
36年前に東京・九段でスタート

ガヤの店舗画像
お店の入口でお客さまを迎える<ガヤ>のシンボルツリーのアカンサス

福田さん:古くからのお客さまはご存知ですが、<ガヤ>を立ち上げたのは私たちの母です。店名はカメラマンだった父と文筆家だった母が出逢ったインドのブッタガヤというふたりにとって思い出が詰まった村の名前が由来になっています。

赤坂さん:母は秘境を撮影する父に同行して一緒にインドを巡ったのですが、各地で真摯に手仕事と向き合う数多くの職人たちに出逢ったそうです。自分が実際に見てきた、触れてきたのは素晴らしいものばかりなのに、日本で紹介されているインドの物はなぜか粗悪品が多かったので「日本に本物のインドを伝えたい」という思いが<ガヤ>を始めるきっかけになりました。

赤坂さん・福田さんの画像
赤坂 瑠生子さん(左)
福田 亜紀子さん(右)

福田さん:店ができた最初の頃は木彫りの置物や真鍮の器など、民藝品が中心でした。ですがインドという国はテキスタイルの宝庫なので、こんな布で服を作りたい、こんな柄を着たいという声がお客さまから自然と高まって、現在はオリジナルで洋服も手がけています。

赤坂さん:手仕事が好きな方はクラフトワークを趣味にされている方も多くて、<ガヤ>で購入したテキスタイルで「こんなの作ったよ」って持ってきてくれるんです。私たちが選んだテキスタイルを気に入ってくれて、それで趣味も楽しんでくれるのはとてもうれしいですね。日本に古くからある更紗や絞り染め、絣織りなどがインドで生まれたものだという話や、インドで関わる多くのインド人の職人家族の話をすると、楽しんでくださるのはとてもうれしいですね。

インドで過ごし現地の子どもたちと遊んだ夏休み

赤坂さん:今は姉妹で<ガヤ>を継いでいますが、私は写真を勉強したくてパリに長く住んでいましたし、姉は出版業界で仕事をしていて、それぞれ別の道に進んでいました。

福田さん:それがなぜか自然と<ガヤ>に姉妹で合流し、これはもう運命というか、母から受け継いだDNAがそうさせたのかもしれません。母は買い付けのためにインドを訪れるとき、私たちも一緒に滞在できるよう夏休みの時期に合わせていました。夏は現地の工房の職人たちと寝食を共にし、子どもたちと遊んでいたのですが、そんな幼馴染たちも大人になり親から続く工房を引き継いでいます。インドでは親の仕事を継ぐのが当たり前のことなので、「亜紀子も瑠生子もどうしてお店を継がないんだ」といつも言われていました。

インドで過ごした幼少期の画像
幼少期、家族で過ごしたインド

赤坂さん:<ガヤ>を手伝うようになったら、「ようやく継ぐ気になったのか」ってあちこちから(笑)。そのうちに母がどうしてインドに惹かれたのかが少しずつ理解できるようになってきて、両親のおかげで子どもの頃からインドに触れていたことは私たちにとって財産だということに気がつきました。

伝統を纏い、女性を美しく包む<ガヤ>の服

福田さん:土や太陽、水など自然の恵みによって染められるインドの木版更紗は、機械プリントでは表現できない柔らかさを持っています。手作業ならではの版の重なり合いを生み出し、芸術性も高く、職人の技を伝える布です。そして、インド更紗は長く着ていただくことで色が少しずつ変化して、その味わい深さも楽しめるのも魅力のひとつです。

生地に防染用の糊を付けている画像
職人が捺しているのは防染用の糊。アカシアゴムにおが屑や小麦のくずを混ぜたものが使われている。

赤坂さん:<ガヤ>のお客さまはテキスタイルが大好きで柄は気に入っているけど「この服を私は着こなせるのかな?」って不安を口にしつつも、ご試着されるととてもお似合いになって購入される方がすごく多いですね。

福田さん:私たちも布が活きるデザインを最優先にしているので、あまり凝ったことはせずシンプルに仕上げているものが多いです。色柄ってどうしてもハードルを高く感じてしまうかもしれないですが、<ガヤ>のアイテムの着心地の良さとシルエットの美しさを気に入って、30年以上もお店に通ってくださるお客さまもいらっしゃいます。

赤坂さん:<ガヤ>は九段で生まれたショップですが、都会だけでなくすべての女性のためのファッションを提案したいと思っています。テキスタイルは何百年も前から存在する色柄でも、襟ぐりの開きだったり、肩のラインはスタイリッシュなシルエットやフォルムにこだわっているのでカジュアルなデニムでも、きれいめなスラックスでも、現代的なデイリースタイルにも取り入れやすいはずです。足元もスニーカーでもフラットシューズでも、なんでもOKです。

ロングドレスの画像

福田さん:通気性も肌触りも格別なので、初めて試着された方はその心地よさに驚かれます。「もうほかは着られない」と言ってくださるお客さまもいらして、とてもありがたいです。ゆったりとしたロングドレスをルームウェアにするなら素肌にそのまま着てほしいです。盛夏こそ<ガヤ>の本領が発揮できるシーズンです。アイロンも必要ないですし、速乾性も抜群なので、夏のご旅行には本当におすすめです。

三越伊勢丹のお客さまから新しいアイテムのヒントを得ることも

福田さん:今回は日本橋三越本店でのポップアップと三越伊勢丹オンラインストアでの販売になりますが、三越伊勢丹では毎年のようにポップアップを開催させていただいています。三越伊勢丹のイベントで初めて<ガヤ>のことを知って、「今年も来ました」というお客さまも多くて、とてもうれしいです。

赤坂さん:前年に購入した服を着てイベントにいらしてくださるお客さまもいらっしゃいますね。三越伊勢丹のお客さまはファッション感度が高いので着こなしもお上手で、お客さまの着こなしから新しいアイテムのヒントを得たことはこれまでに何度もあります。

福田さん:<ガヤ>の洋服を初めて試着された方からは「あれ?私に似合っているかも」という感想をよくお聞きします。それは日本人には馴染みのある更紗のルーツがインドということと関係していると思います。昔から日本で親しまれている柄は実はインドから伝わってきたものが多くて、インド更紗は日本人なら自然と親近感を抱きやすい柄なんです。

赤坂さんの画像
カラムカリ染の木版の画像
インド南東部のコロマンデル海岸で数百年続くカラムカリ染の木版

赤坂さん:三越伊勢丹でイベントをさせていただくときは『THE DOOR TO INDIA』というテーマを設けていますが、これはヨガでもカレーでもアーユルヴェーダでも、インドについて興味を持ったすべての方を受け入れる間口の大きさ、懐の広さがインドにはあると思っています。<ガヤ>の洋服に袖を通していただき、新しい自分と出逢っていただければうれしいです。

福田さん:<ガヤ>のお客さまは日頃から三越伊勢丹で頻繁にお買物をされている方もすごく多いです。共通するのは自分らしいファッションをご自身でわかっている、本当にいいものを自分で選ぶことができる、ということではないでしょうか。私たちが提案したいのは心地よくて自分らしくいられるファッションなので、布のクオリティの高さを活かしつつ、スタイリッシュなアイテムをこれからも皆さんにお届けしたいですね。

ガヤの商品画像

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