おうち時間に寄り添う山形県河北町のスリッパ|日本のよいものを巡る旅<アベ ホーム シューズ>
暮らしを豊かにしてくれる日本生まれの名品の数々には、生産者の並々ならぬ努力や生まれた土地ならではの生産背景があります。連載「日本のよいものを巡る旅」では、ショップのスタイリストを通じてお伝えしている名品の魅力やストーリーをオンラインストアでも感じていただけるように、日本のよいものをその背景とともにご紹介します。今回のテーマは「スリッパ」になります。新生活が始まったタイミングに合わせて、スリッパを新調してみるのもおすすめです。一足一足丁寧に作られる日本製の上質なスリッパは、家での寛ぎの時間には欠かせないアイテムです。
スリッパの町、山形県河北町とは?
河北町は明治時代から草履の一大生産地でしたが、時代の変化に伴いスリッパ産業へ変化し、昭和40年代にはスリッパ生産が盛んな町になりました。しかし、低価格の輸入スリッパの増加に産地は影響を受けて、最盛期に数十社あった製造元も現在では数社に減ってしまいました。そうした背景から、輸入スリッパとの品質やこだわりの違いを伝えるべく、阿部産業は、ブランド化事業に取り組み、更なる品質の向上とPRに取り組んできました。これまでに培ってきた経験と技を生かしてさまざまな生活シーンを想定し、履き心地と耐久性を追求したものづくりを続けています。近年では自宅に帰ったら室内履きに履き替える日本の生活文化が見直され始め、2020年には海外への輸出が始まりました。これを新たな時代の訪れと捉え、品質の高い<ABE HOME SHOES/アベ ホーム シューズ>を世界中の皆さまにお届け出来るように取り組んでいます。
吊り込みタイプのスリッパに必要な器械での仕上げ
- 吊り込み(甲の形を作ります。)
熱を加えて形成し、冷やして型を定着させます。素材によって温度や時間を微妙に調整し、絶妙なバランスで形を作っていきます。 - 縫製(八方ミシン)
ホームシューズを作る上でなくてはならないミシンの技術で、分厚い底を慎重に縫い付けていく作業です。経験に裏打ちされた高い技術の見せどころです。 - 圧着
吊り込みタイプの最後の工程に無くてはならない器械です。くるりと回って太鼓の革のような部分が膨れ圧迫すると、ポンと飛び出して台の上へ。
※今回ご紹介する<アベ ホーム シューズ>は吊り込みタイプのスリッパではございません。
<ABE HOME SHOES/アベ ホーム シューズ>について
阿部産業株式会社は、1919年に草履の仲買として山形県河北町で創業し、1970年代より生活様式の変化に伴い、室内履きの製造を始めました。
吊り込み・外縫い・ソフトスリッパ・ブーツなど、あらゆる製品を作ってきました。2018年に「家に帰ったら、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」との想いで立ち上げたブランド<アベ ホーム シューズ>が誕生し、帆布バブーシュなどの室内履きを開発しています。
縫製職人の繊細な技術を活かした<アベ ホーム シューズ>
- 裁断(パーツの型抜き)
阿部産業では、年間約100種類のホームシューズを生産しています。型や生地、副資材などを入れると、約500種類のものを裁断しています。今までの経験を活かし、各パーツの数が合うように、さまざまな気遣いをしながら裁断作業は進みます。 - 縫製(平ミシン・袖ミシン・バインダー)
縫い代はわずか3~4mmしかありません。ほんの少しのズレで形がゆがんでしまうので、縫製の方たちには高い技術が必要になります。 - 糊付け
器械はいたって単純構造で作業も簡単そうですが、とても難しい作業です。これが終わると、手で一枚一枚貼り合わせます
丸洗いができる2WAY仕様の帆布バブーシュ
軽くて丈夫な帆布バブーシュは、甲を包み込む絶妙な形により、歩く際にかかとが浮きにくく歩きやすい作りになっています。階段を駆け上がるときなどにかかとが浮いて抜けてしまうこともありません。移動する時も音がなく静かです。バブーシュはそのまま履いても、かかとを上げて靴のように履いてもお使いいただけます。履き心地を追求しながら、洗濯機で丸洗いできる便利さも兼ね備えています。
軽くて柔らかい履き心地のよいルームシューズ「さふら」
山形県河北町の名産である紅花(サフラワー)で染めたウールのモヘヤを使ったかがり糸が名前の由来。足をふわりと包み込む優しい履き心地をお試しください。中敷きに低反発のウレタンが使用されていて、ソフトな柔らかい足入れです。長時間履いていても足の負担にならないような軽さや脱げにくいフィット感も魅力です。
足元が暖かいウールシューズ
シェットランド・ウールと再生ウールを使用した、秋冬にぴったりの暖かいホームシューズです。厳しい冬の寒さで育つシェットランド・シープの羊毛は柔らかで温かく、弾力性があります。底は滑りにくい素材になっており、階段や床などパタパタと音もしにくくなっております。