カビゴンがイセタンへやってくる?!プロジェクトカビゴン×<CHRIS>のプロジェクトリーダー&アーティストを直撃インタビュー!

プロジェクトカビゴン×CHRIS アーティストインタビューのメイン画像

2023年度はさまざまな活動を通して、”いねむりポケモン”のカビゴンを応援する「プロジェクトカビゴン」が進行中。そんなプロジェクトカビゴンに参画しているアーティストのCHRIS氏(写真左)と、株式会社ポケモンでプロジェクトリーダーを務める小杉ディレクター(写真右)に、プロジェクトや今回の伊勢丹企画に対する想いを伺いました。

― プロジェクトは、いつから始まったのですか?

小杉氏(以下小杉):最初のプロジェクトはプロジェクトイーブイでした。Nintendo Switch用ソフト『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』の発売時に、イーブイをもっと人気者にしようと始まったのがきっかけでした。

― プロジェクトは毎年開催される?

小杉プロジェクトは特定のポケモンをより応援しようというタイミングで発足しています。イーブイの次はポッチャマで、その時はNintendo Switch用ソフト『ポケットモンスター ブリリアントダイアモンド・シャイニングパール』を発売する前のタイミングでしたね。

― 小杉さんはなぜプロジェクトカビゴンのメンバーに?

小杉僕は『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』(睡眠アプリゲーム)のプロデューサーを担当しているので、自然な流れで(笑)。

株式会社ポケモンでプロジェクトリーダーを務める小杉ディレクターのインタビューイメージ画像
「各プロジェクトメンバーは有志で組織されていて、さまざまな職種の人がいます」と語る小杉氏。ポケモン社さんの風通しの良い社風が伝わってくる。

― プロジェクトに対するファンの反響はいかがですか?

小杉プロジェクトの活動の中で、“会いにいける”グリーティングイベントも開催しています。「ピカチュウ大量発生チュウ!」に代表されるように、これまではピカチュウが中心だったのですが、ピカチュウ以外のポケモンにも会いに行けることはファンの皆さまにも喜ばれているようですね。

クリス氏(以下 クリス):カビゴンではありませんが、御殿場でグリーティングが開催されていた時もすごい長蛇の列ができていましたよね!

小杉カビゴンのイベントも、すごく熱心なファンがいらっしゃって。開催日時に関わらず、多くの方にご来場いただいていて驚きました。

― プロジェクトカビゴンが発足した理由は?

小杉先程お話した『Pokémon Sleep』という睡眠ゲームアプリが今年の夏にリリースされたタイミングで、“いねむりポケモン”ということもあり、アイコニックなキャラクターとしてカビゴンが選ばれました。

―『Pokémon Sleep』とはどんなゲームなのですか?

小杉自分の睡眠を計測・記録することができ、その結果によって翌朝いろんなポケモンの寝顔に会うことができるという内容になっています。スマホを枕元に置いていただき、睡眠時の体動を記録することで睡眠を測定することができます。

ポケモンスリープのイメージ画像

― スマホだけで計測できるなんて手軽ですね。子どもたちもポケモンと一緒なら睡眠が楽しくなりますね。

小杉親子でプレイしてくれている方も多いようで、普段は眠りたくないと言っていたお子さんが『Pokémon Sleep』をきっかけに眠るのが楽しみになったという声も届いています。

クリス:『ポケモン GO』では“歩く”、今度は“眠る”。ゲームを通して人々の行動を変えていますよね。すごいなぁ、ポケモンさん。次は何を仕込んでいるんだろう(笑)?

― プロジェクトカビゴンの今後の展望は?

小杉上半期はカビゴンの持っている魅力を発信したり再発見してもらったりということに注力してきたので、下半期は外に広げていく活動をしたいと思っています。
クリスさんや伊勢丹さんとの取り組みもその一つで、普段カビゴンと接点がない方に向けて、よりカビゴンを知ってもらう機会を作っていければな、と。

― クリスさんにアートワークをオファーしたきっかけは?

クリス:最初は小杉さんとは別のご担当の方とお会いして。まずはお話だけということだったのですが、僕自身がポケモンの大ファンということもあり熱烈にアプローチさせていただきました(笑)。

小杉プロジェクトとしてもこれまでのプロジェクトイーブイやプロジェクトポッチャマとは座組や取り組みの内容を少し変えたいと思っていた時期でした。
そういった点で、クリスさんはポケモンのことを本当によくご存知で、熱量も高く持ってくださっていましたし、私たちもアートやファッションという文脈にアプローチできていなかったので、今回オファーをさせていただくことになりました。

プロジェクトカビゴンに参画しているアーティストのCHRIS氏のインタビューのイメージ画像
「ポケモンカードゲームでは、入手困難なものを除いて、すべて持っています」というクリス氏。

クリスいやぁ、嬉しかったですね。僕は作品を作る際に自分が今まで通ってきたカルチャーを掘り下げるのですが、ポケモンは『ポケットモンスター 赤・緑』からプレイしていましたし、僕の子どもたちを通して今でもポケモンには通じていますから、本当に愛してやまない作品です。

