2021.3.24

暮らしを豊かにするチタンの可能性を追い求めて
| 日本のよいものを巡る旅 vol.9＜SUSgallery＞

暮らしを豊かにしてくれる日本生まれの名品の数々には、生産者の並々ならぬ努力や生まれた土地ならではの生産背景があります。連載「日本のよいものを巡る旅」では、ショップのスタイリストを通じてお伝えしている名品の魅力やストーリーをオンラインストアでも感じていただけるように、日本のよいものをその背景とともにご紹介します。
今回は、日本を代表する“金属加工の町”新潟県燕市のモノづくりメーカー、＜SUSgallery/サスギャラリー＞の魅力をお届けします。「金属の新しいかたちを創造する」を信念にかかげ、純度99%のピュアチタンという素材がもつ可能性に挑み続けています。

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ライフスタイルブランド＜SUSgallery＞とは

＜SUSgallery＞を扱う株式会社SUSは、1965（昭和40）年11月、新潟県燕市に金属器物製造業を創業。1983（昭和58）年、真空炉の導入と同時にステンレス製魔法瓶の製造を開始します。2001（平成13）年からチタン製品の開発をはじめ、2003（平成15）年に真空二重構造のチタンタンブラーを完成させます。
江戸時代から地元に伝わる高度な金属加工の職人技術に、今の生活に根ざしたデザイン性を加えることで、「日々の暮らしを豊かにする金属の新しい表現、可能性」を提案したいという想いから、ライフスタイルブランド＜SUSgallery＞は誕生しました。名称の“SUS”には、ブランド誕生のきっかけとなったステンレス鋼（JISにおいての略号）の意味と、企業理念である「sustainable（サステナブル＝継続可能）なモノづくり」という二つの意味が込められています。

「TITANESS Tumbler」の誕生

ステンレス製の商品を中心に展開していた中、チタンという新しい金属の可能性に注目した＜SUSgallery＞。「お酒を美味しく飲むためのタンブラー」をコンセプトに、当時、他社ではまだ商品化されていなかった真空二重構造のチタンタンブラーの開発に取り組みます。しかし、チタンは硬いため加工が難しく、実際に作るとなると多くの技術的課題が立ちはだかりました。効率のよい成形、表面仕上げのコントロール、安定した真空品質など、毎日が試行錯誤の連続だったそうです。そして職人たちの努力が実を結び、ついに納得のいく真空二重構造のチタンタンブラーは完成します。「TITANESS Tumbler」と名付けられたこのシリーズは更なる改良を重ね、現在も進化し続けています。

日本が誇る燕の金属加工技術と美の融合

職人たちの高度な加工技術によって生み出される、「TITANESS Tumbler」の優れた機能性と独特の美しさ。例えば、タンブラーを手にしたときの感触と中身の温度を感じさせない心地よい違和感、飲みものをゆっくりと楽しめる保温・保冷性、氷をいれても結露しにくい表面など…。日常生活の中で飲みものを飲むという何気ない行為をワンランク上の豊かな時間へと変える、そんな力を「TITANESS Tumbler」は持っています。タンブラーの表面に浮かぶ結晶模様は、多くの職人たちの努力の結晶として美しく光り輝いています。

世界の要人のおもてなしにも

「TITANESS Tumbler」は、日本の技術と和の美しさを兼ね備えた品として、2010（平成22）年に横浜で開催されたアジア太平洋協力会議（APEC）の“日本の強みでおもてなし”というテーマに合致。21カ国の首脳が出席したクロージングランチで、乾杯のタンブラーとして「TITANESS Tumbler Goblet Mirror（S-400Mi）」が採用されました。当時の菅直人内閣総理大臣よりその素晴らしさが説明され、贈答品としても使われました。また、2015（平成27）年に英国のウィリアム王子が来日された際のお土産としても選定され、注目を集めました。燕の職人の技とプライドが作り出すMade in Japanのモノづくりは、世界の著名人をおもてなしする逸品としても評価を得ています。