10月ICHIDA’S COLUMN
~百貨店でイベントを開くって??~
伊勢丹新宿店で「おへそ展」を開きませんか?アシスタントバイヤーの原田 陽子さんに、そう誘われた時、「いやいや、無理でしょ!」と思いました。年に二回発行するムック「暮らしのおへそ」でご紹介するのは、ひっそり小さなお店を営んでいたり、コツコツと好きなものを作り続けていたり。そんな人たちを百貨店に呼んでくるなんて、とても無理!
そう思ったのでした。当時の私の百貨店のイメージといえば「大量に仕入れて、大量に売る」というもの。「おへそ」に関わる人たちは、その対極にあると考えていました。
でも・・・。「そんな『おへその世界』が大好きなんです」と原田さん。そこから、一人ひとりと丁寧に向き合い、打ち合わせを重ねてくださり、最初はこじんまりと「おへそ的、買い物のすすめ展」を開催する運びとなりました。その後どんどん「おへそ展」が大きくなり、今では読者の皆さんが、楽しみに待っていてくださるイベントへと成長しました。さらに、50歳以上の方のためのおしゃれのムック「大人になったら着たい服」のイベントも始まりました。
どうして百貨店でイベントを開くの?
そんな話を聞いてみたくて、今回、二人の方にお話を伺ってみました。話はイベントを通り越し、お二人が見つめている未来に向かいました。共通していたのは、「百貨店の仕事」を軽々と飛び越えている、ということ。「百貨店って、こういうところ」という枠を取っ払い、新たなワクワクを探しに行く・・・。その上で、再度「百貨店でないとできないこと」を考え、再構築する。その思考の回路を辿りながらお話を聞いたひと時は、私自身にとっても、「自分の可能性を広げるってどういうことだろう?」と考え直す、とても刺激的な時間でした。
まず最初に話を聞いたのは株式会社DROBE(ドローブ)執行役員の佐熊 陽平さん。佐熊さんは、伊勢丹新宿店のバイヤー時代「大人になったら着たい服」をご担当いただいた方です。まずは、今まで手掛けた中で、一番心に残っているイベントについて聞いてみました。
「『パレスイセタン』かなあ」と佐熊さん。「おへそ的、買い物のすすめ展」に出展いただいていた、ジュエリーショップ<ヒーミー>の店舗が当時入っていたのが、東京表参道にある「パレスみゆき」という古いビルでした。「そこには、ひと癖ある人が集まっていて、かつて漫画家が集まっていたという『トキワ荘』のようでした。セレクトショップ『1LDK』や、インテリアデザイン会社の『パドル』、花屋の『アイロニー』、本屋の『ユトレヒト』など。そんな方々を呼んで、『パレスみゆき』が伊勢丹にやってきた!というイベントをやってみたい!と企画したのが『パレスイセタン』です。百貨店には中々来ないような人との接点が欲しいなあと思って」
イベントを開催する目的は何なのでしょう?
「まずは単純に、僕はイベントが大好きなんですよ(笑)。どこにもないものを提供していくのが『伊勢丹』の良さ。何を仕掛けたらどうなるかは、やってみないとわかりません。そこがワクワクするんです。ビジネス用語のPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)のように、『こういうことをやってみるとどうなるんだろう?』と、イベントをやってそこで生まれる反応をみてみたいんですよね」
面白い企画を生み出すコツはなんですか?と聞くと・・・。
「まずは、常に新しいものを見つけにいくことですね。『おお、これいいじゃん!』とイベントにすぐに直結することに出会えるとは限らないけれど、いろいろ見ているものが蓄積して、後からそれを思い出した時『そういえば、アレとコレを組み合わせたらいけるかも!』とつながってきます。そういうストックを貯めておくことが大事かな。あれ?なんだか何も発想が出てこないなあと思って、振り返ってみると、『そうか、忙しすぎて、最近新しいものをみてないな』と反省することがよくあります」と教えてくれました。
もう一つ、思い出のイベントが「ほぼ日×伊勢丹 白いシャツをめぐる旅。」だそう。
