三越伊勢丹 名画版画コレクションVol.18

近代日本画壇の巨匠・平山郁夫(1930-2009)の代表作・シルクロードシリーズの中から「文明の十字路を往く―アナトリア高原 カッパドキア トルコ―」彩美版®の美術複製画作品をご紹介いたします。

平山郁夫「文明の十字路を往く―アナトリア高原 カッパドキア トルコ―」
彩美版®美術複製画
技法:彩美版®、シルクスクリーン併用、一部本金泥使用
制作数:300部
イメージサイズ:約 34.0×72.7cm
額サイズ:約 54.2×93.0cm
価格:363,000円
平山郁夫「文明の十字路を往く―アナトリア高原
カッパドキア トルコ―」
彩美版®美術複製画のご案内
※共同印刷株式会社発行のパンフレットより
平山郁夫画伯の最後の大作
赤味がかった不思議な形の奇岩が幾重にも連なり、その奇岩群の前を通り過ぎようとするラクダのキャラバン。平山郁夫画伯の終生のテーマ「シルクロード」の原点となったトルコを題材に定め、病室にありながらも描き上げた最後の院展出品作品が「文明の十字路を往くアナトリア高原カッパドキアトルコ」です。悠久の歴史を経て作られた圧倒的かつ雄大な自然を背景に、過酷な旅を続けるキャラバンを描いた、この最後の大作からは平山郁夫画伯の自然への敬いと平和への祈りがひしひしと私たちに伝わってくるようです。この度、原画を所蔵されている平山郁夫シルクロード美術館より、特別のご協力のもと藍修と解説をいただき、作品が持つ魅力を存分に再現した「文明の十字路を往くアナトリア高原 カッパドキア トルコ」彩美版®を限定300部にてご提供いたします。
厄大な奇計群がひしめき合う不息議な景観 アナトリア高原カッパドキア
アナトリア高原はトルコの国土の大半を占め、その中央部にカッパドキアは位置し、いくつもの渓谷や奇岩群を有する地域です。特に、カッパドキアの特徴である枇界に類を見ない奇岩群は、古代の火山噴火により堆積した火山灰や溶岩が、長い年月をかけて雨や風に浸食されて形成されました。
この神秘的な自然風景は、トルコ屈指の観光スポットとして、今なお世界中の人々から多くの人気を集めています。
文明の十字路 トルコカッパドキアの歴史
トルコはヨーロッパとアジアというふたつの大陸が交わるところに位置し、東西の豊かな資源が集まる交通の要衝でした。さらには、東西各地の歴史、文化が複雑に絡み合い、異なる宗教や思想が影響し合う文明の中心地でもあり、何千年もの間、多くの民族がその豊かな市場や資源を狙い、この地を手に入れようとしてきました。このトルコの中心部カッパドキアに移り住んだ初期のキリスト教徒は、こうしたペルシアやイスラム勢力の脅威から身を守るため、火山灰が堆積した柔らかい岩盤をくり抜いて、住居として隠れ住み、以来、何世紀もの年月をかけて、水源、食物貯蔵庫、礼拝堂や教会など含む地下都市を次々と作り上げていきました。
カッパドキアは、特殊な奇岩群を持つ自然遺産だけでなく、長い人類の歴史を持つ文化遺産としての側面もあるのです。

作品解説
最後の大作
「文明の十字路を往く―アナトリア高原 カッパドキア トルコ―」
2009年夏、平山郁夫は病をおして本作を完成させ、秋の院展(第94回)に出品し、それから間もなくして、この世を去りました。平山にシルクロードヘの旅のきっかけを与えたのもカッパドキアでしたが、最後の大作もまたカッパドキアを描いた作品となりました。そして、その翌年、本作はイスタンプールで開催された日本とトルコの友好120周年『2010年トルコにおける日本年』を記念する展覧会にも出品されました。平山本人がトルコを訪れることはもう叶いませんでしたが、本作は日本とトルコ両国の、すなわち、シルクロードの東と西をつなぐ友好と交流のシンボルとなったのです。
(付属解説害より抜粋)

