ドラマのアートワークも手掛ける、人気イラストレーターのヨシフクホノカ氏が「初音ミク × イセタン」に登場

ヨシフクホノカ氏が「初音ミク ✕ イセタン」に登場のメイン画像

現在放映中のドラマ『日曜の夜ぐらいは…』のアートワークも手掛けるなど幅広い分野で活躍するヨシフクホノカ氏。今回ファッションブランド<ARTIMATION/アーティメーション>とタッグを組み、「初音ミク」の新作のイラストを描きおろしていただいたヨシフク氏に、アート制作の裏側についてお話を伺いました。

ヨシフクさんのイラストは「シティポップ」や「エモい」系カルチャーの流れで語られることも多いですが、ご自身でも意識して制作されているのでしょうか。

最初はあまり意識していなかったのですが、周りから「懐かしい」と言われることが多くて、後から気づいた感じです。もともと古着が好きで、描く女の子にもそうしたファッションを着せることが多かったので、そういう風に見えたのかもしれませんね。

制作の過程で一番大切にされているプロセスは何でしょうか。

配色は大事にしていますね。色を使いすぎたくないという思いもあり、服の色と背景を同系色にしてまとめるなど、絵としてのまとまりを考えながら着色することが多いですね。色は基本的に少しくすんだペールトーンのカラーに落ち着くことが多いです。たまにポップな色を使いたくなったり、逆にダークな色を使いたくなったりすることもありますが、結局はいつものトーンになりますね。
個人的に一番楽しいのはラフです。勢いのままゼロから生み出している感覚です。

ヨシフクホノカ氏のイラストワークのイメージ画像
幅広い世代に支持されるヨシフク氏のイラストワーク

iPadで制作されると伺いました。

最初こそ「なにこれ」って思うぐらい描きにくくて。ですが、描き慣れてしまうとアナログよりこちらの方が速いですね。修正も効きやすいし、細かい部分も拡大して描きやすいです。

イラストは独学で?

はい。イラストの描き方もソフトの使い方も、基本的には独学です。
大学も美術大学ではなく、一般の四年制大学の教育学部で学びました。
鉛筆デッサンを少しだけ習いに行ったことはありますが、描いていれば上手くなるだろうという思いで基本的には自分で制作を続けていましたね。

今回の「初音ミク」の作品はもちろん、ヨシフクさんのイラストには音楽の要素が沢山入っていますよね。

DRELLAアートギャラリーに展示しているのは2022年の個展作品で、テーマが「プレイリスト」でした。なので、ヘッドホンやレコードを持たせたり音楽性を意識して描きましたが、普段から音楽を聴くのが好きなので、音楽のモチーフを自然と描いたりすることも多いです。
今回の「初音ミク」のイラストはCDジャケット風になっていますが、CDジャケットのデザインをやってみたいと思っていたこともあり、イメージして描くのはとても楽しかったですね。

ヨシフクホノカ氏による初音ミクのコラボイラスト
ヨシフク氏によるCDジャケットをイメージした「初音ミク」のコラボレーションイラスト

初音ミク」のファッションにもヨシフクさんのセンスを感じます。

オリジナルの「初音ミク」に寄せるよりも、「ヨシフクさんの感性で」と言ってくださったので、「初音ミク」は制服風のイメージがあるのですが、流行りのミニTシャツとローライズのパンツといった、カジュアルでイマドキの服を着せたらかわいいだろうなと思い描きました。

コラボレーションイラストでこだわったポイントは?

普段の自分の感覚よりも色を多く使うなど、シティポップ調の色合いを意識しました。また、「初音ミク」は男性ファンも多いので、男性の方でもアイテムを持ちやすいように、かわいくなりすぎたり柔らかくなりすぎたりしないように意識して制作しました。

コラボレーションのオファーを受けた時の印象は?

<アーティメーション>さんは、「初音ミク」=バーチャル・シンガーなので音楽性を強めたいと思っていらっしゃったようです。また、若い人たちの間で「シティポップ」が流行っている中で、「シティポップ」と音楽は切っても切り離せない関係にありますし、そこに私の現代的なアートの感性をうまく融合したいと考えてくださったようです。
「初音ミク」もイセタンもビックネームなので、とても光栄なお仕事だと思いました。

お気に入りのコラボレーションアイテムはありますか。

アクリルスタンドが個人的にテンション上がりました!実物がすごく綺麗で完成度高いですよね。
あとはトートバッグも気に入っています。サイズ感がすごくいい。

初音ミク × アーティメーション ヨシフクホノカイラストアイテムのイメージ画像
<初音ミク × アーティメーション>ヨシフクホノカイラストアイテムは、三越伊勢丹オンラインストアにて好評販売中!

イベント会場内にも足を運んでくださいましたね。

タイミングよく結構お客さまが手にとってくださっているところでした。高校生ぐらいの女の子たちが「かわいい」と言っている声を聞いて、自然な声というか、お客さまの生の声を聞くことができて素直に嬉しかったですね。

今後どんなイラストを展開していきたいですか。

私の作品はどちらかというと「カワイイ」ジャンルの方に入ると思います。
もちろん自分でもそう思って描いていますが、今年27歳で、この先年齢を重ねるごとに自分の精神的な成長にあわせてイラストも変わってくるかもしれません。ですが、そこは狙いすぎず、自然と少しずつ変わって行けたらいいなと思う部分ではありますね。

アジアネオアートフェス2022(シンガポール)に参加されたと伺いました。

海外に行くのが本当に久しぶりだったので、シンプルに刺激的でしたね。また、言葉も通じない中で積極的に感想を伝えてくださったので、イラスト1枚で伝わるものがあるということを実感しました。

ヨシフクホノカ氏のインタビューのイメージ画像

海外進出も視野に?

まず継続することが大事だと思っています。継続しながら、少しずつ規模を大きくして、自分の影響力を広めていけたらと思います。今できることを精一杯頑張ろう、みたいな思いです。意欲はありますよ!

ヨシフクさんのミライを私たちも楽しみにしています!

ありがとうございます!
今後も軸はイラストでやっていきたいのですが、今回のようにイラストをさまざまなアイテムに展開していったり、ドラマや雑誌などメディアミックスしたりすることで幅を広げていければと思います。
引き続き応援よろしくお願いします!

お話を伺った方

ヨシフクホノカのプロフィール画像
ヨシフクホノカ
アーティスト・アートディレクター
大学在学中にInstagramに投稿した、ノスタルジアを喚起させるレトロポップなタッチの作品群が話題となり、大手ブランドとのコラボレーションを次々と実現。現在は、ミュージックビデオ・CM・商品デザイン・空間プロデュースなど、アートディレクターとして幅広い分野で活躍。「エモい」系を代表するアーティストとしてZ世代に絶大な支持を受ける。昨年はシンガポールのアートフェスに特別ゲストとして招待されるなど海外での人気も高まっている。

<ARTIMATION/アーティメーション>について

2021年本格始動したブランド<アーティメーション>。ART/ARTIST/ANIMATION 3つのAから成る造語をブランド名に掲げ、⽇本を代表するアニメやアート、アーティストとコラボレーションをし、ファッションアイテムとして表現。三越伊勢丹をはじめ美術展・⼤型イベント・セレクトショップなど、多くの場所でポップアップを開催している。

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