「百貨店にいると、『シャツはどこですか?』『ニットはどこですか?』とよく聞かれるんです。『こういうアイテムが欲しい』と目的を決めて来られるお客さまって結構いらっしゃるんですよ。昔から『アイテム平場』という、カシミアのニットだけを集めた売り場、みたいなものはあったんですが、もっと深い位置で一つのものにフォーカスした場所があっても面白いかもしれないって思ったんです。それで『シャツ』でも『白』だけを集めることにしました。当時のファッションでは『ノームコア』(究極の普通)というのがトレンドで『大人のノームコアってなんだろう?』と考えた時、『かしこまりすぎてもいないし、でもきちんと感もあり、汎用性もある白シャツなんじゃない?』と考えました。そこで、百貨店内の白シャツにフォーカスして編集したんです。これは好評でしたね」
そんなイベントを仕掛けるには一人では無理。まずは賛同してくれるメンバーを作るために、周りにいる人に説明することから始めるそう。さらにそのイベントをお客さまにいかに「伝える」かも大切になります。
どうやら、佐熊さんにとってイベントは「やったことがないことをやる」というチャレンジであり、「発見の場」であり、自分がワクワクすることで、お客さまも一緒にワクワクしてもらう・・・という循環を生み出す「仕掛け」だったよう。
そんな佐熊さんは今、全く違う仕事を始めたばかりなのだと言います。
「『ワードローブ』という言葉からとった『DROBE(ドローブ)』という会社を作って、そこで働いています。オンライン上でスタイリングした商品をご自宅に送って選んでもらう、というサービスを運営しています。数年前に三越伊勢丹の新規事業開発という部署ができて、急に異動になったんです。『伊勢丹の強い部分を生かしつつ、新しいお客さまにリーチできることを考える』のがミッションでした。まずはお客さまにいろいろとお話を聞きました。『普段、どういう生活をしていますか?』『買い物はどのようにしていますか?』『服はどこのサイトで買いますか?』などなど。僕は、十数年ファッションのバイヤーとして仕事をしてきたんですが、そこで一番驚いたのは、『百貨店に行くと、いろんなものがありすぎて、悩んで疲れちゃうんです』ということでした。そして、悩むとみんな買い物をやめて帰ってしまう・・・。それって、めちゃくちゃもったいないんじゃないかと思ったんです。そこで『新しい買い方』を生み出せばいいんじゃないかと考えました。お客さまが家にいながらにして、買い物ができるような環境を整えたら、悩まずにもっと気軽にファッションを楽しめるんじゃないかと思って」
「DROBE」では、まずお客さまにスマートフォンからプロフィールを記入してもらいます。サイズや予算、どのようなものが好きかなどなど・・・。その上で、スタイリストがお客さまのプロフィール情報を見ながら、商品を組み合わせ、それを一つの箱にまとめてご自宅に発送。お客さまは、箱が届いたら、着てみて、欲しいものだけを買うという仕組みです。
立ち上げてすぐにコロナ禍となり、このシステムは時代のニーズにもピタリと合い、今どんどん利用者が増えているのだとか。自宅にいながらオンラインでミーティングをし、オフィスは必要でなくなり・・・と私たちの周りでは、暮らし方も仕事の仕方も買い物の仕方もどんどん変わりつつあります。その中で常に、お客さまが求めるものを生み出すには「分かってから動く」のではなく「動いたから分かる」というプロセスが必要なのかもしれません。「やったことがないことが楽しいんですよ!」と目を輝かせる佐熊さんが、これからどんな新しいことを仕掛けられるのかが楽しみです。
二人目は、MD統括部ライフデザイングループ、グループ長の中北 晋史さん。中北さんと言えば、「暮らしのおへそ」や「大人になったら着たい服」のイベント担当者の上長だった方。
イベントが終わってから、一緒にカラオケに行ったことを強烈に覚えています(笑)。
そして、この中北さん、三越伊勢丹グループの中でも、知る人ぞ知る「イベント仕掛け人」なのだと、原田さんが教えてくれました。
中北さんが手掛けられた伝説のイベントがあります。それが、パリ マレ地区にある、ライフスタイルを提案するセレクトショップ「メルシー」を日本初上陸させ、伊勢丹新宿店 本館1階のザ・ステージで開いたイベント「『merci l’invitation(メルシーへの招待状)』」です。
どうして、この企画が生まれたのかを聞いてみました。
「2009年にパリに『メルシー』ができて話題になっていたので、見に行ったんです。そこで感じた『わあ、すごい!』を伊勢丹のお客さまにも伝えたくて」
なにが、どう「すごい」と思ったのでしょう?