彩美版®とは
「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。
長年の経験により培われた画像処理技術を元に、厳選された素材に高精度デジタルプリントを施し、画材の質感と豊かな色調を再現した共同印刷の美術複製画です。
本作品ではさらに一枚一枚に職人の手刷りによるシルクスクリーンを施すことで、作家の豊かな色彩や筆遣いといった原画の持つ鼓動までも表現しています。
半世紀以上にわたり複製美術品の制作を続ける共同印刷の「彩美版®」は、業界屈指のブランドとして、多くの美術愛好家に支持されており、美術関係者からも高い評価を得ています。
監修者の承認印と限定番号が入れられた奥付シール(イメージ)
額裏に監修者の承認印・限定番号が入れられた奥付シールが貼られます。
奥付シールには共同印刷株式会社が開発したセキュリティーシールが貼付されています。お手持ちのスマートフォンなどで、フラッシュをたいて撮影すると、本作品が共同印刷が発行する真正な複製画であることを判定することができます。
平山郁夫「文明の十字路を往く―アナトリア高原
カッパドキア トルコ―」
彩美版®美術複製画
仕様体裁

平山郁夫「文明の十字路を往く―アナトリア高原
カッパドキア トルコ―」
彩美版®美術複製画
仕様体裁
技法:彩美版® シルクスクリーン併用、一部本金泥使用
制作数:300部
額縁:特注木製額額縁金泥仕上げ、アクリル付き、クロス貼りタトウ箱入
イメージサイズ:約 34.0×72.7cm
額サイズ:約 54.2×93.0×厚さ5.2cm
重さ:約 5.8㎏
監修:公益財団法人平山郁夫シルクロード美術館
解説:平山東子(公益財団法人平山郁夫シルクロード美術館館長)
証明:承認印・限定番号入り証紙を額裏に貼付け
美術館のご案内
公益財団法人 平山郁夫シルクロード美術館(Hirayama Ikuo Silk Road Museum)
公益財団法人 平山郁夫シルクロード美術館はシルクロードの文化と歴史の顕彰に努めた平山郁夫画伯の絵画と、シルクロードの文化と歴史に関る美術品の展示をしています。

電話 0551-32-0225
詳細はホームページ等にてご確認ください。
平山郁夫 Ikuo Hirayama(1930~2009年)
1930年 広島県豊田郡瀬戸田町(現・尾道市瀬戸田町)に生まれる。
1952年 東京美術学校日本画科卒業。前田青邨に師事。
1953年 再興第38回院展に「家路」を出品し初入選する。
1964年 日本美術院同人に推挙される。
1987年 再興第63回院展出品の「画禅院青邨先生還浄図」で内閣総理大臣賞を受賞。
1988年 ユネスコ親善大使に任命される。
1989年 東京藝術大学長となる。
1991年 フランス政府より芸術文化勲章コマンドール章を授与される。
1993年 文化功労者として顕彰される。
1996年 日本美術院理事長に就任。来日中のシラク・フランス大統領よりレジオン・ドヌール勲章を授与される。
1997年 広島県尾道市瀬戸田町に平山郁夫美術館が開館。
1998年 文化勲章を受章。
1999年 日本人として初めてジェームズ・スミソン賞を受賞。
2000年 薬師寺玄奘三蔵院「大唐西城壁画」完成。
2001年 東京藝術大学長に再任。(2005年退任)
2004年 山梨県北杜市長坂町に平山郁夫シルクロード美術館が開館。
2007年 喜寿を記念し、回顧展「平山郁夫祈りの旅路」展が開催される。
2008年 北京・国立中国美術館で「平山郁夫芸術展」、パリ・三越エトワールで「平山郁夫シルクロード展」が開催される。
2009年 9月、再興第94回院展に「文明の十字路を往く―アナトリア高原 カッパドキア トルコ―」出品。
2009年 12月2日、ご逝去。享年79。