― 今回のアートワークのポイントを教えてください。

クリス僕、もともとカビゴン推しなのです。今回のプロジェクトのお話をいただく前から、YouTubeやアート制作の動画でカビゴンのへアバンドをしていたくらい。

目がクリクリしているというのが僕の作品の特徴の一つですが、カビゴンの目はもともと横一文字ですよね?一見、僕の作風と相性が悪いかなと思ったのですが、僕は以前からカビゴンが「こんなに寝ていて、どんな夢を見ているのだろう」「きっと夢の中では目がぱっちり開いて楽しく遊び回っているんじゃないか」と思い描いていたのです。

ですから、今回はそんな夢の中でのカビゴンを描こう、と。それが着想でした。

目がぱっちりと開いた表情が特徴的なクリス氏が描いたぬいぐるみを抱えるカビゴンのイラスト画像
目がぱっちりと開いた表情が特徴的なクリス氏が描いたぬいぐるみを抱えるカビゴン。

― 夢の中で遊ぶカビゴン。想像するだけで楽しくなりますね。

クリスもう一つのポイントはぬいぐるみです。僕は子どもが3人いるのですが、小さい時から一人ずつ「相棒」と呼んでいるぬいぐるみがいて、そのぬいぐるみと一緒に寝るというのが我が家のルーティンなのです。そこで、ぬいぐるみを絡めた作品にしたいな、と提案させていただきました。

小杉これがないと眠れないという人多いですよね。

― 今回は何点ほどのアートワークを?

クリスプロジェクト用に12点です。あと一緒に携わってくださるブランドさんのためのアートワークや、2月にギャラリーで開催する個展のために描いているものもあります。

― クリスさんのお気に入りの作品は?

クリスプロジェクトカビゴンでもメインモチーフになっているものをアレンジしたぬいぐるみを持たせているイラストです。
こちらの作品は、絵でなるべくカビゴンの大きさを伝えたくて、等身大に近い直筆の作品を作るつもりです。

小杉キャンバスも特別製ですよね!

クリスそうです!シェイプドキャンバスという、通常の四角いキャンバスではなく、カビゴンの形に切り取られたキャンバスを作っています。
それと、こだわりでいうと絵の具。絵の具メーカーさんの協力のもと、今回のための特色を作っています。絵の具だけで「ピー(自粛)」万円くらいかかっているかも(苦笑)。

クリス氏こだわりの直筆画のイメージ画像
クリス氏こだわりの直筆画は伊勢丹新宿店 本館2階のイベント会場で展示される。

― クリスさんのポケモンへの熱量を感じますね。逆にプレッシャーは感じませんか?

クリスこれまでのアーティスト人生で培った経験をすべてぶつけるつもりで臨んでいます。ですが、これまでも大きな作品を限られた時間の中で仕上げるということはやっていて、それが自信にもなっていますので、今回もきっと大丈夫です。

小杉楽しみですよね。伊勢丹新宿店さんの2階フロアにクリスさんのカビゴンが並んで、どんな化学反応が起こるのか。

― クリスさんが日本のポップカルチャーについて感じることは?

クリス僕はストリートの文脈を通って来ているのですが、東京のミックスカルチャーというのは非常に興味深いです。
僕はアメリカ人と日本人のハーフで、ある意味僕自身もミックスなのですが、違う文脈のものを融合させて小杉さんのおっしゃる化学反応を起こすというのは日本のポップカルチャー特有のものだと感じています。
ゲームやマンガにファッションだったりアートだったりを掛け合わせると違った見え方がしてきますよね。今回のプロジェクトカビゴンでもそういう化学反応を皆さんに見ていただけたらと思います。

アーティストのCHRIS氏と株式会社ポケモンの小杉ディレクターのインタビューのイメージ画像

― 最後に、今回の伊勢丹コラボレーションで期待していることを聞かせてください。

小杉私たちはカビゴンをもっと人気にできればと考えています。今回のコラボでもっとカビゴンのファンが増えることを願っています。

クリス僕もまずはプロジェクトを通してカビゴンをしっかり知ってもらいたい。そのうえで自分が得意とするアートやファッションの層の方がカビゴンを応援してくれたら嬉しいですね。

― お二人ともありがとうございました!

六本木のポケモン社オフィスのイメージ画像
六本木のポケモン社さんのオフィスでお話を伺った。オフィスにはたくさんのポケモンが“生息”していた。

お話を伺った方

小杉 要(こすぎ かなめ)氏のプロフィール画像
小杉 要 (こすぎ かなめ)
株式会社ポケモン
ポケモンスリープ プロデューサー
プロジェクトカビゴン プロジェクトリーダー
アーティスト CHRIS (クリス)のプロフィール画像
CHRIS (クリス)
アーティスト
サンフランシスコ生まれ、東京育ち。ストリートカルチャーから大きな影響を受け、2012年よりアーティスト活動を開始。
自身がコレクションするカード・ゲーム・漫画・雑誌など、膨大なアーカイブの中から作家独自の世界観でミックス。
紙やメディウムを貼っては破るデコラージュ技法で作品へと昇華する。
アートフェア東京、KIAF(韓国)、Untitled(アメリカ)など国内外で作品を発表。
新球場エスコンフィールドHOKKAIDOに作品が所蔵されているほか、ジャスティン・ビーバーなどコレクターも多数。
YouTubeチャンネル「ネルソンさん」のネルソンパパとしても日常を配信中。

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