「まずは売り場の編集の仕方ですね。例えば食器棚のスタイルの提案だったら、<バカラ>のグラスの横に、すごくリーズナブルなグラスが並んでいたりするんです。たったそれだけで、普段水を飲むのは安い方で、ちょっと特別な時には<バカラ>を使うんだなって、リアルな生活シーンを思い浮かべることができる・・・。当時百貨店では、<バカラ>は<バカラ>の売り場があって、ハイ&ローのミックススタイルは、なかなかできなかったので。あと、メルシーの提案するイベント自体が、見たことのない提案ばかりで、圧倒的なワクワクを感じました。その体験が、のちの仕事にも大きく活かされることにもなりました」
「イベント」という形に注目されるようになったのは、どうしてだったのでしょう?
「僕は1997年入社で、<バーニーズジャパン>設立当時のバイヤーで、伊勢丹でも<解放区>や<リ・スタイル>を立ち上げた藤巻 幸夫さんや、日本で<ロンハーマン>の事業を立ち上げた三根 弘毅さんなど、尊敬すべき先輩バイヤーと一緒に仕事をしながら育ってきました。その中で、あるとき、明らかにファッションの潮流が変わった、と感じたタイミングがあったんです。伊勢丹では、毎年プレス展示会を開催していたのですが、2008年〜2009年ぐらいからでしょうか?明らかにエディターの皆さんの熱が冷めるのを感じたんです。インターネットの普及、中でも2007年のスマートフォンの登場で、みんなが自分で情報をゲットできるようになった。今までは強みだった情報優位性が百貨店のバイヤーたちに無くなったんですね。すごい危機感でした。もう新たなブランドを持ってきたり、別注や想像できる範囲の商品を作るだけでは『驚き』がなくなったしまった・・・。じゃあ、みんなが見たこと、聞いたことがないことをやろう!と自分たちがゼロからイベントを考えて提案する、という頭に切り替えたんです」
お客さまの価値観は「知らないものを知る」ということの中にある・・・。
そう気付いてから、さまざまなイベントにチャレンジし続けてこられました。すごいなあと思ったのは、パリに「メルシー」を見に行ったように、「なんだか面白そうだぞ!」と思ったものは、すぐに足を運び自分の目で確認されたこと。
十二年前にパリで開催された「ジャパン・エキスポ」で見たのは「漫画」の世界的なムーブメントでした。四日間で二十一万人も動員したその世界に感動。
「ポジティブなハッピーオーラが溢れていたんです。「オタク」という言葉で片付けるのではなく、こういうことを、日本の伊勢丹のお客さまに正しく伝えなくちゃ、と思いました」こうして、生まれたのが漫画と日本の物づくりを掛け算する「マンガトレンチ」という企画。
「漫画を描いたファブリックを裏地にして、日本のトレンチコートの最高峰のブランドさんにトレンチコートを作ってもらったんです。裏地は全てオリジナルで、まずは漫画の名シーンを、グラフィックデザイナーさんにお願いし、当時のトレンドだったボーダーやストライプ柄に落とし込みました。次に、それを洋服のパターンとして上質なプリントの技術を持つ、生地会社さんに依頼し作成。その上で、それを細かく縫い合わせていくのですが、洋服のパターンってすごく複雑な折り紙みたいなもの。良い洋服というのは、パターン自体がとても細かいので、縫製がちょっとでもズレると漫画の顔もずれるんです。日本の縫製工場や匠の技術だったら、それを実現し、綺麗な洋服にすることができる。だから、パターンにこだわりのある<サイ>さんや、<ミュラー オブ ヨシオクボ>さんに作ってもらいました。もちろん、その技術の工程やパターン図、パリでのジャパンエキスポの様子も会場で紹介しました。この翌年、某ラグジュアリーブランドが某人気漫画とコラボしたのですが、それよりも先に伊勢丹で、ファッションと漫画、そして日本の技術を組み合わせたイベントを行えたことに、自分としては、嬉しさを感じていました。ちなみに『NARUTO』や少女漫画の人気作品など、9作品の中で『新テニスの王子様』が一番人気だったなあ」
その発想の柔軟なこと!そしてきちんと形に落とし込む行動力に驚きました。
「世界の人が見に来てくださった時に『なんだこれは!』と驚き、次に『ほしい!』、そして『次は何?』と思ってもらえるものを作ることに、命をかけていましたね」と豪快に笑います。
そんな発想の「種」は、わざわざ遠くに出かけて行かなくても、ごく身近な場所でも拾うことができるそう。
「例えば『ユニコーン』の復活ライブ後のライブに行ったとき、ライブ会場でグッズを見に行ったら、タンブラーだけが完売していました。ちょうど『ロハス』のような言葉が流行り始めた頃で、まだ『スターバックス』にもタンブラーがなかった時期です。これをデザイナーと掛け算したら、何かできるかもしれない、と考えて質の良いタンブラーの会社を探し<ミナ ペルホネン>や<3.1フィリップリム>にお願いし、コラボレーションしたサーモマグを作ったら、すごく人気となり、その後の定番企画となりました」
大胆なビックイベントを数々手掛けながら、他方では「イベントでは、小さな掛け算をどこまでやり切れるかが大事」と語ります。
「一田さんたちとのイベントもそうですが、一つひとつのブランドさんは小さいかもしれないけれど、それが集まって『面』になることが大事。その『面』の裏には、それぞれのデザイナーさんや作り手さんのストーリーがある。そんな小さな掛け算を愚直に積み重ねるから感動を呼ぶし、他には真似できない世界が立ち上がるんだと思います」
その後、昨年までの三年間中北さんは「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」という別会社に出向。そこで手掛けたのは、不動産事業やショッピングセンター事業だったそう。ショッピングセンターに、どんなテナントを入れ、どう組み合わせて運営していくか、その運営と管理を任されました。
「ある東京郊外の駅ビルに商業施設を立ち上げたとき、そのコンセプトは『ちょっと上質』というものでした。だから、ちょっとおしゃれなテナントさんをいっぱい入れたんです。でも、八カ月ほどしたら、みんな出て行ってしまった・・・。そこから改めて、地道にお客さまにインタビューをして、地元密着でやり直したんです。皆さん、おしゃれな店に行きたければ、渋谷や新宿に行く。だから地元には必要ないんです。そこでまずは塾に入ってもらい、次は魚屋さんと八百屋さんを。そして100円ショップ、地元の人が集える広いスペースのカフェ。そんな経験を経て、学んだことは『お店に来てもらうというプロセスを、丁寧にちゃんと設計しておくこと』の大切さでした」
大きな声ではおっしゃらなかったけれど、「伊勢丹」の花形バイヤーとして活躍されていた時期を経て、商業施設のテナントさんへ出店交渉をする日々は、きっと大きなご苦労があったことと思います。でも、どこで仕事をしていても、そこから「学びとる」力がすごい!
実はこの時期、仕事を終えた後に、夜間の大学院に通いビジネスを学んでいたそう。
「仕事が終わってから学校へ行き、帰宅後はレポートを書いて・・・。久しぶりに徹夜が続きましたね。僕が学校へ通ったきっかけの一つは、マネジメントを担当することになって、プレーヤーではなくなったことです。バイヤーの時代は、自分で交渉したり、デザイナーさんと話をしながらイベントを作ることができたけれど、自分で直接動けない、というマネジメント職になって、最初は心のチャンネルをうまく切り替えられなかった。だから、もう一度、脳みそをゼロリセットするつもりでマネジメントや経営の論理的な思考力を学ばなきゃと思って」
すごいなあ。中北さんは、どんどんと脱皮して姿を変えるカメレオンのような方でした。キャリアを積めば積むほど、人は「実績」という今まで自分が積み上げてきたものをエンジンに変えて、前に進むものです。でも、「蓄積」を大切にしつつも、中北さんは、いとも簡単に今までの「キャリア」という「皮」をツルンと脱ぎ捨て、生まれ変わっていた・・・。その姿に、「ああ、私も『今まで』に寄りかかっていてはいけないのだなあ」と思ったのでした。
今年から再び「三越伊勢丹」に戻り、伊勢丹新宿店と日本橋三越本店のリビングフロアとサービスソリューションの統括を担当されています。
「これからのことは、まだはっきりと見えていないんですけれど、百貨店はどうしても、婦人は婦人、紳士は紳士、食品は食品と縦串になりがちなんです。それを飛び越えて、ファッションと食とを一緒に何か企画ができたら面白いかなあなどと考えています。例えば、メンズ館の中にも男のキッチンスペースがあったっていいと思うんですよ」
ここで、原田さんがこんな質問を投げかけました。
「中北さんは、伊勢丹の若者たちに、何を望みますか?」
するとこんな風に答えてくださいました。
「『圧倒的な好奇心』かな。百貨店って、時代対応業なので、結局は圧倒的な好奇心がないとダメなんです。その好奇心というのは時代へのアンテナと同時に『お客さまやデザイナーさんの気持ちを知りたい、引き出していく力』ということでもあります。いつも、後輩たちには『プロの耳聴きになれ』と言っています。かつてのバイヤーに求められていたのは『目利き』だったかもしれないけれど、今大事なのは『耳聴き』。そして、それとセットで大事なのが『素直な心』です。『自分の価値観や経験で仕事をするのではなく、人の話に耳を傾け、素直な心で受け入れる』。僕自身もこれを肝に銘じています」
やったことがないことをやってみる。それが、佐熊さん、中北さんに共通する「イベント」の意味でした。これは、「今まで、ここになかった価値を立ち上げる」ということでもあります。「やったことがないこと」には、前例がありません。だから、それが正しいかどうか、わからない・・・。ここが「イベント」の一番の醍醐味なのではなかろうか、と今回のインタビューで改めて感じました。
誰もが正解を求め、失敗することを避けようとします。でも、「必ず成功する、と分かってやること」なんてつまらない!だとすれば、正しいかどうか分からないけれど、そこに「何か」がありそうな気がする・・・。そんな直感を信じるしかない。私たちは、百貨店でのイベントを通して、そんな企画者の目に見えない「直感」を受け取って、「そこにどんな価値があるか?」を一緒に探す、共有者になっている気がします。
もう一つ、おふたりに共通していたのが、「自分の心が動いた瞬間」を大事にしていたこと。何かを見に行って「わあ、すごい」と心が動く・・・。そこを捕まえる瞬発力がすごい!どうしてこんなに感動したんだろう?どうしてこんなにドキドキするのだろう?と分析し、それをお客さまとシェアする・・・。そのプロセスが「生モノ」だからこそ、私たちは「へ〜!」「ほ〜!」と感動できる気がします。
「人の心が動く」というリアリティは、インターネットで得る最新の情報の中には存在しません。一見華やかに見える百貨店のイベントの、最初の一歩は、たった一人の心揺さぶられる体験だった・・・。今回その事実を知って、これからの「伊勢丹」でのイベントがなんだか楽しみになってきました。イベントの裏にひっそりと隠れている、誰かの心を感じに出かけてみたいなあと思います。
文・一田 憲子さん
ライター、編集者として女性誌、単行本の執筆などを手がける。2006年、企画から編集、執筆までを手がける「暮らしのおへそ」を2011年「大人になったら、着たい服」を(共に主婦と生活社)立ち上げる。著書に「日常は5ミリずつの成長でできている」 (大和書房) 新著「暮らしを変える 書く力」(KADOKAWA)自身のサイト「外の音、内の音」を主宰。http://ichidanoriko.com
写真・近藤 沙菜さん
大学卒業後、スタジオ勤務を経て枦木功氏に師事。2018年独立後、雑誌・カタログ・書籍を中心に活動中。
次回のコラムのご案内の前に、0丁目組合長より
伊勢丹新宿店 本館6階 催物場で10月22日(金)スタートの
『大人になったら、着たい服「つなぐかたち」』をこっそりご紹介します!!
一部商品は、オンラインストアにて先行販売しております。
※Instagramでも情報を随時更新!
今回の大人になったら、着たい服のテーマは「つなぐかたち」。本館6階に歴代の大人服チームからつながった新しい面々が集います。
会場も本館6階と本館4階の二会場。その4階では大人服人気のブランド<プランテーション>が登場!!!一田さんに着てもらいたくって一足早く試していただきました。
※一田さん着用商品は、10月22日(金)より店頭販売開始いたします。
※10月中旬以降、三越伊勢丹オンラインストアにて販売開始いたします。